未来の医療、暮らしをする
新しい化学合成を創出する

#084
薬学部 教授土肥 寿文[写真左]
薬学部 助教菊嶌 孝太郎[写真右]

 今日私たちは、さまざまな化学製品に囲まれて生活しています。2010年には「クロスカップリング反応」といいの異なる二つの物質を結合させて一つの分子にする化学反応を開発した日本人研究者がノーベル化学賞を受賞しました。

 ただし、高価なレアメタルが使われていることや、化学反応後に不必要な金属塩が作られるため、経済的にも環境面からも理想ではないというがありました。そこで、研究に研究を重ね、環境にも優しく、日本の化学工業の発展に極めて有力なヨウ素という別の物質を使うことで、これをすることができました。

 現在では、薬の分野への展開にも取組んでいます。例えば、「フッ素原子」を含む薬は、が高く、体内でやかに分解されるほか、けやすいなどのメリットから薬の約25%を占めており、将来のことを考えるとフッ素原子の導入はとても重要になってきます。これにクロスカップリング反応を応用することで、新しいくすりが生まれる可能性があります。

 こうした新たな合成技術により、将来社会にをもたらすが創りだされるかもしれません。

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