証券取引に影響を与える
「後悔」の感情

#064
経済学部 教授秦 劼

 行列ができる人気レストランと、客のいないレストランのどちらを選びますか?多くの人は行列ができている方を選びます。このように、みんなと同じ行動をとることに安心し、それに従うことを「ハーディング現象」と呼びます。この考え方を使って、の売り買いに「感情」が関わっていると考えました。その中でも、「」が「意思決定」に大きくすると言います。例えば、強気なと弱気な投資家がいたとします。弱気な投資家は損をすることを恐れて株を買わなくなる一方、強気な投資家は損を恐れずどんどん株を買います。すると、弱気な投資家も「今買わないと『後悔』するかも」と考え、株を買うようになります。このように、「何もしなかった」ときにも「後悔」という感情は沸き起こり、自分で正しい判断をすることができなくなってしまいます。

 脳にをして感情を感じることができなくなった人は、正しい判断ができなくなるという病例も多く、人間の意思決定には感情が必要なことが分かります。これからのファイナンス(お金に関わる取引など)領域の研究おいて、人の「感情」についても考える必要があります。

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