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436 -  日本と西洋の文化を繋ぐ架け橋でありたい (Vol.1)

日本と西洋の文化を繋ぐ架け橋でありたい (Vol.1)

WASSERMAN   MICHEL(ワッセルマン・ミッシェル)教授
国際関係学部

  • No.436
  • 2012年9月7日更新
私が日本文化に興味を持ったきっかけは「能」との出会いでした。子どものころから演劇に興味があり、パリ大学では演劇論を専攻していました。1971年、私が20歳の時、留学先のアメリカ・プリンストン大学で日本人による能と狂言の巡業公演を観ました。とても感銘を受け、留学を終えてフランスに戻った後も忘れることができなかったのです。そこで、日本語を勉強し、日本へ行くことを決心しました。そして3年後の1974年に来日し、約10年間、東京の大学でフランス語を教えながら、歌舞伎を研究しました。歌舞伎は今でも好きで、研究室の書架には歌舞伎コーナーを設けていますよ。その後、東京芸術大学で教える機会を得て、そこでオペラの演出をするようになりました。そして、関西日仏学館の館長として8年間務めたのち、立命館大学の教員になりました。

大学では主に「日仏文化交流史」と「東洋演劇と西洋演劇の比較」を研究しています。日仏文化交流史において、その基礎を築いた第一人者であるポール・クローデルという人物が、日本滞在期間にどんな活動をし、どんな影響を与えたのかについて研究しています。彼は、外交官でありながら、詩と戯曲の才能があり、フランスの20世紀を代表する作家としても活躍しました。大使を務める一方で、積極的に日本画家や歌舞伎役者との親交を深め、日本文化にも様々な影響をもたらします。彼が書き下ろした、舞踊詩劇『女と影』は、七代目松本幸四郎、五代目中村福助らによって上演されました。伝統を重んじる歌舞伎の世界において、外国人が作品をつくるというのは異例なことだと思います。また、京都が大好きで、京都の日本画家に教えを受けながら文人画も描き、芸術家として創作活動も続けました。関西に日仏学館、関東に日仏会館を建て、現在も当時の施設が使われています。

来日をきっかけに、私は西洋演劇に加え、日本の演劇も研究するようになりました。
西洋演劇のオペラと東洋演劇の歌舞伎の違いは、歌舞伎が、台本や演出・舞台構成の全てが伝統的に決まっているのに対し、オペラは、音楽と台本は決まっていますが、演出は自由で、演出に関しては特に定められたものがありません。歌舞伎は非常に劇的な演劇です。舞台の使い方が面白く、役者の芸は見事ですね。演奏が加わることで、空間全体が一体感を生み出し、感動や満足感を与えてくれます。舞台装置も複雑で、セリや廻り舞台に宙乗りとスペクタクルを感じます。京都の南座へも公演を観に行きます。そして、自分がオペラを演出するうえで、いかに無意識に歌舞伎の影響を受けているかということに、あらためて気づかされます。関西に来てからは、「京都オペラ協会」の活動にも参加し、オペラ作品の制作にも携わっています。

次回はオペラ制作や制作の場から見る日本人とフランス人の違いについてお話したいと思います。

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