子どもたちの「居場所」を求めて
森田和之さん(経済学部4回生)立命館Atlas代表 写真:中央喜多村 雄真さん(経営学部4回生)立命館Atlas副代表 写真:左石田有香さん(経済学部4回生)立命館Atlas会計
10月28日(日)にBKCで講演会とワークショップを開催!
私たち立命館Atlasは、10月28日(日)、立命館大学びわこ・くさつキャンパスで、「ホームレスとは誰なのか」~いじめ社会と子どもたち~と題した講演会&ワークショップを開催します。この催しは、学習支援ボランティア団体Atlasの下部組織として新たに発足した立命館Atlasが主催しているもので、当団体としても初の試みとなります。
学習支援ボランティア団体Atlasでは、生活保護世帯の子どもたちの学習・進学支援のボランティアを行っていますが、立命館Atlasでは、一般的な教育とは異なったカリキュラムを組む学校を視察するために研修へ行くなど、自分たちが「教える」のではなく「教わる」ことに重点を置き、そこで体験し、学んだことを、Atlasの活動に還元していくことを目的としています。
今回開催するイベントでは、女性・ジェンダー・子どもから、貧困・いじめに至るまで様々な社会問題を分析し、執筆・講演をされているルポライター兼ノンフィクション作家の北村年子さんをお迎えして、講演をしていただくことになっています。
北村さんは、言葉の使い方において非常に敏感な方で、例えば、世間一般に使われる「ホームレス」という言葉は「ハウスレス」と表現すべきであり、たとえ家があったとしても、本人がそこに居場所がないと感じれば「ホームレス」になりうるのだとおっしゃっています。打ち合わせの段階で、当初は、「格差」や「貧困」をテーマに講演を依頼しようと思っていましたが、北村さんの方から、「堅い意味の言葉を並べてしまうと、固定観念に縛られて射程が狭くなってしまう。『居場所』を切り口に話を広げていったほうがよいのではないか?」とアドバイスを頂き、今はその内容で進めています。
「居場所」を中心とした様々な問題についてお話を伺い、その問題について改めて自分で考えることは、講演を聞きに来てくれる方たちだけではなく、安心できる場所を提供したいという気持ちで生活保護世帯の子どもたちと接しているAtlasのメンバーにとっても、大切だと感じています。
また、いじめ問題についても、多くのシンポジウムで語られるような「いじめの構造」であったり、一般的なハウツーものではなく、私たちが行う講演では、どんな人でも自分ごととして引きつけて考えられる社会的価値の高い内容にしたいと思っています。
そのために、参加型のディスカッションを行う予定なのですが、様々な立場の方から意見が出た方が議論も深まるだろうと思い、場所は大学であっても、弁護士や医師といった方々にもアプローチをかけています。
この講演会の開催を弾みとして、いずれは大学内で土曜学校を開くことを理想としています。家庭だけではなく、普段の学校生活のなかで息苦しさを感じている子もたくさんいます。立命館Atlasでは今までに、沖縄県や島根県にも足を運び、計4つの学校を訪ねましたが、いずれも学習方法に個性があり、子どもたちみんながいきいきとしているのが印象的でした。たとえ場所が変わっても、全ての子どもたちにとって居場所のある環境が整うこと、またそのための方法を模索していくことも大切だと感じています。今後は、教育に関心のある団体やサークルを巻き込んで、立命館大学生でつくり上げる新たな「学校づくり」を実現させていきたいです。
―将来の夢について、それぞれお伺いしました!
森田さん:
立命館Atlasの活動で経験を積んで、いずれは学校をつくれたらと思っています!
喜多村さん:
職種にこだわらず、世の中をより良くするために何かをしたいですね。
石田さん:
生徒との距離が近い先生になることを目指しています!
10月28日(日)開催の講演会について、詳細はこちらから
【+Rな人】学習支援ボランティア団体Atlas
- 取材・文
- 犬塚直希(経済学部6回生)