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映像学部から世界をめざす!~その1~

2016.07.11

最近巷に飛び交う「グローバル」ということば。立命館大学も「TOP GLOBAL UNIVERSITY JAPAN」に選ばれ、企業からも「グローバル」に対応した人材が求められるなどこのキーワードにますます注目が集まっています。そのことばの定義は受け取る人によって異なりますし、その意味の奥深さが「グローバル」の特長のような気がします。

今回は映像学部から「留学」をする学生さんにその経緯や目的なども伺いながら、「映像学部から世界をめざす」という選択肢について、在学生はもちろんのこと、映像学部を志望する高校生の皆さんに考えていただければと思います。

01.井内大輔さんの「グローバル」。
2016年度に入学した映像学部1回生ならご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。学部歓迎式典で映像学部での学びについて先輩として熱いメッセージを語ってくれた井内大輔さん(中村ゼミ、4回生)。彼は、「全学募集プログラム」に申請し、今年の8月からカリフォルニア州立大学ロングビーチ校へ留学することになりました。そんな彼に留学に至った経緯やその目的についてお伺いしました!

小さい頃から映画が大好きで、自身の夢も観た映画によって強く影響を受けてきたという井内さん。中学校時代のある日、突然「映画を通して人に夢を与えたい」とひらめいた彼は、映画制作の道をめざし、立命館大学映像学部に入学しました。

入学後、低回生時はとにかく映像作りが楽しくて仕方なかった彼ですが、映画制作をいくつか経験した段階で大きな「壁」にぶち当たります。それは真剣に制作した者にしかわからない「現実」
「自分はこれを仕事にしていくことができるだろうか」。

そんな風に悩んでいた頃、映像学部開講科目「特殊講義(専門Ⅰ)『ハリウッド映画におけるCG史』で初めて海外へ。文化・言語の異なる人とのふれあいや、見る物すべてが刺激的だった研修を機に、一気に「視野が爆発」しました。元々授業やグループワークで人とコミュニケーションをとりながらチームをまとめたり、交渉をすることが好きだった井内さんは、北米での経験と帰国後積極的に留学生と交流する機会を増やしたことで、「人とのつながり」の重要性を強く感じるようになりました。

「異文化経験を重ねるうちに、『映画を作りたい』など具体的な夢よりも、もっと広い視野で自分自身を捉えるようになった」という井内さんが、そこから留学をめざした理由を次のように教えてくれました。

「留学は、夢を追いかけるため、もっと大きい夢を叶えるための手段の一つだと捉えています。『夢を叶えると自分の視点が変わる』ということを映像学部で経験しました。あんなにも映画を作りたかった自分が、それが叶ってから今は『人とのつながり』を求めることに夢中になっている。それも世界中の人と。そして世界中の人とつながるために、日本人としてのアイデンティティ以前に、『自分:井内 大輔』という人間の存在意義や目的をつかみ、自己をはっきりと確立させたいと思うようになりました。そのために留学という選択をしました。

もちろんその過程で、日本人としてのアイデンティティも確立されます。間違いなくそれも目的の一つですが、それ以上に、個人としてのアイデンティティが何かを広い視野で追求したい。まだ、具体的な進路は思い描けていませんし、思い描く必要もないと思っています。きっと留学によって自分の視点が変わることがわかるから、何となくコンテンツビジネスの道に進む方向を想定しつつも、結果はその時の自分に委ねようと思っています。」

もちろん本場アメリカの現場で映像について学ぶことも考えています。留学先の大学は世界的に有名な映画監督を輩出した大学でもあり、授業でも知識を得ることはもちろんのこと、カリフォルニアの映像制作会社でインターンをすることも予定しています。また、映像学部で学んだノウハウを活かし、アメリカで「日本を発信する」ことも計画中。

映像の最先端の地で、映像を学び、映像をもっと知ることによって、本当にこの業界でやっていくのかということについても「現実」を知って、進路を見極めていきたいと井内さんは語ります。

帰国後は「卒業研究」を提出します。今はハリウッド映画における日米の映画プロモーションの違いから考察するマーケティング効果について研究を進めていく計画。是非、留学で得たことをいろんな角度から論文にアウトプットしてほしいですね。

井内さんのように、広い視野をもって自己を追求するため、また映像の最先端の地で進路を見極めるために映像学部から世界をめざしたいというのも「グローバル」の一つ。一人一人の「グローバル」に役立つ情報として、次号では立命館大学の留学制度や映像学部の留学事情についてお届けしたいと思います。


→次号は7月15日更新予定!

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