生命活動をつかさどる
「体内時計」の謎に迫る。

#089
生命科学部 教授寺内 一姫

 地球上にどの生物は1日24時間の周期で生きています。どのようにしてその周期をしているのでしょうか。
 その答えは生物が体の中に持っている「体内時計」がしていると考えられます。

 体内時計は、24時間のサイクルが続き、温度に左右されない、周囲の環境に調させる等の性質があります。外国に行くとっても一時的に時差ぼけを起こしますが、やがて環境に応じて体内時計は現地時間にリセットされ、時差ぼけが治りまするのはこの現象が起きているからです。30億年前から生息するシアノバクテリアの細胞から「時計」をつかさどる3つのタンパク質KaiAKaiBKaiCが発見されました。この中のKaiCが体内時計の中心となることが解明されました。本研究ではさらにKaiCを詳しく調査することで、ATPが体内時計の性質を決めていることが明白になりました。

 シアノバクテリアのような原始的な生物が、なぜ地球の自転周期である「24時間」を細胞内に記憶したのか、まだ不思議なことは沢山あります。

 太古から現在まで生きてきた生物の「24時間の記憶」の謎を解き明かす研究が、我々人間を含めた生命を理解することに繋がることといえます。

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