「おはなしタイム」に挑戦
立命館小学校では、今年度の学校経営方針の中に「対話と協働」ということを掲げています。これには、子どもたちが「対話と協働」を通じて学び、成長していけるように、という意図も含まれますし、私たち教職員も「対話と協働」を通じてより豊かな教育実践をしていこう、という意志も含まれます。
この「対話」と「協働」、並列のように見えて、実は、「対話」が「協働」の前提になっています。つまり、共に協力して取り組むという意味の「協働」がうまく進むためには、お互いを尊重しながら対等に話をする「対話」のスキルがあることが前提となるわけです。
「対話」のスキル?「対話」なんて二人以上でお話しすればできることなんじゃないの?そんなに深く考えることなの?という声も聞こえてきそうですが、「対話」も「協働」もそんなに簡単なものではありませんし、自然にできるようになるわけでもありません(自然にできるものなら、世の中もっと平和なはず・・・)。というわけで、「協働」に向かうための「対話」のやり方とか姿勢とか考え方とか、そういったものを子どもも大人もみんなで学び、「対話と協働」が得意な学校になっていきたいと考えています。
今年度、ハウス活動の新たな取り組みとして、「お話タイム」がはじまりました。お昼休みの後の掃除の時間を、金曜日だけ「お話タイム」に置き換えています。ハウスの中の一番小さな単位は「BS」といって、1年生から6年生までの児童が一人ずつで構成されるもので、掃除や遠足など、この単位で活動していますが、今回の「お話タイム」もこのBS単位で行うものです。
まずはやってみよう!ということで、「プレおはなしタイム」がありました。
「おはなしタイム」では、6人が輪になってすわり、リーダーである6年生の進行のもと、お題に即してひとりずつお話をしていきます。それぞれのお話に静かに耳を傾け、受け止めます。一人ひとり話をする時間があり、発言内容に対して批判されたり反論されたりすることはありません。最後は笑顔でハイタッチをして終わります。・・・というシンプルなルールに従ってこの10分間を過ごすことで子どもたちは何を感じ取っていくのでしょうか。
今回の試行を経て、その場を進行する役割を担った6年生、今後どうするのが良いかをそれぞれに考えているようです。1年生が話しやすいようにするにはどうしたらよいだろうか。みんなが安心して参加できるようにするにはどうしたらよいだろうか。そこで、ファシリテーションの専門の先生からヒントをいただきつつ、それぞれの工夫を考える授業を受けました。
6年生には、正しいやり方を求めるのではなく、ファシリテーションの考え方を踏まえつつ、毎回メンバーの様子をよくみながら、楽しみながら試行錯誤を繰り返してほしいなあと思います。そしてこの取り組みの先に、それぞれに個性溢れるファシリテーターが育っていること、「対話」を楽しめる子どもたちが育っていることを期待しています。そんな子どもたちの姿を見ながら、私たち大人も「対話」を学んでいこうと思います。
校長 堀江未来