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在学生インタビュー:大好きな日本で、人間として成長を

サクラスカラーズ・インタビュー(2022年)
ドロシー・コンドンさん(アメリカン大学ホーム)

 JDP Dorothy Condon Interview 1
アメリカン大学ホーム第2期生のドロシー・コンドンさんは、新型コロナウィルス蔓延の影響により、来日の延期を余儀なくされた学生の1人です。インタビューでは、ドロシーさんにパンデミックの困難を乗り越えた方法や、日本での充実した生活について話してもらいました。インタビュアーは、JDPプログラム・コーディネーターのモシニャガ アンナ先生です。

Q. JDPで学びたいと思ったきっかけは何ですか?

A. きっかけは偶然でした。当初、早期入学制度を利用してアメリカン大学に出願した時、JDPで学ぶつもりはなかったのです。ワシントンD.C.にある大学をオープンキャンパスなどを利用して見て回っている時、どこも都会すぎるか、アクセスが不便だと感じました。でもアメリカン大学のキャンパスを訪れた時は、「ここに行きたい!」と思いました。

アメリカン大学への入学が決まると、次は学科への出願が始まります。そこで入試担当者からJDPを勧められました。JDPはアメリカン大学のどのプログラムよりもおもしろそうだったので、出願を決めました。JDPに合格した時は本当に嬉しかったですね。

Q. パンデミックの影響で入国出来ず、立命館大学での最初のセメスターをオンラインで学ぶことになりましたが、苦境を乗り切った秘訣は?どのようにモチベーションを保ったのですか?

A. アメリカン大学での学修も同じくパンデミックの影響のほとんどがオンライン授業だったので、再び立命館大学でもオンラインで学ぶことになり辛かったです。一番大変だったのは、昼夜逆転したスケジュールで授業を受けたこと。オンラインでの学修が長引くにつれ、「本当にジョイント・ディグリーで学んでいるのかな?」と実感が薄れる時もありました。

そこでモチベーションを保つために、日本の写真を眺めたり、JDPのインスタグラムをチェックしたりしました。そうすれば、私もいつかは日本に行くんだ、と思えたのです。それから物事の良い面を見るように心掛けました。オンライン授業になったことで、家族と一緒に過ごせる時間が多くとれましたし、復習がしやすいので授業の内容を覚えやすいといったメリットもありました。

JDP Dorothy Condon Interview 2
Q. JDPで学んで良かったと思えた一番の出来事は何ですか?

A. 2022年4月にようやく来日できた時、京都では桜がまさに満開でした。1時間かけて京都市の中心に向かって歩いていると、街中が桜に覆われていて、感激したのと同時に畏敬の念すら覚えたものです。やっと日本での生活が始まったと実感しました。頑張った甲斐があったと思えた最初の瞬間です。

夏休みには、3週間かけて中国や九州地方など西日本の各地を旅行しました。これが忘れられない体験になったんです。授業で日本の近現代史と文化について学んでいたので、旅行で見聞きしたことと、授業で学んだことが上手くリンクしたのです。頭の中のだけでなく、身をもって日本への理解を深めることが出来ました。

広島原爆記念日にはちょうど長崎を訪れ記念式典の準備をする人々の姿が印象的でしたし、また沖縄の平和祈念資料館にも足を運びました。そこで否が応でも、自分がアメリカ人であることを自覚させられました。その感情は複雑で、怒りすら覚えたのです。アメリカ人として、このような場所を訪れ、何があったのかを知ることはとても大切だと思います。日本にいる間に、出来るだけ多くを吸収したいですね。

JDP Dorothy Condon Interview 3
Q. 卒業研究について教えてください。どのように研究テーマを選んだのですか?

A. 卒業研究ではサイバーセキュリティを研究する予定です。奨学金を応募する際、このテーマに関するエッセイを書いたのですが、深堀すればおもしろいテーマになると思いました。来日前、自分の住むアメリカの自治体がハッキングの被害に合い、家族も影響を受けました。また先日のアメリカの中間選挙では、セキュリティの問題で投票数を数えるのに時間を費やしていましたよね。2020年のアメリカ大統領選挙の時、私は投票所の係員として働きました。その時、選挙におけるセキュリティとサイバーセキュリティ問題は切り離せないと気付いたのです。このような経験から、サイバーセキュリティ問題の重要性を様々な角度から理解することが大切だと知りました。

私は、サイバーセキュリティはより広範な人間の安全保障の一部だと理解しています。人間の安全保障と言えば、身体的な安全に焦点が行くことが多いのが現状です。しかし最近では、個人情報などを通してアイデンティティーの問題とも密接につながっています。個人情報がネット上でさらされると、身体的な安全保障に限らず、その人のアイデンティティー自体がリスクにさらされるという問題が生じてしまいます。だから私は、サイバーセキュリティが人間の安全保障に与える影響について研究したいと思っています。今は研究テーマを細かく絞り込んでいる段階で、関連する資料を集めるために時間をかけてリサーチしています。

Q. 卒業後は何をしたいですか?具体的な目標はありますか?

奨学金受給の要件を満たすため、卒業後すぐに、米国連邦行政府機関で1年間勤務しなければなりません。私は国家の安全保障に携わる行政府で働く予定です。卒業研究で学んだことを活かせる仕事に就けたらとても嬉しいですね。将来は、国連やNGOでキャリアを積むことにも興味があります。

キャリアアドバイザーから、大学院で学ぶ前に、社会で実務経験を積むことは強みになると教わりました。私は日本が大好きで、出来れば離れたくないと思っています!だから大学院進学のために、また日本に戻れたら嬉しいですね。

JDP Dorothy Condon Interview 4