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臨床心理ゼミ

今日の様々な社会的課題についても教員相互、院生相互の研究交流を通して、自らの心理臨床実践の専門性をいかに活かせるか考えながら問題意識を深めていく場として位置づけています。

各担当者の専門性を活かして研究

さまざまな心理的な困難・障害問題に対するアセスメントや個人的・集団的支援・援助の実際に触れながら、臨床心理学の基本問題、技法、事例などについて、各担当者の専門性(病院臨床、教育臨床、文化・社会臨床など)を活かして研究します。

教員紹介

推薦図書

  臨床心理学を学び、実践をするには、現代社会に存在するさまざまな心理的問題について、幅広く、かつ深く理解することが求められます。生きた人間の援助はマニュアル的な対応ですむものではなく、刻々と変化する局面に柔軟に対処できる力が必要です。自分自身と向き合う作業を抜きにして、他者を適切に援助できることはありません。基礎的知識あるいは既存の知識を身につけることはもちろん必要ですが、それにとどまることなく、それを乗り越え、現実との関わりを通して新たな知を生み出す力も求められます。これらの観点からすれば、読むべき本はたくさんあると言えますが、まずは次のような本に触れてみることをお勧めしたいと思います。

・「私はなぜカウンセラーになったのか」一丸藤太郎 編 創元社,2002年
・「カウンセリングの実際問題」河合隼雄 著 誠信書房,1970年
・「少年期の心―精神療法を通してみた影」山中康裕 中央公論新社(中公新書),1978年

院生から見たゼミ

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水戸薫(2010年度修了 徳田ゼミ所属)

 臨床心理ゼミは、指導教員1名に対し、5名程度のゼミ生で構成されています。そのため、指導教員の研究領域でゼミを選択しなければならないのではと思いがちです。しかし実際には、学生自身の興味を何よりも優先していただけますので、研究テーマは実にバラエティ豊かです。発表やディスカッション、指導教員の細やかで熱心なご指導により、少しずつ着実に研究の方向性を見出すことができます。
 また、臨床心理ゼミは少人数制であるため、仲間との団結力も強く、個人の研究プロセスを全員が把握し、知恵を共有しながら研究が進められるというのも大きな魅力の一つであると思います。

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N.K.(M2 吉ゼミ所属)

吉ゼミのメンバーは先生を含めて6人。和やかでアットホームな雰囲気が特徴です。吉先生の専門は異文化間心理学や絵画を使った心理療法で、他大学の先生方と災害後の心のケアに携わるなどフィールドも豊富。ゼミ生の関心に合わせ、いつも多角的な視点からアドバイスをくださいます。「研究したいこと」と「研究できること」は必ずしも一致しません。でも、ゼミでは一人ひとりの意欲が大切にされます。自主性重視のため発表は強制ではありませんが、皆できる限り修論に向けて発表を続けています。それも、自分の気持ちを受け止めてくれる温かい仲間がいるからだと思います。吉ゼミに入り、紆余曲折しながらも自らの関心を追求していく面白さを感じています。