全合成研究
生物活性天然物の効率的な合成法の開発を目指します。
有望な生物活性を有する天然物は微量成分であることが多く、医薬品として供給するためには化学合成が不可欠です。
そこで、生物活性天然物の効率的な合成法の開発を目指した全合成研究を行っています。
また、特異な構造を有する天然物の合成を目指すことが、新たな反応や方法論の開発につながり、有機合成化学の発展にも寄与します。
天然物の構造展開によって新規な創薬リード化合物を産み出します。
自分たちで合成した化合物について、細胞や微生物に対する活性試験を自ら行うとともに、その結果を指標にして、生物活性や標的選択性の向上、副作用の低減を目指して、天然物への新たな官能基の付与および構造改変を行います。
また、一般的に複雑な構造を有する天然物を一部簡略化することで、活性を保持しつつ容易に供給可能な、優れた創薬リード化合物の創製を目指します。
複雑な構造を有する天然物および合成類縁体は、特定のタンパク質にのみ選択的に結合して強力な活性を示す場合が多く、その解析によって新規な薬剤標的の発見につながることも期待できます。
そこで、見出した活性物質の作用機序の解明を目指して、ウェスタンブロットなどの生化学実験によるシグナル伝達経路の解析や、アフィニティープローブを用いた標的同定に挑戦します。