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  • 伊藤 寿宏助教
  • Toshihiro Ito
  • 生命医科学科
  • 研究室疾患細胞免疫学研究室
  • 専門分野医工学、分子生物学
  • 担当科目組織学実験、微生物学実験、基礎分析化学実験
    • ゲノム
    • バイオテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 私は代謝系が免疫細胞の分化に与える影響に興味があり、その関連の研究を行っています。代謝系には脂肪酸代謝や糖代謝など脂肪酸や糖を分解してエネルギーに変換する経路があり、細胞増殖の活性化などに関わっています。免疫細胞にも多くの種類があり、がん細胞などを攻撃する免疫細胞から自己免疫疾患の発症を抑える免疫抑制性の細胞が存在します。最近の研究により、代謝系が免疫細胞の分化に深く関連することが明らかになりつつあり、がん免疫療法や自己免疫疾患の治療において代謝薬の使用が検討され始めています。私は代謝薬を用いた免疫細胞の培養やゲノム解析、代謝変動解析など免疫細胞の分化と代謝の関係を理解するための実験を行いながら、創薬に繋がる基礎的なデータを取得する研究に取り組んでいます。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 私が本格的に研究を始めたのは大学院の修士課程に入ったときでした。当時、アメリカから帰国したばかりの若い先生と一緒に発電する微生物の研究に取り組んでおり、その先生の研究に対する真摯な姿勢や溢れる情熱に魅せられ、私自身も研究に携わる仕事がしたいと思うようになりました。その後、博士課程に進学したのをきっかけに病原性微生物の生態調査やがん治療、医薬品開発など様々な分野の研究に携わるようになりました。多様な学問分野の研究に取り組むのは大変なことも多々ありますが、日々新しい技術や発見に触れることができ、成長を実感できる喜びを感じています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 若い多感な時期を過ごされている皆さんは、日々の生活のあり方や将来のことなどで大いに悩んでおられると思います。私自身も高校生の時は「自分は将来何になりたいんだろう?」ということを考えながら、日々を漫然と過ごしておりました。ただ、上でも述べたように、大学や大学院への入学をきっかけに情熱溢れる人達に出会い、自分自身の世界を広げるチャンスに巡り会うことができました。これから皆さんには進学や就職など人生の転機となるイベントが多く訪れますが、勇気ある一歩を踏み出して、是非とも新しい世界の扉を開いてみてください。