Let’s try Tabata Trainingl!!~“Tabata Training”でトレーニングが変わる!~
田畑 泉教授(スポーツ健康科学部・学部長)
立命館大学スポーツ健康科学部教授(同学部長)
健康増進やスポーツ競技力の向上に関する身体活動を研究
スポーツ科学に初めて出会ったのは、中学時代。体育の先生から、胸の前で合わせた両方の手を思いっきり押し合って8秒間力を入れるトレーニングを1日3回やるだけで、胸の筋肉がつくというアイソメトリックトレーニングを教わった。「そんなことで筋肉がつくはずがない」、と疑ったが、試してみると本当に効果が現れ、そのおもしろさに驚かされた。大学入学前に参加したサッカーの試合で転機が訪れる。試合中に、右足頸骨骨折の怪我を負い松葉杖の生活を余儀なくされた。そのため、大学の体育では障がい者向けの授業を受講することに。そこで運動生理学を学び“学問”としての体育に触れる。改めてスポーツ科学の奥深さに心が惹かれ、研究者を目指すことを決めた。
スポーツ科学と出会いから約40年。田畑教授が1996年に科学的にメカニズムを証明したトレーニング法「Tabata Training」が、今、欧米やロシア、ブラジルなどで話題になっている。Tabata Traininglとは、高強度(続けて行えば50秒程度で疲労困憊に至るような強度)の運動20秒と休息10秒を1セットとして合計8セット(計4分間)行う、インターバルトレーニングの一種であり、短時間で極めて高い運動効果が得られるトレーニング方法だ。従来の中強度の運動を長く続ければ良いというトレーニングの常識を科学的に覆した。

Tabata Trainingは、Universal Pictures International Entertainment社(イギリス:以下ユニバーサル社)の目に留まり、田畑教授の監修のもと開発したトレーニングプログラム「tabata™ 4 minute fitness-scientifically proven(以下:tabata™」のDVDは、英国内で昨年12月の販売され、現在、販売枚数は1万3000枚を超えている。さらに160ヵ所のトレーニングジムが「tabata™」を採用し、多くの受講者を集めている。欧米諸国では「Tabata」旋風が巻き起こっている。「血圧の上昇や怪我の確率が高くなる高強度運動であるTabata Trainingをアスリートではない、一般の人に安全に実施してもらうには、信頼の置ける組織による適切な指導が必要だと思っていた。そのタイミングで、世界的な知名度と信頼のあるユニバーサル社から連絡を受けたのは幸いであった。」と田畑教授は言う。
Tabata Trainingが生まれたのは意外なきっかけだった。1990年当時、スピードスケートのナショナルチームは、80年代に活躍したスピードスケートの黒岩彰選手を輩出した入沢孝一氏が率いていた。そこに田畑教授も体力コーチとして加わる。運動生理学など最新のスポーツ科学をジュニアチームに教え、入沢氏が以前から実施していたインターバルトレーニングも練習に取り入れた。しかし、そのトレーニングがなぜ効果があるのか誰も知らなかった。そこで田畑教授は、入沢式インターバルトレーニングの研究を開始、1996年に研究結果を発表する。高強度の運動20秒と休息10秒×8セットのインターバルトレーニングを週3回・6週間行うことにより、持久力を示す「有酸素性エネルギー(最大酸素摂取量)」が10%、中距離の能力を示す「無酸素性のエネルギー(酸素借)」が30%も改善することを証明した。
「この論文を世に出すにあたり、多くの教科書に紹介されるであろうことは期待していた」と田畑教授。「Tabata Training」は、実際に欧米で使用されている教科書に引用された。田畑教授は、このトレーニング法が疲労困憊に至る(実際にやってみると運動が終わった後10分位、立てないほどきつい)運動なので、モティベーションの高い競技選手しか実際に行わないと思っていたようだ。しかし、最近では女性を含む多くの一般人が「Tabata Training」を行なうように。想定外の展開であった。
海外のフィットネス界では広く知れ渡っている“Tabata”だが、その発信はほとんどが英語。言語の壁もあり、日本での認知度はまだまだ低い。「『Tabata Training』が和食や京都とは違った“クールジャパン”の一つとして、世界における日本のプレゼンスになってほしい」、と日本発のトレーニングが日本中そして、世界により広く知れ渡る日を想い描く。
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スポーツ科学と出会いから約40年。田畑教授が1996年に科学的にメカニズムを証明したトレーニング法「Tabata Training」が、今、欧米やロシア、ブラジルなどで話題になっている。Tabata Traininglとは、高強度(続けて行えば50秒程度で疲労困憊に至るような強度)の運動20秒と休息10秒を1セットとして合計8セット(計4分間)行う、インターバルトレーニングの一種であり、短時間で極めて高い運動効果が得られるトレーニング方法だ。従来の中強度の運動を長く続ければ良いというトレーニングの常識を科学的に覆した。
Tabata Trainingは、Universal Pictures International Entertainment社(イギリス:以下ユニバーサル社)の目に留まり、田畑教授の監修のもと開発したトレーニングプログラム「tabata™ 4 minute fitness-scientifically proven(以下:tabata™」のDVDは、英国内で昨年12月の販売され、現在、販売枚数は1万3000枚を超えている。さらに160ヵ所のトレーニングジムが「tabata™」を採用し、多くの受講者を集めている。欧米諸国では「Tabata」旋風が巻き起こっている。「血圧の上昇や怪我の確率が高くなる高強度運動であるTabata Trainingをアスリートではない、一般の人に安全に実施してもらうには、信頼の置ける組織による適切な指導が必要だと思っていた。そのタイミングで、世界的な知名度と信頼のあるユニバーサル社から連絡を受けたのは幸いであった。」と田畑教授は言う。
Tabata Trainingが生まれたのは意外なきっかけだった。1990年当時、スピードスケートのナショナルチームは、80年代に活躍したスピードスケートの黒岩彰選手を輩出した入沢孝一氏が率いていた。そこに田畑教授も体力コーチとして加わる。運動生理学など最新のスポーツ科学をジュニアチームに教え、入沢氏が以前から実施していたインターバルトレーニングも練習に取り入れた。しかし、そのトレーニングがなぜ効果があるのか誰も知らなかった。そこで田畑教授は、入沢式インターバルトレーニングの研究を開始、1996年に研究結果を発表する。高強度の運動20秒と休息10秒×8セットのインターバルトレーニングを週3回・6週間行うことにより、持久力を示す「有酸素性エネルギー(最大酸素摂取量)」が10%、中距離の能力を示す「無酸素性のエネルギー(酸素借)」が30%も改善することを証明した。
「この論文を世に出すにあたり、多くの教科書に紹介されるであろうことは期待していた」と田畑教授。「Tabata Training」は、実際に欧米で使用されている教科書に引用された。田畑教授は、このトレーニング法が疲労困憊に至る(実際にやってみると運動が終わった後10分位、立てないほどきつい)運動なので、モティベーションの高い競技選手しか実際に行わないと思っていたようだ。しかし、最近では女性を含む多くの一般人が「Tabata Training」を行なうように。想定外の展開であった。
海外のフィットネス界では広く知れ渡っている“Tabata”だが、その発信はほとんどが英語。言語の壁もあり、日本での認知度はまだまだ低い。「『Tabata Training』が和食や京都とは違った“クールジャパン”の一つとして、世界における日本のプレゼンスになってほしい」、と日本発のトレーニングが日本中そして、世界により広く知れ渡る日を想い描く。