学部長メッセージ 教員紹介
理工系学問の中ですべての基礎となる領域の教育と研究は、現代の複雑化と細分化された学問分野の中にあっても、その共通性からますます重要性が高まってきています。
これらの学問分野は単なる理学の枠組みに留まらず、工学や情報学はもとより、人文科学、社会科学、経済学などの分野とも関連を持ち、互いに融合しあって発展してきています。
ファイナンスや情報セキュリティー分野において数理科学が果たした役割や、エネルギー問題、ナノテクノロジーにおける物理科学と工学の融合などはその典型です。理工学の融合領域にあって汎用性の高い数理科学、物理科学を核として教育と研究を行うのが基礎理工学専攻です。
本専攻には、数理科学コースと物理科学コースの2つの教育研究コースが設置されています。
数理科学コース
数理科学は、物理科学とならんで、理工系学問の中で最も汎用性が高く、それ自体の重要性はもとより教育・研究両面から見て最も基礎的な学問領域であると同時に、科学の長い歴史の中でたえまなく発展し続け、古くから近い関係にある物理学・工学の内に留まらず、情報学・経済学などとも結びつき互いに融合して数理ファイナンスや情報セキュリティーなどの数理を生み出すとともに、固有の研究領域においても発展し続けています。
数理科学コースでは上で述べたような数理科学分野全般にわたって学際的な教育・研究を行っています。整数論・可換環論などを含む代数学、微分幾何・複素代数幾何などを含む幾何学、偏微分方程式論・関数解析などを含む解析学などの本来の教育・研究を追求するとともに、情報数理・数理ファイナンスなどの応用数理分野への展開によって工学・情報学・経済学などの分野との融合連携を図ります。
物理科学コース
21世紀は情報の時代と言われています。生命科学の時代ともいわれています。その技術的進展のめまぐるしさは息をもつかせない程です。しかしながらこれらの科学技術の発展をその基盤において支えているのは物理、化学に代表される物質科学です。物質科学の基盤なくして情報であれ生命であれ科学技術の健全な発展はあり得ません。我々物理科学科の教員は現代にあって物理学科の教育はどうあるべきかを真剣に模索してきました。その結論の一つが大学院を充実させ、そこで専門性の高い創造的研究を体験してもらう事によって、単にアカデミズムの世界にふれるだけではなく、真に物理学の考え方と創造性をその教養の核にすえた若い人々を育て社会に送り出す事です。科学技術の発展の表層はめまぐるしく、新しい技術がたちどころに古びてゆく中でも、基礎となる物理学の考え方と知識をしっかり身につける事は、その人の人生において真の生きる力となる事は疑いありません。我が物理科学コースでは、マスプロ化が甚だしい昨今の大学院教育全般の風潮の中にあって、マンツーマンの中身の濃い研究指導を院生に体験してもらっています。
我が物理科学コースでは、宇宙物理学、素粒子論、量子基礎論、複雑系の物理、環境生態論の基礎物理系、メゾ物性、量子物性、表面物性、物質構造の物性物理系、量子ビーム科学、放射光科学、ナノ領域の物理科学、地球環境科学の物理フロンテイア系の幅広い分野の研究が精力的に行われ、国内外の高い評価を受けています。
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