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  • 前田 大光教授
  • Hiromitsu Maeda
  • 応用化学科
  • 研究室超分子創製化学研究室
  • 専門分野有機化学・超分子化学
  • 担当科目基礎有機化学、有機分子解析法、有機化学実験
    • 機能材料
    • ナノテクノロジー
    • 新物質
Q1研究の内容を教えてください。

 社会はさまざまな物質(医薬品など)を基礎としてなりたっていますが、新しい有機色素分子の合成とその集合化に焦点をあて研究を進めています。物質の構成要素である分子は、原子の種類やその組み合わせ、並び方によって、その特徴や機能(たとえば発光など)は劇的に変わります(それを検証しています)。さらに、分子は集合化しようとする力がもともと備わっており、集合化によって分子1個とは異なる特徴を示すことから、適切な色素分子のデザインにより集合化を制御し、これまでにない性質を示す未踏の材料(結晶やゲル、液晶など)を作り上げようとしています。オリジナルの分子や手法(戦略)を使いながら、基本的には面白いことなら何でもありという姿勢です。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 学生時代に生体関連色素分子の合成研究(物理有機化学)に取り組んだこと、短期間の海外留学も含め、分子集合体の化学(超分子化学)を経験するきっかけがあったこと、立命館大学に着任後に、方向性を決めていくいろいろな出会いがあったこと。
 学生時代に関しては、感覚的にも理解でき、かつ目に見えない世界を考える化学は最も好きな科目でしたので、3回生で化学系を選択しました。学生実験や講義を通して今の恩師と出会い、実験化学(有機合成)で新しい分子を作りたいと感じました(しかし今思うとよく分かっていなかった)。4回生からは研究室で過ごしましたが、目の前のことに必死で、将来のことなどほとんど考えていなかった気がします。博士課程までにいろいろ経験できたことは、研究を含めた生き方の指針になっていると感じます(思い込まない姿勢など)。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 高校生まではどんな科目でも何らか考えることがあるので好きでした。漠然と文章を書く仕事がいいと思った時期がありました(論文作成、申請書作成等に関連し、その意識はたいへん大きなものになっています)。絵を描く(デザインする)のが好き(いまはだめですが、論文や発表資料の図の配置などはこだわります)。人と違うことをしたいという気持ちが少しはあったと思います。
 現在の研究では応用に直接つながるようなことを今すぐに行うのは難しいのですが、これまでにない考え方や物質を世に出すことによって、精神的にも豊かな未来をつくる一助になればと考えています。高校生のみなさんには、勉学(将来的には研究活動)を通して成長し、視野を広くもち、社会で活躍して未来を切り拓いていってほしいと期待しています。

おすすめの書籍

佐藤 健太郎 著『炭素文明論 -「元素の王者」が歴史を動かす-』