2011年3月11日に発生した東日本大震災は、僕の人生に大きな影響を与えました。震災前はボランティアにほとんど興味のなかった僕が、大学の「減災×学びプロジェクト」の授業に参加し、岩手県宮古市でボランティアをしたことをきっかけに、今は福島でのボランティア活動「そよ風とどけ隊」にも携わっています。

この団体名には、「よそ者の学生である自分たちが、活動させていただける期間で地域の方と一緒に、そよ風のように心地よい時間を共に過ごし、地域の人を繋ぐきっかけを作りたい」という思いが込められています。福島県の仮設住宅を訪れ、足湯につかりながら、お年寄りにマッサージをしたり、お茶を飲みながら、話を聞いたりしています。来てくれた人が私達と一緒に、または来てくれた人達同士で楽しく話せるような空間をつくれるように心がけています。

                          

以前福島を訪れた際、被災し、避難されている方と一緒にベコ作りを行いました。そのときに、こんなことを体験しました。参加したおばあさんから、「本当はこんなのやりたくない」と最初に言われてしまったんです。それを聞いて、「僕たちの活動は押し付けがましいのかな」と悩みましたが、そのうちにだんだん話をしてくださるようになり、最後は楽しそうにしてくださいました。今でも印象に残っている出来事です。仮設住宅に住む方たちと話をしていると、被災した当時の話を聞くこともあります。黙ってしまったり、悩むときもありますが、僕たちの訪問を喜んでくださったり、その気持ちを直接伝えてくださると本当に嬉しくなります。

他人にボランティア活動のことを話すと偉いと言われることもあるのですが、ただ人に関わる活動が面白いから、この活動を続けています。現地でさまざまな人、例えば現地の大学生やボランティアセンターの方と話したり、観光したり、おいしいものを食べることも大切だと思っています。今まで活動した場所に対して、とても愛着がありますし、純粋に観光として行きたいなとよく思います。

                        
 
福島県においては、放射線量が高く、何年後に住めるようになるか分からないような地域があります。しかし、そのような地域以外では私達と同じような生活があります。「福島県は危険ではないか」というような漠然としたイメージがある方は多いかもしれません。しかし、少し調べれば「そうではない」地域が多いことが分かるはずです。イメージ一つで敬遠してしまうのは、非常にもったいないと思います。福島県には魅力的な場所がいっぱいあります。そして、郷土愛に溢れた素敵な方がたくさんおられます。今年の大河ドラマは福島県が舞台という事もありますし、ぜひ福島県に観光に行ってみてほしいと思います。

これからも団体の活動を通じて、いろんな人や学生の方と出会い、福島の事をもっと知りたいと思います。ボランティア活動に関して何かを始めてみたい人は、一歩踏み出してみればいいと思います。人と関わる、人と繋がるということは本当に楽しく、私にとって何事にも変え難い経験となっています。 

        

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