2023年1月28日(土)に、立命館大学大阪いばらきキャンパスにて、第14回医療経営研究会を開催しました。今回は、総務省自治財政局準公営企業室長の和田雅晴氏に、「公立病院の経営強化に向けた取組について」というテーマで講演をしていただきました。
和田雅晴様には、医療提供体制に係る諸課題、公立病院経営強化に向けた取組、コロナ禍における公立病院の役割についてお話いいただきました。公立病院経営強化に向けた取組では、公立病院経営強化ガイドラインを取り上げ、経営強化の必要性、地方公共団体における公立病院経営強化プランの策定、都道府県の役割・責任の強化、経営強化プランの策定・点検・評価・公表、財政措置など多岐にわたる内容を詳しく論じていただきました。また、コロナ禍における公立病院の役割についても、コロナ対応に社会的に求められる役割を果たした公立病院の状況、公立病院の決算、病床確保料の見直しなどを取り上げていただきました。
講演のあと、参加者から活発な質問と意見が寄せられ、いずれも的確にお答えいただきました。研究会のほとんどの参加者が医療関係者であることから、より理解を深めることができました。
2022年2月13日(日)に、立命館大学大阪いばらきキャンパスにて、第13回医療経営研究会を、感染対応をきちんとした上で、開催しました。今回は、研究会代表の福島公明客員教授に、「ポストCOVIDー19時代の病院経営についてー地域医療構想を踏まえてー」と題して、報告いただきました。
福島先生は、池田市立病院事業管理者として、この間のCOVIDー19への対応の最前線で仕事をされておられ、その経緯や課題についてリアルに紹介されました。そして、ポストCOVIDー19には、地域医療構想に基づく病院のあり方、とりわけ公立病院の役割と機能の再編成がどのような観点から行われるであろうかについて、示唆に富む議論を展開されましした。
報告のあと、参加者から活発な質問と意見が寄せられ、大いに学び合いました。また、研究会のほとんどの参加者が医療関係者であることから、経験の交流にもなりました。
医療介護経営研究センター主催の「令和3年度介護分野生産性シンポジウム」を2021年12月4日(土)に、立命館大学大阪いばらきキャンパスにて開催しました。開催趣旨は次のとおりです。近年、介護分野を取り巻く環境が厳しくなる状況の中、他の製造業分野と同様に介護分野でも生産性向上に関する取り組みが進んできている。この生産性の取り組みが全国的に広がることにより、働く環境の整備やサービスの質が向上することが期待されているが、現状では十分に効果が出ているとは言い難い状況にある。その原因としては、介護分野などの人的なサービス分野は製造業と異なるという認識や介護分野の経営層における生産性への理解が十分進んでいないことに加え、先駆的に実践している事業所の取り組み事例が、地域事情や事業所規模等の違い、事業所固有の課題解決の改善を目指したものとの認識で、有効事例の適用に懐疑的な事業所が多くなっていることが理由として考えられる。そのため、本来の生産性とは何か、介護分野において生産性に取組む意義は何か、どの様に生産性を理解し、法人、事業所で生産性に自ら取り組むうえで考えなければいけないことは何かを本シンポジウムを通して未来志向で議論し、生産性に関して、本来すべての法人、事業所が取り組むべき必要性について明らかにする。
当日は、開催挨拶および趣旨を中井孝之OIC総合研究機構客員教授(シルバーサービス振興会常務理事)が行ない、基調講演を吉田俊之氏(株式会社NTTデータ経営研究所 情報未来イノベーション本部 産業戦略ユニット ユニット長/アソシエイトパートナー)が「厚生労働省が進める介護分野の生産性向上の取り組みについて」をテーマに行ないました。その後、「少子超高齢社会を乗り切る介護分野における生産性向上とは」をテーマとしたパネルディスカッションを、肥塚浩医療介護経営研究センター長・教授がコーディネーターとなって、鎌田大啓氏(株式会社TRAPE代表取締役社長)、吉田俊之氏、中井孝之(客員教授・シルバーサービス振興会常務理事)がパネリストとなって行ないました。そこでは、パネリストが考える生産性とは、ロボットやICT活用、DXと生産性、経営に直結する人材育成と生産性についての意見交換を行ない、さらに約30名の参加者からの幾つもの質問にパネリストが回答し、最後に、閉会挨拶を肥塚浩医療介護経営研究センター長が行なって終了しました。参加者の多くが介護事業に携わっている経営者、施設管理者、事業所マネジャーであり、介護分野の生産性向上というたいへんホットな話題に強い関心が寄せられました。
2021年11月24日(水)14時より、立命館大阪梅田キャンパスにて、医療介護経営研究センター主催のヘルスケアイノベーションサロンを開催しました。この企画の趣旨は次のとおりです。本格的な超高齢社会の到来により、医療・介護・健康領域は大きな変革期を迎えています。また、これまでの医療機関における治療を中心とした「ヘルスケア」理解から、健康/予防・治療・回復/療養のすべてを対象とする「ヘルスケア」理解へと変化しています。特に重視すべきは、ライフサイエンスやデジタル技術の急速な進歩を活用したQOLへのアプローチであり、よりよいQOLを実現するためのヘルスケアサービスイノベーションの重要性がクローズアップされています。ヘルスケア市場には、既存の事業者の積極的な展開とともに、異業種事業者が続々と参入しています。この場が、こうした動向に強い関心を持つヘルスケア事業経営者及び戦略的事業遂行者が集う場を持ち、ささやかな共創プラットフォームになることを目的としています。
当日は、開催趣旨を光山誠医療介護経営研究センター客員研究員(医療法人敬英会理事長)が紹介し、話題提供者として肥塚浩同研究センター長が「SDGsを実現するヘルスケアイノベーション」というテーマで話しました。その後、医療法人、社会福祉法人、民間企業の経営者や後継者、さらには企業幹部など多彩な10数名の参加者が自己紹介と意見交換を行ない、最後に、閉会挨拶を福永昇司氏(株式会社ニック常務取締役)が行ないました。参加者の多くから、また、このような機会を持ちたいとの感想を寄せていただきました。