研究概要

方針
◇ 明るく元気に研究と研究室での生活を楽しむ
◇ 独創性と協調性のバランスを重視する
◇ 研究の前では全員が平等に議論する
 (実生活と研究の場をうまく分ける)
◇ 共同研究を通じて研究室外からも学ぶ
◇ 研究成果を論文としてまとめ、学会等で積極的に発表する

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研究テーマ

◆ 分子界面制御による生命機能科学
 最近、酵素・タンパク質の機能部位から離れた分子界面の変化が新機能を発揮する現象を見つけました(Commun Biol 2021Mol Plant 2020)。さらに人工タンパク質を結合させて分子界面を作ると、酵素の機能が変わったり、クライオ電子顕微鏡で通常見えない小さな分子を観察できたりすることも分かってきました(Nat Commun 2023)。本研究では、分子界面を制御する方法によって「新しい酵素、生物、薬、デバイス、技術」を作ることを目指しています。詳しくは、立命館先進研究アカデミー(RARA)のWebサイトをご覧ください。

◆ 植物の光合成CO2固定回路のしくみの解明と食料増産を目指した植物の改良
 植物が光合成でCO2を固定する回路のしくみを分子レベルで解明して、地球温暖化の解決に貢献することを目指しています (情報詳細Nat Commun 2017)。 現在、イネのCO2固定酵素に着目して、イネの光合成の改良を行っています(情報詳細報道Mol Plant 2020)。

◆ 疾患に関わる液-液相分離の解析
 液体と液体が分離する現象、例えば、ラーメンのスープに油の液滴が浮いている現象を液-液相分離と言います。最近、細胞内でも液-液相分離が起きていて、その液滴の正体がタンパク質と核酸の集合体であり、それらが筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの様々な病気に関わることが分かってきました(情報Cell 2018Sci Rep 2021Nat Commun 2021) 。現在、疾患に関わる液-液相分離に着目して、その調節を蛍光顕微鏡によって調べることで最終的には薬の開発を目指しています。

◆ 産業利用酵素の改良
 食品加工、化粧品、医薬品合成など幅広い産業分野で酵素は利用されています。産業利用酵素の触媒機能をファージディスプレイを用いた新しい方法で改良しています(Nat Chem Biol 2015)。現在、チーズや乳酸菌飲料の製造に用いられる酵素を新しい方法で改良しています(Protein Sci 2020)。

◆ バイオポリマー合成酵素の触媒機構の解明と改良
 天然ゴムなどのバイオポリマーはとても身近な植物代謝物です。現在、天然ゴムを含むバイオポリマーを合成する酵素の触媒機構の解明と高品質化のための酵素改良を行っています(情報詳細Commun Biol 2021)。

◆ 院内感染の薬の開発と細胞分裂タンパク質の働きの解明
 感染性細菌MRSAは主な院内感染の原因菌です。MRSAの細胞分裂タンパク質の働きを分子レベルで調べ、その増殖を止める薬を開発しています(情報動画報道ACS Chem Biol 2017ACS Chem Biol 2023Nat Commun 2023)。最近、創薬研究からさらに発展させて細胞分裂タンパク質の働きを追跡できる蛍光プローブというツールを開発しました(情報Sci Rep 2019)。この独自に開発したツールを使って、さらに創薬研究を進めています。