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4月29日(火)第1回「サロン・ド・アプレミディ」において、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授であり、UCLA Social Genomics Core Laboratoryディレクターを務めるSteve Cole博士にご講演をいただきました。

2025年4月29日(火)、立命館大学びわこ・くさつキャンパス・インテグレーションコア1Fアカデミックラウンジにて、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授であり、UCLA Social Genomics Core Laboratoryディレクターを務めるSteve Cole博士をお迎えし、「Social genomics: Exploring New Frontiers in Health and Well-Being」と題した講演会を開催しました。
Cole博士は、ストレスや孤独、社会的孤立といった社会的逆境経験が分子レベルで生体に及ぼす影響に着目し、CTRA(Conserved Transcriptional Response to Adversity)と呼ばれる遺伝子発現パターンに関する先駆的研究で世界的に知られています。講演では、社会的経験がどのような機序でCTRA遺伝子群に影響を与えるか、これまでの研究成果をもとに丁寧に解説いただきました。
さらに、Eudaimonic well-being(自己実現的幸福)とHedonic well-being(快楽的幸福)が主観的な健康状態とは似た関連を示す一方で、生物学的マーカーであるCTRAに対しては異なる影響を及ぼすことが紹介され、文脈に応じたwell-beingの生理学的機序の違いを明らかにする革新的な知見が共有されました。
 このような心理学・生物学・社会学を横断する複合的研究のトップランナーのご講演機会は、聴講者にとって今後の学際的研究のあり方を考える上で大きな示唆を与える有意義な機会となったと感じています。
 ご多忙の中、遠方よりお越しいただいたSteve Cole博士に心より感謝申し上げます。
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