世界の糖尿病増加を食い止める

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生命科学部 准教授向 英里

 血液の中のの濃度()をうまく調節できないことで起こる病気、それが糖尿病です。今、世界中で尿の人は4億人を超え、さらに増え続けています。これ以上の増加を食い止めるため、糖尿病がなぜ起こるのか、またどうしたら予防したり治療したりできるのかを研究しています。私たちの体では、すい臓から出されるインスリンというホルモンが血糖値を下げる働きをしています。すい臓の中にあるβ細胞はランゲルハンス島とよばれる細胞集団をつくることで必要な時期に必要な量のインスリンをすばやく分泌すること、また現在使われている治療薬がどのように作用しているかを明らかにしました。

 また最近の研究で、血糖値を効果的に下げる運動法も発見しました。注目したのは、食後の短い時間で血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」という現象です。これを起こす人は糖尿病になりやすいといわれています。そこで、食後に運動する実験を行い、食後15分後に約15分間の軽い運動すると、血糖値が高くなり過ぎず、血糖値スパイクが起きにくいことを確かめました。こうした研究から将来、新しい治療法や予防法、効果的な薬が生まれるかもしれません。

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