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  • 笠原 賢洋教授
  • Masahiro Kasahara
  • 生物工学科
  • 研究室植物分子生物学研究室
  • 専門分野植物生理学
  • 担当科目植物生理学、遺伝子工学
    • バイオテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 植物は光を、光合成に必要なエネルギーとしてだけでなく、環境変化を知るための情報としても利用しています。一年かけて起こる季節変化や、一日の昼夜変化、太陽からの光が一時的に遮られて日陰ができるような短時間の変化を、植物は光を情報源にして知り、環境変化に的確に対応して生活しています。これらのことは、植物が“見て”いるということを意味します。ヒトは目に光センサーがありますが、植物は葉や茎など全身に光センサーがあり、見ています。植物の光センサーの働きや、光などの環境情報が細胞内でどのように伝わって植物細胞が反応するのかを解明することを目指し、研究を行っています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 こどものころから生き物を捕まえたり、育てたり、自然の中で遊ぶことが好きでしたので、生物への興味は自然についたのだと思います。高校3年生のときに利根川進先生がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。そのとき、ただ漠然となんだかすごい、おもしろそうと感じ、研究者へのあこがれを持ちました。大学で研究室に入り、漠然と感じていたことが現実のものになり、毎日が楽しく、夢中で研究をしました。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 多様に見える生物も、限られた共通のしくみが生命現象を支えており、皆つながっているなあと思います。そして、こんな精巧なしくみがよく作り出されたものだと、その奇跡に驚きを感じます。一方、生物の多様さ、独特さを生み出すしくみを理解することもとてもおもしろいです。地球上には気付いていないおもしろい生命現象とそれを支えるしくみがまだまだたくさんあります。そんなものを発見したい、生物の持つ力を知りたい、生物の隠れた力を見つけ出したい、その力を暮らしや環境に役立てたい、自然がどうなっているかを知りたいと思う人は、いっしょに学び、研究をしましょう。

おすすめの書籍

リチャード・P・ファインマン 著, 大貫 昌子訳 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』