「これはいつのものでしょうか?」。
佐野隊員が何気なく手に取った額装。中にはなんと!立命館大学の前身・京都法政学校の第1期卒業生57人に発行された、卒業証書のうちの1枚が収められています。
「これは第1期卒業生の方のお孫さんから寄贈されたものでしてね。現存が確認できる、唯一の第1回卒業証書なんですよ」。
編纂室の方のご説明にじっくり拝見させていただくと、日付は明治36年7月10日。う〜ん、1世紀も前ですよ!しかも、書面にはこのOBの方が修学された論理学や憲法・刑法など19の科目名と、京都帝大からの講師を中心とする指導教官名がズラリと書き込まれています。
「あれ?これには何が書かれているのかな?」。
今度は信藤が1冊の雑誌を発見。「四明」と銘打たれたそれは、編纂室の方のお話によると、かつて立命館大学政治学科に集った教員と学生が自主的に組織した政治研究サークルの会報誌で、創刊は1936年。OBが古書店でたまたま発見・購入され、寄贈されたその号は1939年3月発行の第2号(A5版・117ページ・ガリ版刷り)で、会員各氏の寄稿からは日中戦争下で立命館が次第に国家主義的な姿勢を示していった様子、太平洋戦争前夜の危機的政治状況が読みとれます。
「学生の視点からも書かれているだけに、私たちにはリアルな歴史資料。当時、学生が自主出版でこんな雑誌を出していたなんて、すごいよね」。
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