アーカイブ
2016.07.04
教員インタビュー企画『FOCUS ON EIZO』第2弾 【vol.2】 望月 茂徳先生にFOCUS!
教員インタビュー企画FOCUS ON EIZO
【vol.2】望月 茂徳先生にFOCUS!
映像学部・研究科にはどんな先生がいるのでしょうか。
今回は映像学部の先生をご紹介し、それを通じてどんな学部・研究科を知っていただく教員インタビュー企画第2弾です!
Vol.2:望月 茂徳先生にFOCUS!
第2回は望月 茂徳先生をご紹介します!専門はインタラクティブ・メディア。ネットや新聞でも多く取り上げられた「車椅子DJ」はこの望月先生の作品。今年は副学部長として教学の改進に日々奮起されています。そんな望月先生がどんな学生時代を送り、なぜ映像学部の先生になられたのか、インタビューしました。
「基礎」から「工学」を学ぶために。。。
―大学は学部が筑波大学第三学群基礎工学類、大学院が同大学のシステム情報工学研究科です。大学はなぜここを選ばれたのですか?
科学が好きでした。例えば「ボールを投げたら落ちる」ということに目に見えない理屈が働いているということが面白いと思っていました。そして、何かを作るのも好き。でも、正直、自分が具体的に何をしたいのかわからなかったですね(笑)。それで、まずは大学で「基礎」から「科学」や「工学」を学んでおけばいいだろうと思って、「基礎工学類」というところで学び始めました。ところが、予想以上に紙と鉛筆で物理と工学をひたすら勉強する学部だった(笑)。その時代は今みたいにインターネットで情報が収集できないから、「思い描いていたのと違う(困)」ってなりましたね。
―辞めずに続けられたのですか?
がんばって勉強をつづけましたが、その一方で、もう辞めてコピーライターになるぞ、と思ったりもしました。プロのコピーライターに弟子入りみたいことをして、「牛丼売るためのキャッチコピー100個」とかお題を与えられて作ったり。今では、作品タイトルを考えることに役立っているかな、と思いますが、そんなことをして過ごしているうちに、もう4回生で研究室を選ばないといけなくなった。
「科学と芸術」、運命の出会い
―運命の出会いがあったのですか?
ありました。「科学と芸術の関係・融合」を研究していた小川泰先生に出会い、「これだ!!!」とピンときました。元々芸術が好きだったということもあり、美しさということが科学で説明できるのか、あるいは、科学をつかって芸術が作れるのか、という興味のもと、先生の研究室に入りました。また、大学院在学中にオーストラリア国立大学に1年間留学し、「フラクタル幾何学」を専門とするMichael Barnsley博士に師事しました。博士の理論は「目に見える世界の形すべては数式で表現できる」というものでとても感銘をうけました。帰国後、その理論をもとに自分なりにアレンジし、数学やプログラミングを「鏡」代わりとして、目に見える世界を再構築する「デジタル万華鏡」というメディアアート作品を作りました。これがIPA(情報処理推進機構)の「未踏ソフトウェア創造事業」というソフトウェアを作る人を支援する制度で認められて「(2004年度下期)天才プログラマー/スーパークリエータ」に選ばれたんです。
―すごいですね!では、学生時代はずっと勉強や制作をされていたのですか?
そんなことはないです。国際交流支援サークルという留学生を支援するための団体があって、友人に誘われて参加。はじめはそんなに興味があったわけではなかったんですが、いろんな国の学生と触れ合ううちに「おもしろい!」と。出会った留学生にタンゴ・サルサを教えてもらううちにダンスにすごくハマってしまって、踊る仲間を増やしたくて教室を開いて「つくばラテン化計画」という団体を作って代表をやるまでになりました(笑)。この団体はTBSの夕方のニュースで取り上げられたりもしたんですよ。
―勉強も趣味もすごいエネルギッシュだったのですね。
本当は面倒くさがり屋だったり、出不精だったりします、でも、留学生の友達やその家族を頼ってバックパックで世界中に旅行に行ったり、オーストラリアに留学したり、あれはなんでだったのかを考えると、とにかく「世界に興味があったから」かな、と。そして、自分は自分以外の世界とちゃんとつながっているか、どんな風につながっているか不安だったのだと思います。その中で、言葉だけでは伝わりにくいことがあっても、数式やダンス、アートで伝わったりしたという経験は、とても刺激的でした。
そんなこんなで映像学部へ
―そんなこんなで立命館大学映像学部の教員に。
映像学部の英語名称「COLLAGE OF IMAGE ARTS AND SCIENCES」にビビっときました。学生時代に興味をもっていた芸術と科学の融合のように、異なる分野の専門家が集まるこの学部で自分自身もたくさん刺激を受けながら教育と研究を続けたいという思いで映像学部に来ました。
―それでは、これから映像学部を受けたい高校生と映像学部在学生にメッセージをお願いします。
よく、「将来の夢」と言いますが、その場合「こういう自分になりたい」と考えるのが多いのではと思います。それもいいのですが、例えば、「将来こういう世界になったらいいな」という夢の描き方があってもいいと思うのです。「つくば市がラテン化したら…」みたいに。その為に自分は何ができるか、を考えてみる。さまよったり、不安になったり、色々難しいなと思いますが、そういうことを発想し、発信していってほしい。自分では「つまらないことかな」と自信なく思っていることも、もしかすると他人にとっては革命的なアイデアかもしれない。「自分が実はこういうことを考えている」ということを発信するのに映像学部は向いていると思います。
とりわけ、メディアアートはコンピュータやテクノロジーを使って未来の可能性を探るアート。「こんな世界があったらどう?」を表現する魔法のようなアート、ワクワクするようなアートだと思います。そんなアートに興味がある方は是非一緒に勉強しましょう。
望月先生ありがとうございました。
映像学部・研究科には望月先生のように、「ワクワクするモノ」を作っている先生や先輩がたくさんいます。年に数回、このようなモノ作りに学外の人にも直接触れてもらえる機会があります。是非お越しください!
・「mix up!」<CGゼミ作品展示会>(7月28日(木)~8月1日(月)※詳細情報近日公開予定)
・「ジャンキャリ」<映像学部展示上映発表イベント>(10月中旬)→昨年度の様子
・「シネマグラ」 <実写ゼミ【3回生】作品上映会>(10月中下旬)→昨年度の様子
・「月に足つけて考えて展」<インタラクティブアート展示会>(2月)→昨年度の様子
・「立命館映像展」<卒業制作展示上映会>(2月)→昨年度の様子
次回は、大島 登志一先生(バーチャルリアリティ、ミクストリアリティ)にFOCUSします!
→バックナンバー 【vol.1】 品田 隆学部・研究科長にFOCUS!