祖父母の育児参加が
子どもの人格に与える影響は?

#103
立命館グローバル・イノベーション研究機構 専門研究員孫 怡

 祖父母の育児参加は、子どもの人格にどのようなを与えるのか、日本と中国を比較した研究を行っています。

 日本では母親がほとんど一人で育児をすることが多いですが、中国では、祖父母の60%以上が孫の育児に積極的にかかわっています。その理由は、ほとんどの夫婦が共働きなのに乳幼児を預かる保育園が少ない、伝統的に祖父母が孫の面倒をみているということなど、いくつかあります。

 祖父母の育児参加によって、どちらの国でも、母親の生活の質が上がりました。しかし子どもへの影響を調べると、中国では祖父母は過保護になりがちで、自立や自己コントロールのにマイナスのを与えていました。また、母親と過ごす時間が少なくなるため子どもは母子分離不安を抱く傾向もみられました。

 日本では、影響を与えるほどの関与は見られません。良い面としては、母親が幼い弟妹の世話に手を取られていても、祖父母が兄姉の育児にかかわることで子どもが安心する、子どもの遊びが豊かになるといったことがあげられます。育児の答えはひとつではありませんが、日中を比較しながら、理想の子育て・子育ちを見つけようとしています。

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