- 澤野 俊憲助教
- Toshinori Sawano
- 生命医科学科
- 研究室薬理学研究室
- 専門分野神経・グリア生物学
- 担当科目生化学実験、組織学実験、薬理学実験
- Q1研究の内容を教えてください。
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脳梗塞を発症してしまうと脳への血流が滞り、その領域に存在する神経細胞は死んでしまいます。その結果、麻痺や認知機能障害などの重い後遺症を生じることがありますが、そのような環境下にあっても私たちの身体は、ただやられる一方ではありません。例えば、私が興味の対象としているミクログリアという細胞は脳梗塞の後に形態を変化させ、増殖し、様々な物質を放出するなど、とても活発に働いているのです。これらの反応を丁寧に捉えることで生体が脳梗塞に対してどのような抵抗を試みているのかなど、まだ誰も知らない、我々の身体が潜在的に持っている修復能力の一端を明らかにすることができればと思っています。
- Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。
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特にこれと言ったきっかけは思いあたりませんが、父が研究者でしたので子供の頃から研究を身近に感じていたことは影響しているかもしれません。大学では理学療法を専攻していましたが『なぜ?』という疑問が尽きず、それを考えることも好きでしたので基礎研究を行うために大学院へ進学しました。結局そこでも次から次へと疑問が湧いてくるので途中で止められず、それを追いかけているうちに今に至ります。
- Q3高校生へメッセージをお願いします。
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一般教養や研究など大学で学ぶことの多くは、すぐに役立つようなものではなく無駄が多いのかもしれません。しかし、今すぐ役に立つことしか知らない人は今が終わればすぐに必要とされなくなる気がします。将来を形作る何かは、今は何の意味も持たず無駄だと思われているものの中から生み出されていくのではないでしょうか。大学はそんな『無駄』に取り組むことが許される場だと思います。そして無駄なことにも一心不乱に取り組むことのできる心の余裕こそが、その人や社会の豊かさなのではないでしょうか。そんな豊かさを育みたいとお考えの方は是非、大学に進学すると良いと思います。
- おすすめの書籍
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ジュリアン・ジェインズ 著『神々の沈黙 -意識の誕生と文明の興亡-』