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566 -  世界に触れて、日本人が求められていることを感じてほしい

世界に触れて、日本人が求められていることを感じてほしい

田中勝久さん(2000年経営学部卒)ウガンダ共和国・ナショナルチームコーチ
ウガンダ共和国で野球選手の育成に取り組む

  • No.566
  • 2013年9月13日更新
私は幼い時から野球が好きでした。野球を始めたことで、多くの方と出会い、今の自分があると実感しています。大学卒業後も社会人チームの選手としてプレーしてきましたが、「何か野球を通じて社会に恩返しがしたい」と考え、青年海外協力隊に入隊し、2011年6月からアフリカ東部に位置するウガンダ共和国ナショナルチームのコーチとして現地へ赴任しました。着任後、野球協会を設立した他、約100人にも及ぶ青少年育成にも携わっています。地域の子ども達をスカウトする為、国内の地域を巡回することも、チーム強化の大切な取り組みです。

 

最初にウガンダを訪れたとき、野球文化が国民に浸透しておらず、野球場をはじめ、バットやグローブの道具類、設備が何一つ揃っていない状態でした。日本に暮らす知人からの寄贈のおかげで、3ヵ月後にようやく練習を始めることができました。
私が現地で一番戸惑ったことは、ウガンダの人々に時間を“守る”という概念がなかったことです。ほとんどの選手や生徒が練習時間に遅れて集ってくるという日々でした。生活の環境や習慣が日本と全く異なる選手たちの意欲を上げるため、まずお互いの距離を縮めることを考えました。それは、選手たちがどんなに遅刻しても、辛抱強く「待つ」ということです。いつ来るのかわからない選手を待ち続けます。そして、ようやくグランドに姿を現したときに、私がみんなを“待っていた意味”について話すようにしました。押し付けるという意味ではなく、「野球を教えたい」「みんなを強くしたい」という心情を伝えたのです。そうすることで、次第に信頼関係を築けるようになりました。選手たちも、「指導してほしい」という真っ直ぐな気持ちで、私と向き合ってくれます。伝えたいことは、「野球」というコミュニケーションを通じて体で感じ合うことができるので、言葉の壁を感じることありませんでしたね(笑)。

 

私の選手に対するこの姿勢は、大学時代の準硬式野球部の監督であった恩師から学んだことです。当時、監督は「熱意と自分の気持ちを正直に相手に伝える」という精神のもと、私たちに野球を教えてくれました。在学時代はその意味がどれだけ大切なのか理解できずにいましたが、その精神が指導者としての自分に大きな影響を与え、現在の活動の支えとなっています。

 

ウガンダでの野球支援の実績が、国際文化交流として日本政府に認められ、外務省による「草の根文化無償資金協力(※)」の支援を得ることができました。この支援を受け、今年11月ウガンダに野球場が完成する予定です。また、ウガンダで教えた選手が、兵庫県の独立リーグで活躍しています。このことが指導者として大きな自信へと繋がり、世界で活躍する選手を1人でも多く、輩出したいと強く想うようになりましたね。

 

練習に通う選手や子どもたちにとって、チームに所属し野球を習うことで、自分の居場所や存在価値を見いだしているのではないかと考えています。生徒や選手たちの輝く目に力を与えられています。彼らの目に映る夢を実現させるためにも、残された1年の任期を全力で励みたいと思います。

.
~在学生のみなさんへ~
現在の私の夢は、完成した球場に日本の学生や学生野球選手を招いて、ウガンダのチームと試合を開催することです。そこで、日本のみなさんに野球環境や生活の違いに触れ、日本で生まれたこと、日本で育ったことの有難さに気付いて欲しいと思っています。積極的に世界へ目を向け、行動することで、世界各地で日本人の力が求められていることを知り、世界で活躍する人材になってほしいと思います。



(※)草の根文化無償資金協力
開発途上国の草の根レベルで活動する非営利団体(NGO、地方公共団体、研究高等教育機関等)が行う文化・高等教育事業の実施を支援。各国における草の根文化無償資金協力は、草の根レベルでの当該国の開発に資する文化・高等教育振興を直接支援し、対日理解や日本との文化交流を促進する協力となっています。


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