RS 学園通信 vol.129 座談会 時代を駆ける先輩たち Student Report 立命館歴史探検隊
December 2000 INDEX
 
chapter1
立命館歴史探検隊 Index
スタートはここから!立命館の歴史をキッチリ学ぼう。
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百年史編纂室 PAGE 2/2

立命館の過去を見据え、未来の糧に

1903
立命館大学の前身・京都法政学校の第1期卒業証書
1939
政治研究サークルの会報誌「四明」(1939年3月発行・第2号)

 「これはいつのものでしょうか?」。
 佐野隊員が何気なく手に取った額装。中にはなんと!立命館大学の前身・京都法政学校の第1期卒業生57人に発行された、卒業証書のうちの1枚が収められています。
 「これは第1期卒業生の方のお孫さんから寄贈されたものでしてね。現存が確認できる、唯一の第1回卒業証書なんですよ」。
 編纂室の方のご説明にじっくり拝見させていただくと、日付は明治36年7月10日。う〜ん、1世紀も前ですよ!しかも、書面にはこのOBの方が修学された論理学や憲法・刑法など19の科目名と、京都帝大からの講師を中心とする指導教官名がズラリと書き込まれています。
 「あれ?これには何が書かれているのかな?」。
 今度は信藤が1冊の雑誌を発見。「四明」と銘打たれたそれは、編纂室の方のお話によると、かつて立命館大学政治学科に集った教員と学生が自主的に組織した政治研究サークルの会報誌で、創刊は1936年。OBが古書店でたまたま発見・購入され、寄贈されたその号は1939年3月発行の第2号(A5版・117ページ・ガリ版刷り)で、会員各氏の寄稿からは日中戦争下で立命館が次第に国家主義的な姿勢を示していった様子、太平洋戦争前夜の危機的政治状況が読みとれます。
 「学生の視点からも書かれているだけに、私たちにはリアルな歴史資料。当時、学生が自主出版でこんな雑誌を出していたなんて、すごいよね」。


1937
中川小十郎が「立命館禁衛隊」を前に演説したときの自筆原稿

 信藤が感心している間に、佐野隊員が巻物を見つけました。
 広げれば長さ9mほどはありそうなその巻物。「禁衛隊によりて発現する所の精神は真にこれ日本精神であって、我が学園の指導精神である所の禁衛隊精神は…」などと書かれています。編纂室の方にうかがうと、戦時色が強まっていた1937年、立命館が組織した京都御所の警護組織「立命館禁衛隊」を前に、中川小十郎が演説したときの自筆原稿とのことでした。
 今日、私たちは立命館にも戦争が忍び寄っていた時代があったことを知り、今平和な日本に暮らせることに心から感謝したのでした。そして、帰り際に、編纂室の方が話された言葉が私たちの心に深く残りました。
 「私たちは戦前の立命館の姿をありのままに知り、『平和と民主主義の大切さを学ぶ糧』にしなくてはなりません。だから、今日ご覧いただいた資料を永久に保存し、社会へ広く公開していこうと考えています。今この編纂室を歴史資料や現有資料を揃えた『総合資料センター』(仮称)に発展させようという構想が進んでいますが、センターが完成したときには、学生や教員はもちろん、社会に対してももっと開かれた施設になるでしょうね」。


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