宇宙地球フロンティア研究科への
期待の声

株式会社ispace

月面開発が成熟する過程をリアルタイムで体験できる最高のタイミングを逃さず、チャレンジしてほしい

神谷 秀有 様

株式会社ispace
Executive Vice President
Strategy and Business Development

※ 所属・役職は取材当時(2026年3月)のものです。

COMPANY PROFILE

会社概要

ispaceは宇宙資源を活用し、地球と月をひとつのエコシステムとする持続的な世界の構築に向けた以下の事業を行っています。
・月周回および月面への高頻度輸送サービス・データ販売事業
・月周回および月面へのペイロード開発支援
・月インフラ整備に向けた事業開発

宇宙地球フロンティア研究科の人材育成に対して、
企業としてどのような価値や魅力を感じますか?

宇宙技術のみならず、マネジメントや事業創出までを含めた幅広い視野を持つ宇宙産業人材の育成に取り組まれている点に大きな期待を感じています。

地球周辺と月周辺では環境条件が大きく異なり、月での活動を目指すには、月・宇宙特有の物理環境、システム、安全性、運用に関する専門的な理解が不可欠です。宇宙産業では、私たちのようなスタートアップを含め、新たなプレイヤーが急速に増えており、基礎的な専門性と同時に、実装や事業につなげる視点を持つ即戦力人材が強く求められています。一方で、日本国内には、宇宙を体系的かつ実践的に学べる教育プログラムはまだ限られています。宇宙地球フロンティア研究科が、同じ志を持って月や宇宙に挑戦する人材を育成する場となることを、非常に心強く感じています。

また、宇宙産業の発展には、技術、科学、ビジネス、政策、社会的受容といった領域を横断し、異なる視点を統合できる人材が不可欠です。世界の宇宙産業においては、いわゆる「文系」「理系」という区分よりも、課題に対して多角的に考え、他分野の専門家と協働できる力が重視されています。宇宙地球フロンティア研究科から、分野横断的な知識と創造力を備え、グローバルな舞台で価値を発揮できる人材が育つことを期待しています。

さらに、学生の約半数が留学生で、英語のみで履修可能という国際的な教育環境は、グローバルな宇宙産業の実態に即した非常に魅力的な特徴だと感じます。ispaceでも社員の約6割が外国籍で、国籍は約30カ国に及びます。宇宙産業は本質的に国際産業であり、英語でのコミュニケーション能力は必須条件です。それに加えて、多様な文化的背景を持つ人々と協働し、国際協調の中で成果を生み出す力が重要になります。学生時代からそのような国際環境で学び、議論し、挑戦できることは、将来に向けた大きな強みになると考えます。

宇宙地球フロンティア研究科を修了した学生が貴社において
活躍できそうな職種やポジションについて教えてください

エンジニアとして技術開発に携わる職種に加え、ミッション全体を俯瞰しながらプロジェクトを推進するプロジェクトマネジメントや、月を舞台とした新たな事業やサービスを構想・立ち上げていく新規事業開発のポジションでの活躍が期待されます。

ispaceは月を中心とした事業を展開しているため、社員には、これまで地球上で前提とされてきた常識や延長線上にとらわれない想像力と構想力が求められます。同時に、単なるアイデアにとどまらず、それを事業計画やプロジェクトとして具体化し、実行可能な形に落とし込んでいく力が不可欠です。その過程では、技術理解に加えて、コスト、スケジュール、リスク、パートナー連携といった現実的な観点を統合する力が重要になります。

特に2030年代以降は、月面において安定した電力供給を前提としたインフラ整備や持続的な活動が本格化していきます。その段階では、個別の宇宙技術や要素技術だけでなく、エネルギー、通信、輸送、居住、資源利用といった複数の要素を統合し、全体としての「月の拠点」や「街」を構想する視点が必要になります。いわば、月面におけるインフラや社会システムをデザインするアーキテクト的な役割が、今後ますます重要になってくると考えています。

また、事業化を進める上では、マーケティング的な発想や視点も欠かせません。根拠のないアイデアではなく、地球上での人々の生活や社会の成り立ちを起点に、「月でもこういうものがあれば便利ではないか」、「こういうサービスがあれば多くの人に価値を提供できるのではないか」と考える力が重要です。

宇宙地球フロンティア研究科での学びを通じて、技術・ビジネス・社会を横断的に捉える力や、複雑な要素を統合して未来の月社会を構想できる力を身につけた人材が育ち、そうした人材がispaceにおいて中核的な役割を担っていくことを期待しています。

どのような知識や能力がその職種・ポジションで活かせそうでしょうか?具体的なイメージがあれば教えてください。

プロジェクトマネジメントの知識・技能は重要です。しかし、一般的なマネジメント学だけで宇宙産業の事業をマネジメントするのは困難です。そのため、宇宙分野のプロジェクトマネージャーは、業界でさまざまな経験を積んでから就く職種とされてきました。宇宙地球フロンティア研究科で宇宙の基礎的知識とマネジメントのスキルを併せ持つ人材が育成されるなら、宇宙産業業界にとっても大きな力となるものと期待しています。

MESSAGE

宇宙地球フロンティア
研究科を目指す
あなたへのメッセージ

20歳代で宇宙地球フロンティア研究科に入学される皆さんは、月でのインフラ整備が成熟していく過程をリアルタイムで体験できる恵まれた世代です。月での活動が「夢」や「実証」から、「社会」や「産業」へと変わっていく20年、30年を、月とともに歩める可能性を持っています。これは、今この時代、この年齢にある皆さんだからこそ得られる特別なチャンスだと思います。

2030年代以降の月では、安定した電力供給、通信、測位といった基礎インフラの存在を前提に、新たな産業や社会の形が生まれていくでしょう。その中で日本は、精密技術、信頼性の高いシステム設計、現場を重視するものづくり、そして国際協調の中で培ってきた調整力といった独自の強みを発揮できる立場にあります。日本国内だけで完結するのではなく、世界とつながり、世界に展開し、世界と共につくる月社会の一翼を担ってほしいと願っています。

現在の宇宙産業は、国や企業が競い合うだけのフェーズではありません。月や深宇宙というフロンティアに挑むには、一国、一社、一分野だけでは限界があり、国際的にも、産業界の中でも「仲間」として協力することが不可欠です。利害を超えて共通の志を持ち、知恵と技術を持ち寄ることが、結果として開発スピードを高め、産業の裾野を広げていきます。

ぜひ皆さんには、宇宙を志す世界中の人々とつながり、宇宙産業共通の志を持つ「仲間」として、月という新しい舞台に挑戦してほしいと思います。

一緒に、月に社会をつくり、そして人類にとって素晴らしい未来を切り拓いていきましょう。