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【EIZO DAYS】大学院生特集vol.03:仮面をキーワードとして「嵯峨大念仏狂言」の記録映像制作に取り組む

2015.11.13

EIZO DAYS
- 特別増刊号 映像研究科特集 -

さまざまな興味関心を持った学生が集う映像学部での学生生活について、学生さんのインタビューを通してお伝えする企画「EIZO DAYS」。
今回は、特別増刊号として大学院映像研究科での研究生活についてご紹介します!


 仮面をキーワードとして「嵯峨大念仏狂言」の記録映像制作に取り組む

【vol.03】中田翔子さん(2015年度映像研究科1回生、鈴木ゼミ出身)

・立命館大学大学院 映像研究科に進学しようと思った動機は何ですか?
卒業研究が楽しくて、もうちょっと勉強を続けたいと思ったのが一番の動機です。

卒業研究では、大阪を中心に活躍するアート集団の活動を追ったドキュメンタリー映像を制作しました。この集団はエビの仮面をかぶって演奏するのが特徴なのですが、初めてそのパフォーマンスを見たとき、あまりのインパクトに一気に心を奪われました。そこで、「映像人類学実習」の課題作品に彼らを取り上げることにしたのですが、インタビューを重ねるなかで次々に出てくるエピソードがとてもおもしろく、ますます好きになっていきました。

もともと卒業研究は、人を集められる音楽の力をテーマに音楽イベントのドキュメンタリーを撮ろうと思っていたのですが、彼らに対する強い関心から最終的に卒業研究でも彼らを対象に制作させていただくことになりました。ただ、単純にアート集団のプロモーションビデオになってしまっては意味がないので、自分が最も興味を持った「仮面をつけて」パフォーマンスをするという点に着目し、仮面をつけることによって個人、またはその集団がどう変化するのかといった、「仮面の作用」に重点を置きました。

・現在取り組んでいる研究の内容について教えてください。
卒業研究の重要なキーワードであった「仮面」に関連した研究を、大学院映像研究科でも取り組んでいます。具体的には、京都嵐山にある清涼寺で主に行われている「嵯峨大念仏狂言」の記録映像制作です。卒業研究では、自身の好きな「音楽」という要素が大きかったですが、修士制作では、もっと「仮面」というものにスポットを当て、地域に根付いた、仮面を用いた集団を対象にして、より人類学的な視点の強い内容にしたいと思っています。

「嵯峨大念仏狂言」は、演者も囃子も裏方もすべて民間人の手で行われていることと、役者全員が面をつけて演じる、セリフのない無言劇であることが大きな特徴です。鎌倉時代まで起源をさかのぼる芸能ですが、これだけ長く続いてきた要因の一つが面の存在ではないかと私は考えています。芸能の核となる面が実際に存在しているからこそ、継承が可能となり、また様々な人が集まる保存会の活動の軸としても面というモノの存在が大きいのではないかと考えています。この視点から、一般的に言われているような作用以外の仮面の可能性を見出すことを目標に研究を進めています。

・修士論文または修士制作に向けて
現在は、毎週土曜日にある稽古に通って撮影をさせていただいているほか、仮面に関する先行研究を調べているところです。今後も研究を進めていき、最終的には修士制作として映像作品と解説論文という形に結実させていきます。


★映像研究科 入試説明会開催のお知らせ★

2015年11月15日(日)13:00~ 大阪いばらきキャンパス
2015年11月22日(日)12:00~ 京都衣笠キャンパス
※説明会のスケジュールやアクセスマップはこちら!(リッツネット大学院)

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