2026.02.04

【開催報告】合理的配慮研修を実施しました

 立命館大学衣笠リサーチオフィスでは、2026年1月16日(金)に「合理的配慮」をテーマとした研修を実施しました。

■ 本研修の背景

 2024年4月に改正障害者差別解消法が施行され、事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。私立学校の設置者も事業者に含まれることから、私立大学でも障害のある学生・研究者への合理的配慮が法的義務となりました。この制度変更により、大学には制度的理解に加え、研究支援の現場に立つ職員が「相手の視点に立って想像する力」を育むことが一層求められています。今回の研修では、合理的配慮について考えるためには制度や手順だけでなく、“相手の立場になって考えてみる” という視点を持つために、研究部の職員が日々の業務に生かせる気づきを得ることを目的としました。

 こうした目的をふまえ、今回は 「あこモでカード研修」と「電動車いす試乗体験」の2つのプログラムを実施しました。
※研修に先立ち、事前学習として「2024年度合理的配慮研修ビデオ」を視聴しています。

■ あこモでカード研修

 「あこモでカード」は、合理的配慮の具体的な方法を学ぶものではなく、日常に潜む“ちょっとしたバリア”に気づき、他者の立場で想像することを促すワークショップです。参加者は、人物カード・タイプカード・シチュエーションカードの3種類を組み合わせ、さまざまな人物像や状況を想像しながら「もし自分がこの人だったら、どんなことに困るだろう?」と考え、互いの気づきを話し合いました。普段は気づかない視点に触れることで、相手の感じ方や困りごとが人それぞれであることを実感し、「まず相手の立場から考えてみる」という姿勢を育む時間となりました。

 話し合いの中では、困っている人を見かけた際に、「お手伝いしましょうか?」とさりげなく声をかけてみることの大切さや、相手が断ったとしても気にしないこと、そして “自分にできる範囲で” 無理のないサポートを心がけることが大切だという意見も共有され、日常の中でできる小さな配慮について改めて考えるきっかけとなりました。

■ 電動車いす試乗体験

 続いて行った電動車いす試乗体験では、実際に車いすを操作しながら移動することで、車いすユーザーとしての視点を持つ体験を実施しました。わずかな段差や傾斜、エレベーターの乗り降り、トイレでの動作、ドアの開け閉めなど、日常の何気ない構造の中にもバリアが存在することを身体的に感じることができました。

参加者からは、
「普段なら気づかないバリアに驚いた。ドアの開閉やトイレの利用といった何気ない動作の中にも多くのバリアがあることを実感した。」 「環境の工夫がいかに大切かを改めて感じるとともに、狭い通路や重いドア、エレベーターの鏡の必要性など、当事者の視点でなければ気づけない点に目を向けるきっかけになった」という感想が寄せられました。

写真1
写真2

■ まとめ

 今回の研修では、合理的配慮を“知識として理解する”だけでなく、他者の立場に立って考え、日常の中に潜む小さなバリアに気づくことを大切にしました。参加者ひとりひとりが合理的配慮をより身近に感じ、考えるきっかけを得ることができました。

 衣笠リサーチオフィスでは、今後も研究者・大学院生が安心して研究に取り組める環境づくりを進めるとともに、多様な研究者が活躍できる包摂的な研究環境について考えるきっかけとなる研修を、継続的に開催していきたいと考えています。


※ 本研修の実施にあたり、立命館大学生存学研究所に多大なるご協力をいただきました。