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第29回基礎有機化学討論会で 笹野さん・田中さんがポスター賞を受賞!!
2018年9月6日(木)~8日(土)に東京工業大学 大岡山キャンパス(東京都目黒区)で行われた第29回基礎有機化学討論会において、博士課程後期課程3年の笹野力史さんと博士課程前期課程1年の田中宏樹さん(いずれも超分子創製化学研究室 指導教員:前田大光教授)がポスター賞を受賞しました。
この討論会は、基礎有機化学分野(構造有機化学、反応有機化学、ホストゲスト化学、超分子化学)の最新研究に関する情報交換と成果発表を行い、基礎有機化学分野の更なる発展と他分野への波及を行うことを目的に開催されています。
笹野力史さん 発表タイトル 『ポルフィリンアニオンを基盤とするイオンペア集合体の創製』
《 受賞コメント 》
π電子系アニオンは電子過剰系のため反応性が高く、安定に得ることが容易ではありません。私は、そのπ電子系アニオンの合成と種々カチオンとのイオンペア集合体の形成をめざしています。今回、ヒドロキシポルフィリンの脱プロトン化によって形成させたアニオンが立体型カチオンやπ電子系カチオンとイオンペア集合体を形成することを明らかにし、その構造を単結晶X線構造解析により決定しました。この度は光栄にもポスター賞をいただくことができ、非常にうれしく思っております。ご指導いただいた前田先生や、ともに切磋琢磨している研究室メンバーに感謝申し上げます。また、基礎有機化学討論会は私たちと近い分野を研究対象としている研究者や学生が多く集まることから、研究議論などを通して交流を深めるよい機会になりました。
田中宏樹さん 発表タイトル 『ポルフィリン金錯体を基盤としたイオンペア集合体の創製』
《 受賞コメント 》
適切に設計・合成したπ電子系イオンを規則配列させることで集合体を形成し、メモリデバイスなどとして新たな機能を発現させることを目的に研究を進めています。今回、π電子系カチオンであるポルフィリンAuIII錯体を新たに合成し、対アニオンと安定なイオンペアを形成し、アニオンの種類によってイオンペアの極性が制御できることを見出しました。さらに、SPring-8(大型放射光施設)の放射光を用いた単結晶X線構造解析により、イオンペアの配列形態を明らかにしました。自身の研究成果をポスター賞という形で評価していただき、非常にうれしく思います。受賞に際し、ご指導いただいた前田大光教授、羽毛田洋平助教、研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。今回の経験を糧に、今後もよりいっそう研究に励みたいと思います。
受賞、おめでとうございます!!
参加した学会については、下記URLを参照ください。
http://www.chemistry.titech.ac.jp/~poc29/