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12.06

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2024

須佐ゼミの研究班がISFJ日本政策学生会議で最優秀政策提言賞を受賞!

 20241130日(土)・121日(日)、明治大学(和泉キャンパス・駿河台キャンパス)にてISFJ日本政策学生会議が開催され、経済学部・須佐大樹ゼミの4回生、沖朋香さん、小山拳志さん、高橋佑汰さんらの研究班が最優秀政策提言賞を受賞しました。
 ISFJ日本政策学生会議は、日本の未来を考える志高い学生たちの政策立案の支援と、政策の実現に向けた発表の機会を提供する組織であり、毎年12月には数多くの参加大学・研究会が政策提言論文を発表する政策フォーラムを開催します。29期目となる今年は、全国27大学・48研究会・116班が参加し、分科会数も30となる大規模なものとなりました。
 この政策フォーラムにおいては、事前に提出された全ての論文を対象とした一次審査に始まり、二次審査および特別論文審査会議を経て、最優秀政策提言賞(1本)、優秀政策提言賞(1本)、優秀賞(3本)が決定されます。そして今回、経済学部・須佐大樹ゼミに所属する沖さんらの研究班の論文「救急車の適正利用を目指して三重県松阪市の制度変更効果検証への合成コントロール法アプローチ」が、最優秀政策提言賞を受賞しました。
241206susa(左から須佐大樹准教授、小山拳志さん、沖朋香さん、高橋佑汰さん、応援に駆けつけたゼミOBの福田翔雲さん、前畑悠さん)

 沖さんらの研究班は、救急車利用の増加による医療逼迫について、非緊急患者の利用抑制および救急車の適正利用促進が政策的課題であると指摘。ゲーム理論によるモデル分析から導かれた仮説について、「松阪システム(20246月より三重県松阪市の消防地区全域の病院において開始した、非緊急患者の救急搬送を対象とした選定療養費制度の統一的な運用)」を対象に、その効果を検証しました。
 結果として、合成コントロール法を用いて算出した反実仮想と比して、松阪システムの導入によって救急出動件数が導入後4ヶ月間で661.6件(ひと月あたり165.4件)抑制されたことが明らかになりました。その上で松阪市の行政、病院、消防へのヒアリングから、定性的な効果やシステム導入時の留意点を確認し、他の消防地区での松阪システム導入を推進する政策を提言しました。
 また、この研究について評価者らからは、「救急車の不適切な利用やそれに起因する救急医療の逼迫という深刻な問題に対し、既存の先行研究を丁寧に精読したうえでそれらの限界点を整理しつつ、学術的にも比較的新しい計量経済学の手法でもって適切にアプローチしている。」また、「研究で特に着目している、三重県松阪市の消防地区における非緊急患者を対象とした選定療養費の統一的な運用は、今年6月にその運用が開始された世間一般からも耳目を集めるものであり、多くの人が知りたいと考えるその効果・影響について明らかにした点は高く評価できる。」そして、「学術論文の質としても、査読付き論文誌に十分に掲載される質に達しているといえる」などの評価を得ました。 

【沖朋香さん・小山拳志さん・高橋佑汰さん(経済学部4回生)からのコメント】
  この度、多くの研究者の方々に本研究を評価いただき、この賞を受賞できたことを大変嬉しく思います。研究計画から実行、論文執筆などの成果発表までの過程を通じ、多くの学びを得ることができました。これまで熱心にご指導くださった先生方には、心から感謝申し上げます。特に、指導教員である須佐先生と、ピザを囲みながら夜遅くまで研究のブラッシュアップをしたのは、楽しく忘れがたい思い出です。研究班の仲間と最後まで共に努力した経験は、大学生活で最も貴重なものとなりました。この経験を糧に、卒業後も成長を続けたいと思います。

【指導教員・須佐大樹准教授からのコメント】
 他に多くの意欲的な論文が溢れるISFJ日本政策学生会議の場で、今回、沖さんらの研究論文がこのような評価を受けたことは指導教員として嬉しく思います。そして、受賞そのものと同様に嬉しく思うのは、3名みなが常に真摯に学び、大胆にチャレンジし、楽しそうに研究に向き合い続けてくれたことです。初期の着想から最終的な論文執筆、プレゼンテーションに至るまで、全力疾走ながらも精緻に駆け抜けていったその姿を、(時に研究室で一緒にピザを食べながら)特等席で見させてもらいました。
 また、彼らの研究にデータ収集やヒアリングなど様々な面で快くご協力、応援いただいた松阪市役所をはじめ、東海三県ならびに茨城県の病院・消防・警察など関係各所の皆様、多くの有益な助言により支えていただいた学内・学外の研究者の皆様のご厚情に、指導教員として深謝申し上げます。

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