立命館大学 障害学生支援室は、2026年で20周年を迎えました。

立命館大学障害学生支援室 開室20周年

学生の学びを支える取り組みの軌跡

立命館大学の障害学生支援は、
2000年代初頭に学生自治が中心となって始まった取り組みを原点としています。
当事者の声に応え、学生たちが支援体制の整備を求めて動き、
ピア・サポート団体「さぽーと.net」を立ち上げたことが、大学全体の支援へとつながりました。
こうした学生主体の歩みを受けて2006年に障害学生支援室が開室し、
この20年間、立命館大学はすべての学生がともに学び合い、
支え合うキャンパスづくりを進めてきました。
20周年を迎えた今、インクルーシブな学びの実践をさらに深め、
次の世代へとその歩みをつないでいきます。

GREETING ごあいさつ

多様な学生の学生生活を支えた20年間

立命館大学の障害学生支援室は、2006年に設置され、2026年には20周年を迎えることとなりました。この間、障害学生支援室では、多様な学生に寄り添って、その学びや成長を支えてきました。そしてこの活動は、学内外を問わず、教職員や専門家など、数多くの方に支えられてきました。このようなサポートもあり、20年の間に様々な蓄積を経て、現在の姿となりました。
この20年の中で、様々な学生の課題に寄り添っていくために、包括的学習者支援という先駆的な考え方をもとに、学生サポートルームとStudent Success Programと連携を深め、学生の学習環境を支える体制を充実させてきています。また、この間に大阪いばらきキャンパスも新たなキャンパスとして増え、2拠点体制から、3拠点体制へと拠点を増加させました。
またこの20年で、学生の背景や学習スタイルは大きく多様化し、それに伴い支援ニーズも広がってきました。コロナ禍や合理的配慮義務化など、学習環境を取り巻く社会的変化にも対応しながら、支援体制を整備してきました。
現在、大学としては、障害学生だけでなく、様々な困りごとを抱えた学生に対して、その困りごとを起点とした支援をおこなっています。この困りごとについては、例えば合理的配慮願いにおいて、自ら言語化して、講義を担当する先生方に自分で伝えていくなど、単に解決するのではなく、自分自身の理解を深めるような機会ともなっています。ただ一方で、困りごと感を持つ学生は増え続けており、今後も支え続ける体制づくりが、障害学生支援室としての課題ともなっています。
今後、障害学生支援室では、この間の学生支援の20年間の到達点を踏まえて、学生の多様な困難さに寄り添って、学習を通じた学生生活の充実、そして学生生活を通した成長を支えてまいります。また、本学では、かねてから多様な学生がともに学ぶことによって、学生の学びと成長が高まると考えており、これからも、多様な学生を積極的に受け入れるとともに、支援の充実をはかっていきます。

立命館大学障害学生支援室室長小沢 道紀

HISTORY 20年の歩み

学生の活動から全学へ
広がる支援

草創期2001–2005 | The First Steps

2001年

「障害学生の公的保障を考える会」結成。全学的な支援体制を求める動きが始まる。

Working Group on Campus Support Systems for Students with Disabilities was established, marking the beginning of efforts to create a university-wide support system for students with disabilities.

2004年

重度肢体不自由学生の入学を契機に学生団体「さぽーと.net」発足。ボランティアセンター(現:サービスラーニングセンター)が一時的に支援を担当。

The student organization Support.net was launched following the enrollment of a student with a severe physical disability. The Volunteer Center (now the Service-Learning Center) temporarily assumed responsibility for providing support.

2005年

全学協議会で障害学生支援室の設置が決定。

The Plenary Council approved the establishment of the Disability Resource Center.

確立期2006–2017 | Building the Framework

2006年

障害学生支援室を教学部に正式設置(9月)。身体障害の学生支援を中心に、ピア・サポート体制など現在につながる基盤を構築。

The Disability Resource Center(DRC)was officially established within the Academic Affairs Division in September. Focusing primarily on support for students with physical disabilities, it laid the foundation for the current support system, including the peer support group.

2011年

特別ニーズ学生支援室を学生部に設置(4月)。発達障害・精神疾患など多様なニーズへの包括的支援が本格化。

The Special Needs Student Support Room(SNSSR) was established within the Student Affairs Division in April, marking the beginning of comprehensive support for students with diverse needs, including developmental disabilities and mental health conditions.

2014年

「障害学生支援方針」策定。合理的配慮の考え方を大学として明確化。

The Policy on Support for Students with Disabilities was established, clarifying the university’s approach to providing reasonable accommodations.

2016年

障害者差別解消法施行。特別ニーズ学生支援室と身体障害の学生支援を中心としていた障害学生支援室を統合し、新体制の障害学生支援室を学生部所管として設置。

The Act for Eliminating Discrimination against Persons with Disabilities came into effect. The Disability Resource Center and the Special Needs Student Support Room were integrated into a newly restructured Disability Resource Center under the Student Affairs Division.

2017年

包括的学習者支援体制(学生サポートルーム・障害学生支援室・SSP(Student・Success・Program)の三領域を連携した)が整備される。

The Comprehensive Student Support System was established, linking three support areas: the Student Support Room, the Disability Resource Center, and the Student Success Program.

発展期2018–Present | Expanding the System

2020年

コロナ禍でのWeb授業支援、個別避難計画などの災害時対応、キャリア支援など、環境や学生ニーズに応じた支援を拡充。

Support services were expanded in response to changing circumstances and student needs, including assistance for online learning during the COVID-19 pandemic, disaster preparedness measures such as individualized evacuation plans, and career support initiatives.

Column
学びを支える多様な取り組み Diverse Initiatives to
Support Student Learning
キャリア支援|
学生の経験から始まった取り組み

2017年に、就職活動の進め方や相談できる人がいない不安を抱えた学生が、 自身の経験をもとに「障害学生のキャリアを考える会」を企画しました。 「同じ悩みを持つ後輩の力になりたい」という思いから生まれた取り組みです。この学生の思いを受け、障害学生支援室と協働しながら会を継続し、 2018年には「これからのキャリアを考える会」として発展。 特例子会社や一般企業、卒業生から話を伺い、 就労に向けた悩みや疑問を共有しながら、 参加者が自身のキャリアを具体的に描くための機会となりました。

Career Support |
An Initiative Born from Students’ Experiences

In 2017, a student who was concerned about job hunting organized the “Career Discussion Group for Students with Disabilities,” drawing on their own experience. The initiative continued with DRC and developed into the “Thinking About Your Future Career” program in 2018, offering opportunities for students to discuss employment concerns and consider future career paths with companies, special subsidiaries, and alumni.

災害時対応|
障害学生の個別避難計画書作成のワークショップの取り組み

2018年の大阪北部地震をきっかけに、災害発生時に安全に避難できるよう、個別避難計画の作成に取り組んできました。 避難時に必要な支援内容をシミュレーションで一緒に確認しながら、「もしもの時」に備えた安心につながる支援体制を整えてきました。障害学生の主体的な避難を踏まえた実践的な防災支援として継続している取り組みです。

Disaster Preparedness and Response |
Workshop on Developing Individual Evacuation Plans for Students with Disabilities

Following the 2018 Northern Osaka Earthquake, DRC initiated the development of individual evacuation plans for students. Through simulation exercises to identify needed evacuation support and strengthen support systems, the Center worked to enhance its preparedness efforts. These efforts have continued with a focus on practical disaster preparedness and on empowering students to take an active role in their own evacuation.

柔軟な支援対応|
コロナ禍を経験して

2020年のコロナ禍により授業が急速にオンライン化したことを受け、 障害学生支援室では視覚障害学生が授業資料を利用できるよう、 テキスト校正や資料整備を在宅でも進められるサポート体制を整えました。 また、聴覚障害学生に対しては、オンライン授業での情報保障を遠隔で実施しました。 対面での支援が難しい状況でも、 学生の学びを支えるために柔軟に形を変えながら取り組んだ支援の一例です。

Flexible Support Services |
Throughout the COVID-19 Pandemic

In response to the shift to online classes during the COVID-19 pandemic in 2020, a system was established to enable text proofreading and the preparation of learning materials remotely from home. Remote captioning support was also provided for students with hearing disabilities. These efforts enabled flexible learning support to continue when face-to-face support was difficult.

支援機器の活用|
支援ツールの発展と学生ニーズの多様化

視覚・聴覚の特性に応じた学びを支えるため、障害学生支援室では支援機器を活用した支援を進めています。 2022年からは、図表の理解を補助する点図作製を学生スタッフと協働して行い、触って構造を把握できる資料整備を進めています。 また、聴覚障害学生の情報保障や、発達障害学生の授業記録の補助として、音声認識を活用した支援も柔軟に取り入れています。 支援機器の活用により、学生の学びを確実に支えるための支援の幅が広がっています。

Assistive Technology |
The Development of Support Tools and Diversifying Student Needs

Learning support through the use of assistive technology tailored to students’ visual and auditory needs, including the provision of tactile diagrams in collaboration with student support staff, and the use of speech recognition technology to provide access to information during classes.

2024年

改正障害者差別解消法施行(私大も合理的配慮の義務化へ)。

The revised Act for Eliminating Discrimination against Persons with Disabilities came into effect, extending the obligation to provide reasonable accommodations to private universities.

2025年

Salesforceを用いた配慮申請・承認・配慮文の配付の運用を開始。

Salesforce was introduced to manage the distribution of accommodation requests, approvals, and accommodation letters.

2026年

障害学生支援室 開室20周年。

20th Anniversary of the Disability Resource Center.

PUBLICATIONS 刊行物で振り返る支援の取り組み

EVENTS イベントのご案内

COMING SOON

講演会を実施予定です

MESSAGE お祝いのメッセージ

このたびは20周年に際し、多くの皆様から心温まるお祝いのメッセージをお寄せいただき、誠にありがとうございます。
本ページでは、その一部をご紹介しております。ご寄稿いただいたメッセージにつきましては、
周年記念講演会の会場においてもご紹介させていただく予定です。
皆様からの温かいお言葉に、心より感謝申し上げます。

  • 立命館大学
    在学生
    匿名希望さん

    20周年おめでとうございます。障害学生支援室の皆さんのおかげで、自分の体調と向き合いながら、担当者の方と相談しつつ、ゆっくりではありますが学びを進めることができています。いつも本当にありがとうございます。 20年の間に救われた学生は本当にたくさんいると思います。どのような形になるかは分かりませんが、私も人を守れる大人になりたいと思っています。改めまして、本当におめでとうございます。

  • 立命館大学
    卒業生
    小西玲海さん

    留学や休学、語学クラスの履修など、いろいろと障害学生支援室の皆さんを振り回すようなことばかりしてきましたが、毎回寄り添ってサポートしていただき、感謝しかありません。その節は本当にありがとうございました。 20周年おめでとうございます。これからも皆さまのご活躍を心より願っております。

  • 立命館大学
    卒業生
    C.Oさん

    20周年おめでとうございます。 当時の私は世間知らずで生意気な学生で、初回の懇談をすっぽ抜かしたことはいまだに恥ずかしい思い出です。そんな私にも、サポートスタッフや職員の皆さんが真剣に向き合ってくださいました。 自分の障害をどう説明するか、どのような配慮を求めるかを自ら伝えることの大切さ、支援は当たり前ではなく感謝を持って接することなど、多くを学びました。皆さんのおかげで今の私があります。ありがとうございます。

  • 立命館大学
    教員(卒業生)
    米田大樹さん

    20周年おめでとうございます。これからも多くの人の居場所になることを願っています。 障害学生の受講支援にサポートスタッフとして関わる中で、受講に役立つスキルや心構えを冊子にまとめる機会をいただきました。勉強や研究ではなく、学生生活について誰かと意見を交わしながら考えを巡らせた経験は貴重で、視野が広がりました。

  • 立命館大学
    教員(卒業生)
    難波巧さん

    20周年おめでとうございます。 私がサポートスタッフとして関わっていたのは約10年前で、さまざまな企画に取り組んだことを懐かしく思います。現在は教員として立命館で勤務していますが、当時の経験を踏まえ、講義でも試行錯誤を続けています。

  • 立命館大学
    職員
    匿名希望さん

    20周年おめでとうございます。いつも大変お世話になっております。 私たちも障害学生支援室の皆さんと共に、さまざまな状況と向き合い、頑張ろうとしている学生を支える中で、多くの学びを得てきました。これからも、前向きに頑張ろうとしている学生を共に支援できれば幸せです。

これからも、
学生の学びを支える
取り組みを
続けていきます