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アメリカン大学での学び:RUホーム学生インタビュー

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RUホーム第3期生の海堀亜美さん、杉本泰良さん、山内佳乃さん、第4期生の桂和花さんは、現在アメリカン大学で学び、充実した毎日を送っています。アメリカン大学の授業の様子や、現地での生活について、4人に話を聞きました(インタビュアー:トーマス・フレンチJDP担当副学部長)。

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■アメリカン大学の授業にはどのような特徴がありますか?また、日本の大学の授業との違いなどがあれば、教えてください。

海堀さん:ディスカッションを主に授業で取り組むところが、講義を聴くスタイルの日本の大学の授業と明らかに違うと思います。アメリカン大学の必修科目でもある、Habits of Mind*がこのようなところにも反映されているのではないでしょうか。

* Habits of Mind-答えのわからない問題に直面した時に賢く行動するための思考方法を身につけるアメリカン大学の教養科目

桂さん:もちろん、資料をたくさん読みこむ必要があります。ディスカッションに参加するには、事前に資料を読んで情報を収集しておくことが前提です。だから、授業が始まるまでに、かなりの量の英文を読まなくてはなりません。

山内さん:ライティングについてですが、日本の大学で出される記述式の課題と比較して、平均的にアメリカの大学の方が多いと感じます。例えば、立命館では一週間に約5~7ページに対して、アメリカン大学では約7~10ページです。

杉本さん:日本では、ほとんどの授業が1週間につき一回開講されますが、こちらでは1週間に2回あります。また、授業によって3時間続くものや、夜の8時から始まるものもあります。このような授業が続く場合は少し疲れることもありますね。

■アメリカン大学の教員について教えてください。
 
海堀さん:とても話しやすい印象です。オフィスアワー(授業外で教員と一対一で話すことができる時間)も気軽に利用でき、授業に関係のない話をしたりもしています。

桂さん:教員によっては、私たちが母国語ではない言語で受講している、ということを考慮しません。このことは、少しチャレンジだと感じることがある反面、自身の英語力を延ばす良い機会だと思います。

杉本さん:わたしは少し違う印象を持っていて、アメリカン大学の教授陣は、試験や提出物の締め切りに関して寛大だと感じることがあります。立命館では締め切りがきっちり決められており、延長することはありません。

海堀さん:英語の文法についてそれほど厳しく注意しない先生もいます。SIS (School of International Service)には英語を母語としない学生がたくさんいるので、文法が正しく使われているかよりも、内容を重視していると思います。

■アメリカン大学の学生についてはどのような印象をもっていますか?

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杉本さん:アメリカン大学の学生をひとくくりに表現することはもちろんできないですが、傾向として、SISで一緒に学んでいる学生たちは、非常に向上心があり、勤勉で、研究熱心な印象を受けます。

山内さん:学部や学科によってもそれぞれの傾向があるとは思いますが、昔から根付いた文化のようなもので、目標を達成することに関して非常に熱心です。その分、完璧主義になりがちな面もあり、それは個人的にはメリットだけではないように感じています。

■ワシントンDCでの生活について教えてください。授業以外でどのようなことをしていますか?


海堀さん:学内のキャンリアセンターで日本語のチューターのような仕事をしています。仕事の合間に、様々なバックグラウンドを持った同僚たちと話すのは楽しみの一つでもありますね。

杉本さん:ナショナルモール (ワシントンDCの中心部にある国立公園) によく行っています。友人やインターンシップのアドバイザーの方と一緒に、公園内にある博物館やギャラリーを巡っています。

山内さん:今は非営利団体へインターンシップに行っています。

桂さん:私は、寮で寮生をサポートする仕事を今学期から始めました。担当するフロアのみんなにイベントを企画したり、何か問題が起こったときに対処したりしています。

■ジョイントディグリープログラムでは、大学生活の4年のうち2年間をワシントンDCで過ごすことができます。そのメリットは何だと思いますか?


杉本さん:受講制限がある他の交換留学生と比べて、わたしたちは正規学生と同じく、週17.5時間まで授業を受講できます。その間、立命館にはない授業を数多く受講できるので、こういった面は1年間や1学期単位で終了する留学では得られないメリットだと感じています。

桂さん:長い期間過ごす分、より深くアメリカの学生生活、文化に浸ることができるのも魅力の一つですね。

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■アメリカン大学で学んで感動したこと、驚いたことはありますか?


海堀さん:今まで日本で見たことがない、さまざまなコースが用意されていることにとても驚きました。アジア圏外の大学だからこそ、受講できる授業が多く用意されているのはとても興味深いです。

杉本さん:大学図書館の蔵書数の多さにはとても驚きました。また、国立公文書記録管理局も近くにあり、多くの資料の中から必要なものを選ぶことができます。

山内さん:私が驚いたことは、政治、経済、社会、国際など、あらゆる分野の専門家が毎週キャンパスに来て、私たち学生と意見交換をし、また貴重なお話をしてくださる機会があることです。各分野の最前線にいるような方々が私たちに新しい視点を与えてくれることは、私にとって驚きであり、感動する瞬間でもありました。

■卒業研究のテーマはどういったものですか?


海堀さん:私は、第二次世界大戦前と後の日本とアメリカの大衆文化表現について、主に映画に焦点を当てて研究しています。

杉本さん:私も少しテーマが似ているのですが、日本の人々が当時、第二次世界大戦中の出来事についてどのように受けとめていたのか、ということに関してポップカルチャーを用いた表現について調べています。特に、1954年公開の映画『ゴジラ』について、本作品の監督は出兵した経験などをもとにこの映画を製作していることから、当時の日本映画が当時起こった事象についてどのように表現しているか、また、それらのプロパガンダとしての役割について焦点を当てています。

■卒業後の進路について、どのように考えていますか?

海堀さん:投資銀行やコンサルタント業に興味があります。日本企業のインターンシップにも参加しました。

杉本さん:日本企業のリクルーターにインタビューをする機会がありました。今後は貿易会社に応募したいと考えています。これからアメリカで開かれる、ボストンキャリアフォーラムなどで人脈を広げられたら、と考えています。

■アメリカでの生活で、成長できたことや、身についたスキル、知識などはありましたか?

山内さん:これは少し決まりきった表現かもしれませんが、物事を全体的に鳥瞰的にとらえることを学びました。アメリカン大学でアジア圏に関する授業と言えば、日本についてではなく、それ以外の東アジアに焦点を当てたものがほとんどです。このことから、日本が世界に於いてどのような立ち位置なのか、どのようにみられているのか、知ることができました。
一つのことに関する視点を変えることで、あらゆることへの理解が深まる。これこそ、私たちがここにいる意味であり、重要なポイントのひとつであると思います。

桂さん:また、チャンスに対して自ら行動する能力が身につくと思います。母国より自分を助けてくれるものが少ない分、常に自ら考えて、積極的に機会をつかみにいく姿勢を意識するようになりました。