世界にはデザインについて様々な考え方があります。それを広く日本のビジネス社会に還元・流通させましょう。
日本ではアメリカ発の「消費者に視点を置いて考える」デザイン思考が多く用いられています。製品を検証・改善することで消費者に満足してもらおうというものです。一方で、イタリア発の「広く人間一般に視点を置いて考える」デザイン思考があります。人間や人間が生きる世界にとってよいものを作ろう、「なぜこれが生活の中にほしいか」を考えて製品に新しい「意味」を与えよう、というものです。この考え方が「デザイン・ドリブン・イノベーション」です。
そして、ここから生まれたのが、商品とサービスを同時に顧客に提供するビジネスモデル「PSS(プロダクト・サービス・システム)」です。例えば、製品を売るときにメンテナンスなどのサービスを一緒に提供することで、製品が長持ちし、大量消費・大量廃棄による環境への負担が和らぐというものです。製品が長持ちすることで企業は短期的には苦戦するかもしれませんが、顧客満足が上がり企業のブランド価値が上がることで、結果的に長く存続できるというわけです。