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県民のみなさんが安心して暮らせるまちづくりを目指して

滋賀県流域治水政策室 中西宣敬さん(理工学部環境システム工学科1998年度卒)

「地先の安全度マップ」で土木学会関西支部技術部門賞を受賞!

  • No.561
  • 2013年8月27日更新
私は、立命館大学に入学する前から環境に関わることを勉強したいと考え、当時の環境システム工学科に入学しました。入学後は、土木関係の研究室に所属し、そこで河川に関する研究に取り組みました。研究を通して、特に土砂災害や河川、治水について学びました。大学卒業後は、民間の環境コンサルタント会社に就職しました。会社の特性上、取引先は公的機関が多く、仕事をしているうちに、様々な問題についての対応方針や今後の政策を立案する立場の仕事がしたいと考えるようになりました。そして公務員になることを決め、出身地であり、琵琶湖を管理している滋賀県庁職員を志望しました。
                 

私が携わっている「流域治水政策」は、簡単に言うと、どのような洪水が起こっても人命を守り、壊滅的な被害を防ぐため、水があふれたときのリスクを知り、住民と行政が一体となってその対策を進めていく政策です。大きな河川からの氾濫で浸水する区域を想定する「浸水想定区域図」を製作することは法律で義務付けられていますが、その他の中小河川については対象とされていませんでした。また、滋賀県ではここ50年くらい大きな水害がなく、県民の危機意識はあまり高くありません。そこで、滋賀県では市町や国土交通省などと連携して、「地先の安全度マップ」を作成することになりました。このマップでは、大きな河川だけでなく、その他の河川や水路からの氾濫も考慮して、地域ごとの水害発生の危険度を記載しました。水害の危険がより身近に感じられ、住民の防災意識を高めてもらうのに役立つと考えています。

地先の安全度マップはあくまでもコンピューターでのシミュレーション結果ですが、水害の危険性が高いと想定された地域を中心に聞き取り調査を行い、昔からその土地のことを知っている地域のお年寄りの話から、過去に発生した水害の状況把握にも努めました。さらに、河川工学や防災を専門とされる学識者の先生方にもアドバイスをいただきました。全国でもこのようなマップの作成は前例がなく、関係機関にご理解いただくことが難しい状況もありましたが、今回この「地先の安全度マップ」で土木学会関西支部技術部門賞を受賞したことで、マップの内容についてはご理解いただけるようになってきました。今後はもっと多くの人々にマップの存在を知ってもらい、さらには県の条例制定などを進め、安全な土地利用や住まい方などまちづくりの段階から治水のことを考えるような社会にしていきたいと考えています。
               

昔はよく川で遊んだりして川は身近な存在でしたが、現在は川で遊ぶことも少なく、その危険を身近に感じにくくなっています。しかし氾濫してから危険性を知るのでは遅いのです。地域が一体となって自助・共助を行えるまちづくりが必要です。日ごろから川はときに危険であるということを理解してもらうため、地域の自治会や小学校などにも出前講座に行ったりしています。「川は氾濫しなくて当たり前」と思われていて、私たちの業務は感謝されることの少ない仕事ですが、地域の人と話し合いを重ねて思いが同じ方向を向いたときや、子どもたちが川について理解してくれたときにやりがいを感じます。そのようなやりがいが私の原動力です。
               
今回の受賞は、市町や国、学識者の方々を含め、多くの人の協力でいただいたものだと思います。流域治水政策に終わりはありませんが、これからも、住民はもちろん、県、市町、国が連携して、より良い流域治水政策を考えていきたいと思っています。

――学生へメッセージをお願いします。
大学の4年間というのは自分の興味あるものを突き詰められる本当に貴重な期間です。私はいろいろな国に行って海外から日本を見るうちに、普段とは違った視点から物事を見ることができるようになりました。自分と違う考え方も認められるようになったのが、社会人になってからも役立っています。自分の中でこれだと思えるものを見つけ、目標をつくり、チャレンジしていってもらいたいです。
                 
  • 取材・文
  • 産業社会学部3回生 鈴木裕加 法学部 3回生 鈴木健司

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