【特許出願等の相談】
特許出願等の相談
- >>発明の相談先
- >>「まだ、発明かどうかわからない」場合
- >>発明の届け出について
- >>リサーチオフィススタッフのサポート内容
- >>職務発明とは
- >>大学が職務発明を承継して特許出願する場合
- >>「市場性」検討の必要性
- >>学生の発明、客員研究員の発明の取り扱い
- >>大学が承継しない発明の、個人出願
- >>論文発表等について、注意すべきポイント
- >>学内で論文発表すると、その後の出願に障害が生じるか
- >>企業等との共同発明の取り扱い
- >>発明の貢献度
- >>大学の発明補償
- >>受け取った補償金の、税金面の取り扱い
- >>ライセンス(実施許諾)先を探す活動
- >>自分の発明を自分のベンチャーにライセンスできるか
- >>ライセンス(実施許諾)の条件
- >>企業が特許を譲渡してほしいと申し出ている場合
- >>申請書等・様式集
1.発明の相談先
教員が発明をした場合や、特許出願に関する疑問などは、リサーチオフィスのスタッフへ(びわこ・くさつキャンパス所属の場合は、担当TPまたは知財・契約担当まで)ご連絡下さい。 リサーチオフィスのスタッフが発明者のところへ伺い、発明内容のヒアリング、特許出願手続き等の説明をいたします。
知財・契約担当
- Mail:
- ritsip@st.ritsumei.ac.jp
- Tel:
- (外線)077-561-2802
(内線)理工系:515-6566/ライフサイエンス系:515-6021
2.「まだ、発明かどうかわからない」場合
まずは、リサーチオフィススタッフへご相談ください。
個別の案件により、取るべき対応・対策が変わってきます。 例えば、場合によっては、特許出願よりも論文その他の発表が適切と考えられることもあります。また、発明が未完成な場合も、その後研究や出願をサポートいたします。
更に、特許化に向いていると考えられる場合は、
- ●今後、ご提出いただく発明に係る技術上の資料
- ●特許として認められる要件(特許性)
- ●先行技術調査のサポート・アドバイス
- ●大学が発明を承継するための市場性などの条件
- ●発明者がもつ市場情報の整理など
上記について、リサーチオフィススタッフがご相談やご説明いたします。
3.発明の届け出について
「発明届」の提出をお願い致します。リサーチオフィススタッフまでご連絡下さい。
1.発明者へのヒアリング | ||
リサーチオフィススタッフがヒアリングに伺い、発明の内容をご説明頂きます。また、発明者がお持ちの技術移転候補として有望な企業情報を活用することが、技術移転の成約に有効な場合が多く、このような点等についてもヒアリングをさせて頂きます。 | ||
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2.職務発明か否かの検討及び特許性・市場性に関する調査 | ||
ヒアリングに基づいて、職務発明であるか否かの検討及び特許性・市場性に関する調査を知的財産本部で行います。 | ||
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3.大学が承継するか否かの決定 | ||
大学が発明を承継するか否かの決定がされます。 | ||
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4.権利者譲渡書の提出(承継) | 5.発明者への返却(非承継) | |
大学が発明を承継すると決定した場合には、「権利譲渡書」の提出をお願いいたします。 | 大学が発明承継しないと決定した場合には、発明は発明者に返却されます。 |
4.リサーチオフィススタッフのサポート内容
リサーチオフィスのスタッフは、大学で生じるそれぞれの発明に関し「特許相談」ならびに特許化、ライセンシング等の支援を行っております。
発明者に対して、具体的には、
- 発明相談
- 先行技術調査
- 弁理士との連絡調整
- 学内手続き
- 発明の学外へのライセンス活動及びそのための調査、広報活動
- 大学が承継したときや、大学が実施料受け取り後に行う発明者への補償の手続きなど、サポートいたします。
5.職務発明とは
職務発明とは、特許法第35条に基づき、「その性質上、本学の業務範囲に属し、かつ、その発明などをするにいたった行為が本学における当該教職員の現在または過去の職務に属する発明」をいいます。 職務発明であるかどうかは、知的財産本部の検討結果に基づいて発明委員会が決定しますが、原則として「本学が支給または管理する資金を使用して行った研究、本学の施設または設備等を利用して行った研究から生じた発明」は、職務発明として取り扱われます。
本学が支給または管理する資金を使用して行った研究、本学の施設または設備等を利用して行った研究から生じた発明か? | ||
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6.大学が職務発明を承継して特許出願する場合
大学はすべての職務発明を特許出願するわけではありません。
発明が職務発明であると判断された場合、原則として機関帰属となり本学が承継します。
ただし、職務発明であっても、権利取得可能性、市場性など様々な観点から、本学が承継しないと決定する場合もあります。具体的には、知的財産本部で発明の特許性及び市場性の評価を行い、この検討結果に基づいて大学で権利を承継して出願するかどうかを常任理事会が決定します。大学で出願しないと決定した発明については、最初から発明者個人に帰属したものとして取り扱われます。
一方、発明が職務発明でないと判断された場合には、その発明は個人帰属となりますが、発明者の申し出により大学が承継する場合もあります。また、学生が発明者の場合にも、申し出により大学が発明を承継する場合があります。
職務発明か? | (YES)![]() |
特許性あり? | (YES)![]() |
市場性あり? | (YES)![]() |
大学で出願 |
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個人帰属 |
7.「市場性」検討の必要性
そもそも特許とは、特許法第1条に定めるとおり、「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的」とした制度です。
従って、大学で生まれた発明を知的財産権として権利化して保護する目的は、大学で生まれた発明が産業界で有効に活用されることによって社会に貢献することです。発明の学問的価値と市場性とは必ずしも一致しません。また、発明の活用により適切な対価が大学に還元されれば、更なる研究の高度化と研究成果の創出が期待されます。そのために、短期的、長期的にかかわらず、「産業界で活用されうる発明=市場性のある発明」を、権利化していく必要があると考えています。
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(承継)![]() |
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(技術移転)![]() |
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社会貢献 |
発明者 | (対価の還元)![]() |
大学 | (対価)![]() |
産業界での活用 |
8.学生の発明、客員研究員の発明の取り扱い
学生の発明、客員研究員の発明は、それぞれ下記のように取り扱いを定めています。
【学生】
大学学部生および大学院生(以下「学生」という)に関しては、本学における通常の研究活動の範囲で生まれた発明は職務発明にはなりません。しかし、本学と雇用契約を締結するなどして本学の職務の中で生まれた発明は、職務発明として取り扱われます。また、本学知的財産ポリシーや発明規定に沿った取り扱いを受けることについて本学との間で契約することもできます。研究室配属当初からこのような取り扱いをすることにより、発明などを一元管理することが可能となり、研究室内の統一的な指針のもとで研究・教育を進めることができる利点があります。この場合、学生の教育を受ける権利や選択の自由などを損なわないように配慮しなければなりません。
【客員研究員】
客員研究員が、本学知的財産ポリシーや発明規程を遵守する旨の契約をかわしている場合には、客員研究員が本学の職務においておこなった発明は職務発明になります。同契約がかわされていない場合には、職務発明に該当しないため、個人的に特許出願等することが可能です。
9.大学が承継しない発明の、個人出願
届け出のあった発明に関して、以下の2つの場合に、個人出願できます。
- 発明委員会が知的財産本部の検討結果に基づき、届け出発明を「職務発明」でないと判断した場合
- 「職務発明」と判断されたが、常任理事会が承継しない(大学では出願しない)と決定した場合
職務発明か? | ||
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特許性および市場性を検討して、出願可と判断した上で大学が承継し、「発明規程」に基づいて出願する? | 個人で出願できる 選択肢として、次の2つが可能
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10.論文発表等について、注意すべきポイント
論文等内容が「公開」され、出願に障害が生じ得ることです。論文発表後に、それと同じ内容の出願をしても、「新規性なし」として権利化することができません。 したがって、権利化をめざす研究成果については、論文発表等をする前に、出願をしておくことが必要です。新聞・雑誌やWebでの公開は新規性を失ってしまうので注意してください。 なお、論文発表の救済策として、新規性喪失例外規定(特許法第30条)がありますが、これはあくまでも「例外規定」であり、安易に頼ることは危険です。発表後、出願するまでの間に、第3者が同じ内容で出願した場合、権利化することができなくなるからです(ただし、その第3者も、「新規性なし」として権利化 することができません)
論文発表 |
発明の公開 |
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第3者の出願 |
これがあり得るので、論文発表前に出願することが必要 |
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本学の出願(特許法第30条) |
新規性喪失の例外規定の適用 ※論文発表から6ヶ月以内に出願 |
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この例の場合、本学も第3者も、ともに権利化できない |
新規性喪失の例外規定については、次の点に注意
- 対象学会は指定を受けた国内学会等のみ
- 欧州、韓国、中国等では、基本的に例外規定なし
- 論文発表から出願までの間の第三者による出願を排除できない
11.学内での論文発表
本学の場合、博士論文公聴会および修士論文公聴会については、特別に「大学」主催として扱われますので、新規性喪失の例外規定が適用され得ます。ただし、出願までの間に同一発明を第三者が出願したときには、権利化できなくなりますので、重要な発明は、博士・修士論文公聴会で発表する前に、出願してください。
学士論文発表会での発表は、クローズな場で行われますが、慎重な取扱が必要となります。新規性を喪失せず、研究成果を他の研究者に明らかにするためには、その研究者に対して、当該研究成果に関する情報を秘密にすることを了解してもらう必要があります。
詳しい手続きについてはリサーチオフィスにお問い合わせください。
【博士・修士論文公聴会】
発表前の出願が原則。但し、発表から6ヶ月以内であれば新規性喪失の例外規定の適用が可能。
【学士論文発表会など】
新規性を喪失しないためには、秘密保持の手続が必要です。詳しくはお問い合わせください。
※重要な発明は、論文発表の前に出願してください。
12.企業等との共同発明の取り扱い
受託研究、共同研究等によって共同発明が生まれた場合は、リサーチオフィススタッフにご相談ください。 企業等と教員の間に入って、特許出願に関する契約や金額等の交渉を行います。
![]() 企業等との発明 |
![]() |
※出願決定に至る学内手続きは単独発明の場合と同様です。 |
13.発明の貢献度
発明の貢献度とは、共同発明等の場合に、その発明を完成するまでに貢献した各発明者の寄与度をいいます。これは、学内における共同発明の場合でも、企業等との学外者との間における共同発明の場合でも、同様です。その判断基準は、あくまでも「発明の完成」に貢献した度合になります。
たとえば、発明者から指示されて行った単なる実験補助者や、装置・器具の提供者などは「発明者」に該当しないため、「発明の貢献度」はありません。
![]() |
50% | ![]() |
発明が完成するまでに 寄与した貢献度 |
100% | ![]() |
![]() |
![]() |
40% | ![]() |
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![]() |
10% | ![]() |
14.大学の発明補償
「発明者からの特許を受ける権利の譲渡」、「譲渡を受けた権利による特許権の付与」、「大学が取得した権利の譲渡またはライセンス(実施許諾)による収入(ロイヤリティ収入)」について、大学は発明者(教職員)に補償金を支払います。
補償の種類 | 補償金額 | |
1 | 特許を受ける権利の譲渡を受けて特許出願 (出願補償) |
1件につき 5,000円 |
2 | 譲渡を受けた権利による特許権の付与(登録補償) | 1件につき 10,000円 |
3 | 大学が取得した権利の譲渡による収入またはライセンス(実施許諾)による収入(ロイヤリティ収入) | 大学から得た収入から当該特許出願その他に要した費用を差し引いた残額の50% |
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特許権付与 | ||
発明譲渡 | |||
特許権の譲渡・ライセンス (実施料)収入 |
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学部生及び大学院生が発明者の場合は?
発明補償金のうち「出願補償」と「登録補償」については、支払われません。「ロイヤリティ(実施料)収入」については、教職員の場合と同じ基準で支払われます。ただし、大学との雇用関係がある場合の「職務発明」については、すべて、教職員の場合と同じ基準で支払われます。
学内共同発明者がいる場合は?
上記補償金は、共同発明者間で合意した割合に応じて支払われます。
学外者との共同発明の場合は?
上記補償金は、本学と共同研究相手の持分割合に応じて支払われます。
退職後、卒業後の支払いは?
退職・卒業された後も補償金は支払われます。ただし、転居等をされた場合に連絡先等をご連絡頂けないと支払いができないことになります。連絡先等に変更があった場合には、必ずリサーチオフィスまでご連絡ください。
15.受け取った補償金の、税金面の取り扱い
確定申告が必要となります。 所得税法により「出願補償」と「登録補償」は「譲渡所得、「大学が取得した権利の譲渡による収入」は「譲渡所得」、ライセンス(実施許諾)による収入(ロ イヤリティ収入)」は「雑所得」として扱われます。何れも、源泉所得税の対象にはなりませんので、個人での確定申告が必要となります。
いずれも、確定申告が必要 | ||
1.出願補償・登録補償 |
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譲渡所得 |
2.大学が取得した権利の譲渡による収入 | ![]() |
譲渡所得 |
3.ロイヤリティ収入 | ![]() |
雑所得 |
※上記税法上の取扱いについては税務署に確認しておりますが(2004年12月現在)、個々の事情によって異なる場合も考えられます。ご不明な点は、リサーチオフィス知的財産本部までお問い合わせ下さい。
16.ライセンス(実施許諾)先を探す活動
発明者、リサーチオフィス等が、互いに協力して見つけていきます。 研究成果のライセンスにおいて、発明者の協力は非常に重要です。"研究成果を学会などで発表された際関心を示された企業等があった。"この企業の研究内容から見て、興味を示すのではないか"といった情報がありましたらリサーチオフィススタッフにお知らせください。また、リサーチオフィスは独自のネットワー クにより多数の企業情報を蓄積しており、それらのなかから研究成果にマッチした企業を選び出し、発明者と検討しながらライセンス交渉を進めることも可能です。さらに、本学は関西TLOとライセンス業務に関する業務委託契約を取り交わしています。従って、関西TLOのネットワークを利用してライセンス先を見つけることも可能です。このようにリサーチオフィスでは、発明者との相談を踏まえ様々なルートを通じライセンス先の交渉を進めます。
![]() 研究者 |
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![]() |
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17.発明者自身が起業したベンチャー企業へのライセンス
可能です。
本学教員等の発明は、原則的に本学の帰属となります。従って、発明者である教員が自らベンチャーを起業されるような場合、本学からそのベンチャー企業へライセンス(実施許諾)を行うことも可能です。ライセンスの条件などについても柔軟に対応します。 この場合、利益相反の観点も踏まえ、手続きを進める必要があります。 詳しくは、リサーチオフィスへご相談ください。
18.ライセンス(実施許諾)の条件
ロイヤリティ(実施料)や契約期間等の条件は、発明者の意向を踏まえ、相手先企業との話し合いで決定していきます。 ロイヤリティや契約期間といったライセンスの条件には、客観的な基準がほとんどありません。 リサーチオフィスでは、研究成果が産業界で有効活用されることを第一に発明者の意向も踏まえながら、企業との交渉にあたるよう努めています。大学・発明者にとっても発明を実施する企業にとってもwin&winのライセンス成立を目指します。 ライセンスの条件について、ご要望があるときは担当のリサーチオフィススタッフにお申出下さい。
立命館大学単独出願の場合 | 企業との共同出願の場合 | |
専門実施権の ロイヤリティ |
独占的 | 不実施の対価 (ロイヤリティ、不実施補償と呼ぶ場合もあります。) |
通常実施権の ロイヤリティ |
独占的 | |
非独占的 |
※一般に、独占的な実施権を認める場合、独占実施を認める期間を定めて契約します。
19.企業が特許を譲渡してほしいと申し出ている場合
企業への特許譲渡は可能です。
基本的に本学が承継した発明は、広く産業界での活用を目指す観点より、本学で権利化し、原則として実施許諾契約により技術移転を目指していきます。すなわち、本学の発明が、適切な時期に、適切な企業へ、適切な条件で技術移転され、より多くの場面にできるだけ長期間にわたって活用されるよう、本学が特許権を 保有した状態で実施を希望する企業に実施権を認めていきます。
しかし、特定の企業による実施しか想定されず、企業の事業展開上、特許権等の譲渡を求めている場合など、ケースバイケースの判断により、本学は有償、また は無償で企業に特許権等を譲渡することができます。企業に特許を譲渡する際には、発明者の権利が不当に害されることのないよう十分に留意しつつ、譲渡先企業と譲渡対価など契約条件を交渉していきます。特許権等の譲渡の申し出があった場合、リサーチオフィスまでご連絡ください。