在学生・修了生の声

多様な観点から専門を突き詰める探求心は変化の激しい業界で成長し続ける糧になる

多田 順哉 さん

政策科学研究科 博士課程前期課程 2回生

在学生

大学時代は国際関係論のゼミに所属していました。卒業論文を執筆する中で、国際関係学だけでなく、社会学や経済学など多様なアプローチがあることを知り、幅広い学問分野に興味が広がったことから大学院進学を考えるようになりました。コロナ禍で3回生の頃はオンライン授業が中心だったため、大学での学びや研究をもう少し頑張りたかったという心残りもあって、進学を決意しました。立命館大学大学院政策科学研究科を選んだのは、専門の異なる複数の先生方から指導を受けられる研究指導体制に強く惹かれたからです。さまざまな学問分野を学びたい私には、ぴったりの大学院だと思いました。

1回生では、自分の興味に沿ってさまざまな科目を履修しました。特に面白かったのが、「国際政治特論」です。今まさに世界で起こっている政治問題やフードロス、貧困など多様なテーマについて週ごとに院生が発表し、議論しました。外国人留学生が非常に多いことも、本研究科の特徴の一つです。国や文化、価値観の異なる留学生から思いもよらない意見や知識を得られたことは、とても新鮮でした。

現在は、「若者のひきこもりとその支援方法の検討」をテーマに、研究に全力を注いでいます。非常に力になっているのが、指導教授の他に専門の異なる複数の先生方から指導を受けられる「リサーチ・プロジェクト」です。研究の進捗を報告した時、他分野の先生から「制度や政策の影響についても検討する必要があるのではないか」と指摘されたことがあります。それまで社会福祉の観点から、当事者にばかり目を向けていましたが、指摘を受けて、広い視野でさまざまな影響を批判的に検討する必要があることに気づかされました。

大学院で学ぶ中で、将来は専門的なスキルや知識を持って仕事をしたいと考えるようになり、システムエンジニア(SE)を志望しました。希望が叶い、IT業界への就職を決めました。SEには、ITの専門スキルはもとより、顧客の課題を解決する力や高度なコミュニケーション力が求められます。専門外の人に研究内容をわかりやすく伝えたり、相手の質問の意図を即座に理解し、的確に答える力は、多様な分野の教授や院生が集う本研究科だからこそ培えたものです。また、高い水準で研究を追究する中で、探求し続ける姿勢が身についたことも、変化の激しいIT業界で成長し続けていく糧になると思っています。

政策科学研究科には、多様な興味・関心を追究できる環境が整っています。幅広い学問分野に触れながら研究することで、社会で生かせる高度な力も身につきます。いろいろなことに興味をもつ人に、本研究科の学びを味わってほしいと思います。