RITSUMEIKAN WINTER SPORTS
DEC 15, 2017
1953年に創部した立命館大学スケート部スピードスケート部門ショートトラックは、2002年のソルトレークシティオリンピックに在学中に出場した神野由佳さんも所属。2017年12月現在は、選手4人、マネージャー1人が所属し、滋賀県や兵庫県、京都府のリンクで練習を行っている。人数が少ないためリレーには出場できないが、個々のレベルは高く、それぞれの目標に向かって日々努力を重ねている。
主将前田 海剛さん
(産業社会学部3回生)
A級
主将前田 海剛さん(産業社会学部3回生)A級
大学生活では、全力で取り組め、大学から始めても勝負ができる競技がしたいと考えていた前田さんは、ショートトラックのスピード感に魅力を感じ、スケート部に入部した。
スケート連盟が認定する級では、大学から始めた人の多くが4年をかけてB級もしくはA級を取得するところ、前田さんは2回生の冬に、A級を取得し、一つの目標だった国体への出場を果たした。ブレードの操作は非常に難しく、体の向きやブレードの位置などすべてが合わなければ、納得した滑りができないという。何が悪いのか、速い人と見比べて何が違うのか、動画を見るなどして自分の滑りを模索し続けている。
次に目指すのは、AA級の取得と西日本ショートトラックスピードスケート選手権大会の上位30人が出場できる、全日本選抜ショートトラックスピードスケート選手権大会への出場だ。
喜多 未来さん
(総合心理学部2回生)
AAA級
喜多 未来さん(総合心理学部2回生)AAA級
4歳からフィギュアスケートを始め、コーチに誘われて5歳からショートトラックの世界に足を踏み入れた喜多さん。その魅力は爽快感と駆け引きだと語る。
シーズン中には週6日、ランニングやウエイト、フォーミングなどの陸上トレーニングと、リンクでの練習をこなす。小さい頃からずっと続けてきたショートトラックだが、「思うような滑りができず、結果がでなかったときは、何度もやめようと思った」と振り返る。そのたび、「これまで続けてきたのにここでやめていいのか、もっと速くなれるんじゃないか」と、自分と向き合い、挑み続けてきた。500mは約40秒のレース。その一瞬のために毎日ハードな練習をこなしているからこそ、試合で勝てたとき「頑張ってよかった」と心から思える。喜多さんの目標は、2年に一度開催されるユニバーシアードに出場すること。その目標に向け自分自身と闘い、氷上を駆け抜ける。
競技紹介
競技紹介
ショートトラックスピードスケートは、1周111.12m(直線:28.85m、カーブの半径:8m)のトラックを集団で滑走する競技で、500m、1000m、1500m、3000mがある。フィニッシュタイムを競うスピードスケートと異なり、順位による勝ち抜きで行われる。リレーでは、男子は5000m、女子は3000mを1チーム4人で行い、タッチは次の選手の腰を押す。
4~6人の選手が同時に滑るため、抜きつ抜かれつの迫力あるレース展開を見ることができる。レース中の追い越しは、外側、内側のどちらからでもかまわないが、コースを印すポイントより内側に入ると失格となる。また、前の選手を押したり、引っ張るなどの妨害行為は失格となる。原則として、追い抜く側に責任があり、接触によるトラブルでの失格や救済はレフェリーによって判定される。
接触や転倒の危険防止のため、ヘルメット、手袋、シンガード(脛当て)、ネックガードなどの安全防具の着用が義務付けられている。これらの安全防具に不備がある場合は、失格となる。ゴールはスリットカメラでブレード(スケート靴の刃)の先端を1/1000秒まで計測しているため、最後まで諦めない粘り強さが勝敗を分ける。
ショートトラックの級について
ショートトラックの級について
日本スピードスケート連盟により、E級からAAA級とタイムで級が定められており、級によって出場できる大会が限定される。スケート連盟の公認大会で各級のタイムを2種目クリアすれば、昇級することができる。
スケート靴
スケート靴
ショートトラックで使用するスケート靴は、フィギュアスケートやスピードスケートとは仕様が異なり、軽い素材でできており、カーブで体をしっかり倒しても靴の部分が氷につかないよう、靴とブレード(刃)が離れている。
オーダーメイドのスケート靴のブレードは、身長にあわせて0.5inきざみで長さを決める。感覚にあわせてロック(ブレードの湾曲)などを加工してもらい、何度も調整を繰り返してそれぞれのスケート靴が出来上がる。ブレードは、1mm欠けただけでも転倒や怪我につながってしまうため、手入れは入念に行い、研磨も選手自身で行っている。