信頼関係が「強いチーム」をつくる

#024
スポーツ健康科学部 教授山浦 一保

 弱小チームがひたむきなプレーとチームワークで強豪チームを打ち負かし、奇跡のような快進撃をしていく姿を目にしたことはありませんか。ことチームスポーツに関しては、技能や運動能力以外の要素がチームの競技力に大きな影響を及ぼすと言われます。いいチームでは、監督やコーチが選手たちに積極的に声をかけ、ほめることはもちろんコミュニケーションを欠かしません。また、レギュラーではないいわゆる「補欠選手」たちが、自身は試合に出られなくてもレギュラー選手たちと同じ目標とモチベーションをもち、レギュラー選手たちを積極的に応援・サポートするチームは強くなります。「レギュラー選手たちのために支えよう」と縁の下で補欠選手たちを鼓舞するような陰のリーダーの存在がチームスポーツには必要なのかもしれません。

 これは一般の企業にも通じます。上司が部下の努力したところをちゃんと見てそのプロセスをほめ、部下も上司に強要されるのではなく、自分たちで目標を定め、何をすべきかを主体的に考え行動する組織、リーダーとフォロワーが堅い信頼関係で結ばれている組織が、よりよいパフォーマンスを生み出すといえるでしょう。

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