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TOPICS & EVENTS

07.13

EVENT

2022

2022年度メントレ第1弾が開催されました

 「メントレ」は立命館大学経済学部独自の就職応援企画で、「なぜ学ぶのかを考えることは、自分を考えることであり、それはなぜ働くのかにつながる。」をコンセプトとしています。立命館大学経済学部同窓会の協力・後援を得て実施されてきたこの企画は、今年で10年目を迎えています。
 さて、メントレ第1弾「学びと就職活動編」が530日(月)には対面形式、61日(水)にはWeb形式で実施されました。コロナ禍で過去2年はWebでの開催でしたので、対面形式での実施は3年ぶりとなりますが、数多くの学生が集まってくれました。

  冒頭、経済学部副学部長の橋本貴彦先生の挨拶とメントレの趣旨説明があり、続いてキャリアセンターの渡邊修氏(BKCキャリアオフィス)によるレクチャーが行われました。
 「希望する進路の実現に向けて」と題されたレクチャーでは、「納得する進路を自分で選択する」、「就職活動の最新動向を知る」、「今から就活準備にとりかかる」、「キャリアセンターを活用する」という4つのポイントをお話しいただきました。これから就職活動に向かう準備段階にある3年生にとってはどれも大切なことですが、メントレのコンセプトとまさしく同じ考え方でキャリアセンターも学生の皆さんの就職支援に尽力していることがよく分かるレクチャーでした。
 キャリアという言葉は、轍、車道を元々意味しますが、それが転じて経歴、履歴、職業を意味するようになりました。「これまで(過去)」と「今」は変えることができませんが、「これから(未来)」は変えることができます。「これから(未来)」を築くためには、社会に出て何をやりたいのか、自分がどうなりたいか、という「志」を持って進路を決める必要があります。
 そのために第一に、大学生活を充実したものにするようにしましょう。過去のデータからも、大学生活を充実していると進路に納得している割合が高いという結果が出ています。第二に、社会との接点を築くようにしましょう。新聞などで社会で起きている事象を知る、インターンシップに参加する、OBOGを通じて仕事理解、職業理解を深めるといった具体策があります。そうした正課、課外での活動を「振り返る」ことがとても大切で、「振り返る」ことによって偶然うまくいったというだけでなく、「再現できる」能力を手にすることができます。そして企業や社会はとくに、主体性、実行力、チームで働く力の要素を就活生に求めているとのことでした。220713mentore1 1


 いよいよ本日のメイン、経済学部の篠田剛先生による「学びと就職活動」と題したレクチャーです。篠田先生は、バイトやインターンだけ頑張っていればよく、大学での学びと就職は関係ないというのはまったくの誤解だと言い、大卒者を採用するのは「大学で学びと成長」があるからだと力強くレクチャーの口火を切りました。では、何を身につけたらいいのでしょうか? 3回生の残りの期間をどう過ごすべきでしょうか?
 1990年代後半、企業は学生の自己PRに基づいて採用活動を進めてきました。しかし、それは企業にとって苦い経験となったのでした。「どうしてこんなに使えない学生を採ったのか!」というクレームが、各部署から人事部に続々と寄せられたからです。この苦い経験を糧に、企業は採用活動を改善し、今では学生の「コアの部分」とCompetencyを見抜く、洗練された採用人事を行なっています。つまり、付け焼き刃では歯が立たないのです。
 企業は、「コアの部分」つまり学生の価値観や軸について知りたがっており、価値観や軸に裏付けられた志望動機は高い説得力を持ちます。価値観や軸といった抽象度の高い質問に答えられるでしょうか? 答えられるようにするには徹底的な自己分析が必要で、「なんとなく」は許されず、絶えず「なぜ?」という問いに答えていくことで自分のコアの部分が見えてくるようになります。他方、Competencyとは、成果を生む行動特性のことを言います。「学生生活の中で力を入れて取り組んだ内容(ガクチカ)」では、派手なエピソードや偶然の出来事ではなく、過去の行動と結果という客観的事実に基づいて、学生の「能力レベル」が判定されます。大切なのは、再現性のある行動特性だけが、つまり「あなた自ら考え、自ら起こした行動」だけが「能力レベル」として判断されるのです。
 注意しなくてはならないのは、学生がアピールポイントだと思っている点が、必ずしも企業にはそう思われていないということです。学生の自己評価と企業の評価のギャップは、主体性(学生20.4%、企業5.6%)、粘り強さ(学生15.3%、企業3.0%)、コミュニケーション力(学生19.0%、企業8.0%)といった力で大きくなっています。
 さて、「能力レベル」が足りなくて焦っている人もいるかもしれません。しかし、実際に成長すれば、求められる能力レベルとのギャップを埋めることができます。篠田先生の提案は、「本気でゼミ論文を書いてみませんか? しかもひとつの『プロジェクト』として取り組んでみませんか?」というものです。プロジェクトとして取り組むとは、目標を設定して「主体的に」取り組むこと意味します。目標と現状の差を冷静に認識し、それを埋めるために中間目標を定め、PDCAサイクルを回していくのです。そうすることで、成長の軌跡を語ることができるようになり、能力を証明できます。そしてなによりも、「なぜ?」を徹底的に考え抜くという点で、論文と就活は共通しており、大学の学びと就職活動は密接な関係にあるとレクチャーを結ばれました。220713mentore1 2


 最後に、橋本貴彦先生が再び登壇され、第4弾まで続くメントレに関する説明を行いました。20231月実施の第4弾「学びと実践編」では、経済学部OBOGの協力を得て模擬面接等が行われます。申込希望者が多い場合、メントレ第13弾への参加実績が選抜要素となること、時期を逃さず手続きをするよう学生に注意が促されました。メントレ第2弾「学びと自己分析編」は、68日(水)に対面形式、613日(月)にWeb形式で開催されます。

  なお、61日(水)には、メントレ第1弾のウェビナーが開催されました。530日(月)の動画を配信した後、経済学部の佐藤隆先生と大野敦先生、レクチャー登壇者の篠田剛先生が、オンライン座談会形式で学生からの質問に答えていきました。
 「論文執筆は夏のインターンシップまでに間に合わないので、その場合、ガクチカは何を書けばよいでしょうか?」、「アルバイトだけのガクチカは弱いでしょうか?」、「インターンシップにはどれだけ参加すればよいでしょうか?」、「インターンシップ先はどのように選んだらよいでしょうか?」、「エントリーシートは字数制限がありますが、その字数で人間性まで表現するにはどうしたらよいでしょうか?」、「資格・検定はいつまでに取得すべきでしょうか?」など、数多くの質問が寄せられました。3名の先生方は、一つひとつ真摯に学生の質問が尽きるまで回答し、メントレ第1弾を終えました。

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