2020年度 秋学期開講に向けた
お知らせ

秋学期以降の教育と学生支援に
全力で取り組みます。

立命館大学長仲谷 善雄

新型コロナウイルス感染拡大による影響が続いており、保護者の皆さまも不安な状況に心労が重なっておられることと存じます。保護者の皆さまがご健勝にてお過ごしになりますよう、心よりお祈り申し上げます。

春学期は学生の安全安心を最優先とし、通学途上の感染リスクや教室間の移動、昼食時の「3密」が避けきれないと考え、4月上旬からキャンパスへの入構を制限し、授業はWEB授業を活用して単位認定の要件を満たす授業を行い、課外活動は停止いたしました。緊急事態宣言の終了後は、感染状況を把握しながら、段階的に感染対策のうえ施設利用を再開し、7月からは実験などの対面授業、課外自主活動も段階的に再開しております。世界を覆う危機的状況に対し、適切と思われる対応を迅速に実行してきておりますが、こうした春学期の対応について、保護者の皆さまより、学習、課外自主活動、就職活動など多方面にわたるご意見を頂戴しております。大学は、その言葉を真摯に受け止め、秋学期以降の教育と学生支援に活かしていく所存です。とりわけ新入生の皆さんには、立命館大学に入学してよかったと感じられる場や様々な出会いの場を在学生とともに創出していきます。

秋学期からは対面の授業を十分な感染防止のうえ行います。加えて、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド授業も取り入れることとし、すべての教室でリアルタイムあるいはオンデマンド配信ができるよう設備の整備を行っています。学生の皆さんには感染予防のための行動を呼びかけるとともに、各キャンパスの施設には、飛沫防止パネル、消毒液、マスク、フェースシールドなどの備品、検温機器の設置、換気設備など健康・安全管理に関わる環境整備も並行して進めています。こうしたことが今後の不測の事態となった場合においても、学生の安全安心の確保と教育を両立し、継続する一つの前提であると考えています。留学プログラムの進め方も、課外活動の行い方も、授業以外のピア・サポート、つまり学び合いの場も、WEBを活用するなど、昨年度までとは異なる方法を試行します。

立命館大学は、学生とそのご家族、教職員の健康、そして学生の学ぶ意欲を育てることを一番大切に考えています。保護者の皆さまには、是非このような大学の取り組みの趣旨をご理解いただき、ご協力いただきたく存じます。そのうえで、ご意見やお問い合わせは遠慮なくお寄せください。大学はそうした皆さまの声に耳を傾け、真摯に対応して参ります。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

立命館大学は、春学期を通じて把握した課題と今後の状況変化に対応し、何よりも、学生を誰一人取り残さない覚悟で教職員一同が全力で、秋学期以降の教育と学生支援に取り組んでまいります。

2020年9月28日

秋学期の授業と
学生生活に関する取り組み

春学期を振り返って

春学期は急遽WEB授業を行うことになりました。それに伴い、受講環境整備のための金銭的支援(一人一律3万円支給)や情報機器の貸出を行うとともに、学生・教員に対するアンケート調査を通して、授業の検証や、学生の皆さんの学習・生活実態の把握に努めてきました。

また、BKCでは7月下旬から9月上旬にかけて、一部の実験・実習科目を中心に対面授業を行い、衣笠キャンパスとOICでも、一部で対面授業を行いました。その実施にあたっては、教室内の換気、入構者数の制限、身体的距離の確保などの三密対策を徹底するとともに、マスクの着用、手指消毒の徹底などの感染防止策を講じました。

対面とWEBの両方で
秋学期の授業を行います

秋学期は、対面授業、対面授業とWEBを組み合わせたハイブリッド授業、WEB授業を実施します。学部・研究科ごとに違いはありますが、ゼミなどの小集団の授業は主に対面授業、受講生の多い講義は主にWEB、または対面とWEBの併用で行うことを予定しています。対面授業に不安を感じる学生に対しては、個別の事情を勘案して、不利益とならないよう授業配慮を行います。そのほか、感染防止策については7月下旬以降に実施した対面授業の際と同様の対策を講じます。教室などの感染防止策については後のページをご覧ください。

また、ハイブリッド授業やWEB授業のスムーズな実施のため、全教室にWEB授業用のカメラとマイク、スピーカーを設置します。これにより、対面授業は録画することができるようになります。また、教室で実施されている対面授業にオンラインを通じてリアルタイムで自宅等から参加することも可能となります。

WEB授業がより学びやすく

春学期に関する複数のアンケートを通して、WEB授業の利点を確認するとともに、教材の提示、課題のフィードバック、教員と学生のコミュニケーションのあり方などに改善すべき点があることを確認しました。これを受けて、オンデマンド型のWEB授業では、レジメやテキストなどを提示するだけでなく、学生の皆さんが受講の実感をもてるコンテンツを提供するよう改めます。課題を出すタイミングも学生に事前に提示するように改善し、授業に対する質問や課題の講評等についても、学生とコミュニケーションを高めるよう工夫します。秋学期においても、学生や父母の皆さまの声に向き合いながら、学生満足度の高い授業に取り組んでまいります。

学生生活充実に向けた取り組み

キャンパスで会いましょう

春学期はキャンパスへの入構を制限したため、学生同士、学生と教員間の対面による交流がほとんどできませんでした。特に新入生が、初めての大学生活で思い描いていたキャンパスライフを送ることができなかったことは大変残念に思っています。

秋学期のはじめには、学生生活の充実に向けたオンキャンパスでの取り組みや歓迎行事を企画しています。クラス単位での交流会・懇談会も準備されています。歓迎行事では、キャンパスにクラブ・サークルのブースも設置されます。これらの企画や歓迎行事は、十分に感染症対策を講じたうえで、実施いたします。

それぞれの望むところへサポートします

留学、資格取得、難関試験などにチャレンジする学生も多くいます。それらについては、直接対面で、電話で、オンラインで一年中相談できます。分野ごとの交流会も開催しますが、交流会では進路のシミュレーションや大学によるサポートの詳細を知るとともに、相談することもできます。特に留学については、オンライン国際交流など様々な取り組みを行います。

心身ともに健やかに

ステイホームが続くなか、運動不足による体調不良や精神的なストレスを抱える学生からの相談に応じています。

春学期にはカウンセラーによるオンライン相談窓口を設けました。今後、健康相談会やWEBランニング企画、感染症対策について正しく学ぶ啓発クイズなど、「ヘルシーキャンパス」を一層進めていきます。

みんながひとつになって

秋は、文化・芸術、スポーツのシーズンでもあります。スポーツでは、野球やアメリカンフットボールなどの大学スポーツ試合を、キャンパスでのパブリックビューイング、またはオンラインで応援する企画が検討されています。立命館大学生としての一体感、アイデンティティが形成される企画によって、学生生活を充実させていく取り組みを行ってまいります。

学生生活充実に向けたオンライン・オンキャンパスの取り組み企画(例)

  • 先輩学生(オリター等)を交えた、クラス単位での交流・懇談(授業や学生生活全般について気軽に相談、交流できます)
  • キャンパスでのサークルブースの出店(クラブ・サークルとの接点ができます)
  • 各キャンパス、各学部・研究科による独自の学生応援企画を準備(学生の皆さんにはmanaba+Rなどでお知らせします)
  • サイバーキャンパスから大学を知る企画(11月に向けて構築中)
  • 「つながりをつくりたい、交流したい」学生発・学生参加のプロジェクトを中心としたオンラインコミュニティづくりのプラットフォーム

感染防止対策の基本

「新しい生活様式」にもとづき厚生労働省が推奨する基本的な感染防止策(①身体的距離の確保、②マスク着用、③手洗い)とともに、「3つの密」(密閉・密集・密接)を避けるための対策を基本に、学生の皆さんや教職員が安心・安全に授業や学生生活に取り組むことができるよう、大学としてできる限りの対策をとることとしています。

啓発ポスター(見本)

学生、教職員、来校者の皆さまにお願いしていること

  • 「自らが感染しない」「人に感染させない」ための行動の徹底
  • 「マスク着用」の徹底(忘れた方には窓口で配布)
  • 手洗い・手指消毒の徹底(アルコール消毒液は人が集まる箇所に設置)
  • 登校前の検温、体調不良時は外出しないことの徹底
  • 人が多く集まる学生窓口や食堂などには、サーマルカメラ体温測定器を設置
サーマルカメラ体温測定器による検温
各所にアルコール消毒液を設置
啓発ポスター(見本)

食堂での対策

  • すべての座席に飛沫防止パネルを設置し、安心して食事がとれるようにします。
  • 食堂スタッフは毎日体調チェックを行い、接客時はマスクを着用します。
  • 換気の強化、ソーシャルディスタンスの確保などの対策を実施します。
  • 食堂入口にサーマルカメラ体温測定器を設置します。

対面授業(教室)での感染防止対策

  • 教員は授業の際もマスクを着用(必要に応じてマウスシールドやフェイスシールドを着用)
  • 教室内では2メートル(最低1メートル)の距離を確保(最大教室定員の50% 以内を想定)
  • 全教室に透明の飛沫防止パネルを設置(質疑応答時の飛沫防止対策、ソーシャルディスタンス)
  • 共用部分(ドアノブ、手すり、スイッチなど)の定期消毒
透明の飛沫防止パネルを全教室に設置

換気対策

  • 授業中においても、厚生労働省が推奨する①機械換気、②窓の開放による自然換気(教室では30分に一回、数分間の窓開け)を実施します。

課外活動での対策

  • 感染防止策を徹底しながら、活動しています(活動再開時には感染防止策を含む計画をたてて、大学との面談を実施しています)。

自らが感染した、また感染の疑いがあると言われたら

  • すみやかに所属学部・研究科の事務室にお知らせいただくようお願いしています。
  • 大学では、感染した学生・ご家族等の人権尊重・個人情報保護へのご理解とご配慮をお願いしています。

「 新型コロナウイルス感染者への差別に反対する声明」
( 2020年9月1日仲谷善雄学長)

病気や体調不良になったら
〜保健センターがあります〜

  • 各キャンパス内には「保健センター」が設置されており、医師や看護師が学生の皆さんの健康相談や病気の診察・治療にあたっています。2017年度からはその医療費(保険診療分)の自己負担額を父母教育後援会に補助いただく制度が発足し、学生たちは医療費を心配することなく安心して受診可能となりました。詳しくは、保健センターのホームページをご覧ください。

皆さまのご質問に答えて Q&A

7月に父母教育後援会より会報(臨時号)が発行され、そのアンケートにより、
皆さまからご質問やご意見をいただきました。ここではその主なものについてお答えいたします。

Q1 新入生にとって、春学期はキャンパスに通うことがなかったため、友人ができていないと心配しています。
秋学期には、友だちづくりができる機会はあるのでしょうか?

A1

秋学期には対面授業も始まり、キャンパスに通うことができるようになります。秋に企画している新入生歓迎イベントでは、先輩学生も交えたクラス単位での交流・懇談会があり、新しい仲間とスムーズにコミュニケーションできるようになります。その他、課外自主活動(クラブ・サークル)の説明会などがあり、友達づくりや仲間づくりにつながる機会が多数あります。

Q2 大学でも感染防止対策をとったうえで対面授業を再開してほしいと思うのですが、
秋学期はどのぐらい対面授業が実施されるのでしょうか?

A2

大学全体としては、感染防止対策をとったうえで、約半数の授業において対面授業か対面とWEB 授業を組み合わせた授業を実施する予定です(学部・研究科や回生により割合は異なります)。各授業の実施方法は、オンラインシラバスを通じて学生の皆さんに公開しています。

Q3 WEB授業では、資料や課題を提示するだけの先生がおられたと聞いています。
宿題とされる課題も多すぎると言っています。秋学期はどのように改善されますか?

A3

春学期に実施されたWEB授業に対する様々なご意見や、授業アンケートの結果を大学として真摯に受け止め、秋学期の授業改善に役立てることにしています。また、課題の量を調整する、あらかじめ課題を出す時期を示す、など、授業改善の取り組みを進めます。

Q4 春学期はキャンパスに登校する機会が得られなかったのですが、
授業料の返還や減額などの措置はとられないのでしょうか?

A4

学費を主な収入として大学全体の運営が支えられています。学生の多様な学びと成長の支援、教育の質を持続的に向上するための環境・条件整備を不断に実行することが、学費の重みに応える責任であると考えています。コロナ禍に対応する、学びの継続・経済支援、授業実施・改善のための設備整備、感染防止等もこの考え方に基づくものですが、同時に予期していない新たな費用を伴います。学費は施設利用等の個別事由によって返還する性質のものではないことを、ご理解いただきますようお願いします。

Q5 下宿生でキャンパスに行けないので、食事や体調、メンタル面を心配していました。
大学ではどのようなサポートがあるのでしょうか。

A5

各キャンパスには保健センターがあり医師や看護師がおりますので、健康面で不安なことがあれば遠慮なく相談してください。また、各キャンパスの学生オフィスには、カウンセラーも常駐しており、大学生活での困りごと、悩みごとを窓口、電話、オンラインで相談できるようになっています。

Q6 課外活動や留学などにもチャレンジしてほしいと思っていたのですが、秋学期はどうなりそうですか?

A6

課外活動団体には、コロナ禍で自ら、仲間、家族の健康を守るための適切な理解と行動がとれるようにサポートしており、順次、活動再開をしてきています。秋の新歓イベントでは課外活動の紹介ブースで直接話しをきくことができます。留学については、海外での感染拡大状況にもよりますが、可能な限り実施する方向で検討しています。オンライン留学やオンライン国際交流も行います。詳しくは各キャンパス国際課にご相談ください。

Q7 感染リスクを心配して、登校は慎重にさせたいと思っています。
授業では不利な取り扱いをされないでしょうか?

A7

学生自身の既往症や健康状態、同居するご家族の事情、通学条件などの理由で登校が困難な場合は、所属学部・研究科の事務室や科目を担当する教員にご相談下さい。講義の録画配信などによる学習機会の提供に努めるとともに、不利な取り扱いにならないよう、担当教員がその授業に応じて配慮することになっています。

Q8 大学ではどのような感染防止対策がとられていますか?

A8

感染防止策の基本とされている①ソーシャルディスタンス確保、②マスク着用、③手洗いとともに、「3密」(密閉・密集・密接)を避けるための対策を行い、学生の皆さんが安心・安全に授業や学生生活を送ることができるように努めています。飛沫防止パネルを全ての教室の教卓や食堂のテーブルに設置しています。また、学びステーションや食堂などの入口へのサーマルカメラ体温測定器の設置などを行っています。