住民が主人公になる健康づくり。

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衣笠総合研究機構 教授早川 岳人

 日本人の平均寿命は男女ともに80歳を越えています。しかし健康になく、元気に日常生活を送ることができる期間、いわゆる「健康寿命」はそれより10年少なく、多くの人が数年に渡って介護を受けることが考えられます。

 要介護者を減らせば、介護保険料を減らすことができます。・骨折や生活習慣病の予防のため、これまで福島県で住民の健康を図る体操プログラムの普及につとめてきました。このプログラムの一番の特徴は 「住民が主人公」になるところです。体操を主目的にするのではなく、茶話会やお楽しみイベントをメイン行事としてその「ついで」に体操するようにしたのです。「仲間と会って話す」という楽しみがあれば自分から「やりたい」と思えるようになり、「自分の健康は自分で守る」という意識が高まって、住民全体の健康増進につながっていったのでしょう。福島市では20名程度の人を集めて1つの町内会で始めた取り組みが、今では30以上のグループが活動するようになりました。さらに各自治体が持っている医療・健康データを活用して国全体の健康寿命をのばす「データヘルス計画」も進めています。「地域づくり」が健康づくりのといえます。

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