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【寺脇ゼミで「演習II」の研究成果報告会を開催しました】
私たちのゼミでは、「演習II」の中で取り組んだ研究成果を発表し合う研究成果報告会を7月25日に開催しました。この報告会では、秋学期から新たにゼミに参加する2回生を招き、40人近い参加者の中で、5つのグループがそれぞれ以下のテーマで研究成果を報告しました。
・アップサイクル食品に対する支払意思額と環境・美容・食味情報提供効果
・プラントベースミルクに対する消費者評価-アーモンドミルクラテとオーツミルクラテの比較-
・フードダイバーシティカフェに対する消費者選好分析-「食の思いやり」の価値を測る-
・廃校を活用した宿泊施設に対する支払意思額の計測-木造校舎とRC造校舎の比較-
・廃校を活用した地域交流イベントの経済評価-八尾廃校 SATODUKURI BASEの事例-
それぞれのグループは4月から5月にかけて学内外でアンケート調査を行い、得られたデータを統計的に分析しました。今回私たちが得た主要な研究成果は以下のように要約されます。
・カカオハスク(通常チョコレート生産時に廃棄されるカカオの部位)をアップサイクルしたフィナンシェに対する支払意思額は、その食品の廃棄物削減効果と美容効果を情報として与えることで大きく上昇した。その後食味情報を与えることでも支払意思額は上昇し、最終的に支払意思プレミアムの平均値は情報提供前から186%増大した。これらの結果から、アップサイクル食品の環境・美容・食味情報は、その食品市場の拡大、ならびにアップサイクルの推進に貢献することが結論付けられる。
・オーツミルクラテとアーモンドミルクラテに対する支払意思額は、いずれも環境・栄養特性の情報提供により上昇したが、食味の情報を伝えることで低下した。この結果は、環境・栄養情報がプラントベースミルクの市場拡大を促すものの、その食味は好まれていないことから、長期的には市場の縮小が懸念されることを含意する。一方で両ラテの比較からは、アーモンドミルクラテの方が相対的に高く評価される傾向が観察され、味、香り、飲みやすさの面でオーツミルクよりも優れていることが示された。
・フードダイバーシティに対する配慮として、グルテンフリーメニュー、ヴィーガンメニュー、ハラルメニューについて、各メニューを用意するカフェは用意しないカフェよりも選好されることが示された。3つのメニューを比較すると、グルテンフリーが最も高く評価され、ヴィーガン、ハラルの2倍近くの経済価値を示した。この結果は、健康・思想・宗教への各配慮の重要性に対する定性評価の結果と整合しており、フードダイバーシティ配慮に取り組む飲食店は、まずは健康面に力点を置くことが効果的だと言える。
・普通の和風旅館を基準に、旧校舎をリノベーションした宿泊施設に対して人々が支払っても良いと思う宿泊料金を計測した結果、木造校舎を活用した宿泊施設は和風旅館と遜色ない水準で評価されることが示された。しかしながら、RC造の校舎との間では和風旅館の方が選好される結果となり、それを宿泊施設に活用しても旅行者には受け入れられないことが結論付けられる。一方最も高く評価されたホテル属性は「朝食時の伝統食材の使用」となり、食が農山村地の観光資源として重要な役割を果たすことも示された。
・廃校を地域交流イベントの開催場所として利用することで生み出される便益は、大阪府八尾市の旧高安中学校で開かれている「八尾廃校 SATODUKURI BASE」のケースでは約65万円と計測された。もし毎月こうしたイベントが開催されるとすれば、その廃校のイベント活用がもたらす便益は年間で約785万円に上るものと予想される。この結果は、学校の閉鎖後もその場所で地域交流イベントを継続的に開催することの社会的意義を示すものであり、同時に行政がこうしたイベントに一定の支援を行うことの正当性を主張する。
質疑では多くの鋭い質問や意見が飛び交い、活発な議論が展開されました。報告会後のアンケートでは、私たち3回生からは
・聞き手の顔を見ながら、自分の言葉で説明できた。
・発表を通じてプレゼン能力や伝達力が向上したと感じた。
・他者に説明する過程で、自分の研究への理解が深まった。
・グループで協力して準備を進められたことに達成感があった。
・他のグループの説明方法や構成から多くの気付きがあった
など手ごたえや達成感、自身の成長、得られた学びをあげる声が多く聞かれました。同時に
・論理構成や説明の順序に改善の余地を感じた。
・飽きさせないプレゼンを行うことの難しさを実感した。
・質問の意図をすぐ理解できず、適切に回答できなかった。
・聴衆を巻き込む工夫やアイコンタクトが不足していた。
・統計分析を独力で行うことに不安が残った。
など、反省の声も多くあげられました。
一方で2回生からは
・全体的にクオリティが高く、前提知識がなくても理解できた。
・多くの質問が飛び交い、活発な議論を展開する様子に驚いた。
・研究テーマの幅広さや面白さを知ることができた。
・講義で学んだ内容が実際の研究で活用されていることを実感した。
・調査やデータ分析の結果から結論を導くプロセスに感心した。
など私たちのプレゼンに満足してもらったり、質疑の雰囲気に刺激を受けたりした様子がうかがえました。加えて
・ゼミ研究のゴールを具体的にイメージすることができた。
・研究へのモチベーションが高まった。
・1年後、先輩方のような発表ができるように頑張りたい。
・メンバーで協力して作り上げていく過程を楽しみたい。
などこれから始まるゼミ活動に向けて前向きに取り組もうとする姿勢もみられました。それぞれの代にとって意義のある時間を過ごすことができたと感じています。
私たちは現在、上記のグループで得た研究成果をもとに個人で論文を書く作業に取り組んでいます。さらにその成果を発展させたプロジェクトを企画しており、秋学期からの「演習III」の中で実践的に取り組む予定です。引き続きゼミ全体で協力して、今後も社会の発展に貢献する研究成果をあげたいと思います。
経済学部3回生 岩佐大翔
