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2016.09.23

CGゼミ 米山一美さん Klab Creative Fes ’16動画部門にて受賞!

   去る8月6日に本選がおこなわれた「Klab Creative Fes ‘16(以下KCF)」。これは、KLab株式会社による学生デザイナーのお祭りで、応募内容は3DCG作品となっています。

   このフェスに、我が映像学部のCGゼミ(北原聡教授)も全員が応募し、腕を競いました。
その結果、厳しい予選・本選を勝ち抜き、見事4回生の米山一美さん「影月巨神グライナー」が動画部門で3位を受賞しました!!


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米山さんに受賞に至った経緯などについて伺いました。

KCFに応募したきっかけは?
―CGゼミ生は北原先生の指示で応募することになっていました。去年も応募しましたが、カスリもしなくて、きっと今年もすごい作品ばかりがくるなと思っていました。

どれぐらいの期間をかけて制作したのですか?
―「影月巨神グライナー」は3回生のゼミ課題だったので10ヶ月にわたって制作しました。
 ①構想
      制作期間が長期にわたるので、どうせなら「好きなことを恥ずかしがらずにとことんやろう」
と思い立つ。日本の昔のロボットアニメをオマージュした、日本らしいアニメにしようと考える。作業量的に尺は数分が限度なので、オープニング映像風の内容に。

 ②絵コンテ
      全編の絵コンテを描き、先生に確認してもらう。先生の反応はまぁまぁよかったので安心。

   ③キャラクターのデザイン
      オマージュ元の作品を意識しつつ、登場するロボットのデザインを決めていく。

   ④ラフムービー
    全編のラフムービーを制作し、流れを確認する。

   ⑤モデリングなど
      ロボットや車など、作品内に登場する全てのモノをモデリング(立体物の形を計算し、形成すること)する。モデリングが終れば質感やテクスチャ(物体の表面や質感を表す模様、または画像)を設定する。
     ゼミ課題に追われる慣れない生活で心身ともに弱ったところへ前期定期試験が襲い掛かる。オマケに「CG実習Ⅲ」の最終課題も重なりパンクするCGソフトに触りたくもなくなり、好きなアニメや時代劇をひたすら見て過ごす。そうこうしているうちに現実に戻る。

 ⑥セットアップ
  モデリングしたキャラクターにアニメーション用の仕組みを設定し、自由に動かせるようにする。

 ⑦アニメーションをつける
  各カットのアニメーションをつけていく。動きは参考書や既存の作品を参考にしてつけていく。適当な資料がない場合は、自分で実際に動いたものを撮影して、それを参考にする。

 ⑧ライティング
  各カットの照明を設定していく。

 ⑨仕上げ
      書き出した素材をコンポジットソフト(合成に特化したソフトウェア)に取り込んで最終的な仕上げを行う。
   昔のアニメ風なので、フィルム調にするなどの加工を行う。また、ゼミの友人にオマージュ元の作品を意識した主題歌の制作をお願いする。後輩に歌まで歌ってもらい、ただただ感謝。
   締め切りが迫り、睡眠時間1時間の状態が3日続いて舌が麻痺する。

受賞の決め手はなんだったと思いますか?
―これはKCFの審査員の方から実際に言われたことですが、技術力はそこまで高くはないものの、作風の着眼点がとてもよかったとのことでした。他の本選参加者の方々との技術力の差は自分でも痛感していたので、もっともっと頑張らなければと思いました。

4回生の卒業制作ではどんなものを作っていますか?
―路線は3回生と同じです。自分が小さいときに見たアニメ、小さいころから好きだったロボットにオマージュを捧げつつ、3回生作品よりも技術が上回るものを制作しようと頑張って作業しています。何とかアニメ制作会社に内定も頂けたので、後は卒業制作にしっかりと取り組んでいこうと思っています。

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   CGを制作する工程は好きな人でなければ、本当に気の遠くなるような作業の連続。
   でも、こんな風に積極的に外部のコンテストなどに応募してよい結果が得られたら、きっとまた次へのモチベーションにつながりますね。

   絵を描くのは苦手だという米山さん。取材時に見せていただいた風景画のスケッチはとてもそんな風には思えないほど繊細かつ緻密なもので、努力家である彼の人柄が現れているようでした。

   作風の着眼点など言わば「企画力」を買われての受賞とのことですが、映像学部では技術や理論のほかにもこういった「企画」や「戦略」などについて学ぶ機会を様々に用意しています。技術や専門知識を身につけながらも、教養や他の領域(コンテンツビジネス、映像理論、映像分析など)についても広く学ぶことでよりおもしろい発想力と着眼力を得ることができるのが他にはない映像学部の強みです。

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