- 高島 智也助教
- Takashima Tomoya
- 生物工学科
- 研究室酵素工学研究室
- 専門分野タンパク質工学、構造生物化学
- 担当科目生物化学実験、英語JP2
- Q1研究の内容を教えてください。
-
糖がたくさん連なった「多糖」と、それを分解する「酵素」の研究をしています。多糖は、糖の種類やつながり方(結合様式)によって性質が大きく変わります。たとえば、グルコースがα-1,4結合やα-1,6結合でつながると、お米に含まれる「でんぷん」に、β-1,4結合でつながると、植物の細胞壁の「セルロース」になります。どちらもグルコースからできていますが、ヒトの唾液に含まれるアミラーゼはでんぷんを分解できても、セルロースは分解できません。酵素はそれぞれ特有の形をもち、多糖との“かたちの相性”で働きが決まります。その関係を明らかにするのが、私の研究です。
- Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。
-
私は中学生や高校生の頃から、生物の授業が少しだけ好きでした。授業を聞いていると、生物というのはとても合理的な仕組みでできているという印象を受け、それが自分の性格に合っていたのだと思います。大学で学ぶうちに、私は「生物の進化とは、すなわちタンパク質の進化である」と解釈するようになり、酵素の構造や機能に関する研究室で卒業研究を始めました。実験を始めてからは、自然と没頭していきました。おそらく、目に見えない生命現象や化学反応を、なんとかして目に見える形にするということが、自分にとってとても面白く感じられたのだと思います。
- Q3高校生へメッセージをお願いします。
-
受験生の皆さんは、どうして大学に進学したいと思っているのでしょうか。たしかに、大学では多くのことを学ぶことができ、その価値は「今のところ」非常に大きいと言えます。しかし私は、多くの大学生がその価値を十分に得られていないように感じています。もしそうであるなら、高校卒業後や場合によっては中学卒業後に、すぐに働くという選択肢も現実的かもしれません。一方で、大学に入ってからこそ、大学の価値に気づく人もいると思います。私自身も、もしかするとその一人だったかもしれません。もし皆さんが大学に進学するならば、その環境の中で、一生懸命に動き、自分なりの価値を見つけてください。
- おすすめの書籍
-
13歳からのアート思考/末永幸歩