大久保 ファイナンスや環境・デザインは、理系と文系の学生がまざって、講義やゼミをやっていますが。
福田 同じ大学に来た同じ3回生なのに、ずいぶん違う道を歩んできた人たちだなって、ゼミに入って感じました。社会のことに関しても、遊びや勉強に関しても、こんなに考えが違うものかと。それが面白いし、そういう考え方があったのかと学ぶところもあるし。やっぱり一緒にいた方がいいですよ。そのままだと互いの考え方が分からないから、SEの話のように、ユーザーとシステムをつくる側の違いが出てきたりするわけですよね。
田嶋 環境問題でいうと、「どういう現象が起こっているの」は理系的ですが、「じゃあどうやって解決するの」となると、社系の知識も必要になる。
杉崎 私は建築にも興味がありますが、うちのゼミに理系の学生で建築に詳しい人がいて、すごく面白い話が聞ける。経済、経営、理工の3人が組めば、会社がつくれるのではないかと思ったりもします。
大久保 文理融合の意味がすごく身近に感じられる。インスの大きな魅力だと思います。では進路についてはどう考えていますか。
福田 理工の場合、インス以外は専門職や技術者になる人が多いですね。インスの学生にアンケートしたら、就職の心配がすごく多い。社系で就職するか理系で就職するかで、大きく人生が変わるんじゃないかって。
杉崎 私は経済ですが、インスに入らなかったら、経営や理工の授業はとらなかったわけで、身につけたことはたくさんある。就職も、大学で何をやってきたか胸をはって言えれば、学部だとか専攻は関係ないと思います。その意味でインスの勉強は本当に楽しんで打ち込めるから、ほとんど不安はないですね。
木村 文系と理系が一緒というのは、他の大学にはないし、強みだと思う。面接で5人集まったとして、4人は普通に経営か経済の勉強していた人だったら、われわれは違った考え方が出せる。
山下 私は自信と不安と両方です。インターンシップで経験したこととか、やってきたことが身についているので、就職には自信があります。でも1期生ということで前例がないから、企業にすれば不安かもしれない。特にこんな世の中ですから。
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きむら・しんたろう...経済学部経済学科3回生、石崎ゼミ。サービス・マネジメントインスティテュート。パープルサンガへのインターンシップを経験。立命館高校出身。
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木村 だけど企業にしても、大きくなるために新しいものを取り入れていこうという方針があるはずだから、きっと評価してもらえると、私はプラスに考えています。
福田 1期生のメリットってあるはずですよね。大学や学部で評価されるのではなくて、内容そのもので評価されるという。
木村 私達がやれば後が続くわけじゃないですか。その意味で、不安というよりプレッシャーかもしれない。
大久保 インスのメリットとか、カルチャーっていうのは、よそにないものだから、逆に自分からアピールしていく。就職を考えたとき、インスの学生はそれを意識しないといけないですね。
福田 要するに、進路が不安だっていうのは、法学部だったら弁護士や司法書士、情報学科だったらプログラマーとか、直結した就職があるけれど、果たしてインスにはそれがあるのかと。あるけれども、保険の商品開発だとか、株のトレーダーとか、非常に枠が狭いと。でも、それって勘違いの不安ですよね。本当はいろんな分野で文系と理系の両方の視点をもった人材が必要とされているから、立命はインスをつくったのだと思います。だけど、既存の枠組みに当てはめようとするから不安になる。本当はいっぱい引く手はあるはずだし、学んだことは必ず役立つと思います。
大久保 うん、すごい。それに尽きる。すごくしっかりした考えを持ってますよね。
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