一番大切なのは人と人との繋がり。出会いを大切に。
村田 竜彦さん(2003年理工学部卒)
株式会社ボーイズ(テレビ制作会社) ディレクター
主な制作協力番組:たかじんのそこまで言って委員会(読売テレビ)等
高校時代は理数系の科目が得意だったので、自分は工学系に向いていると思い、理工学部に入学。学生時代は軟式野球部に所属し、主務としてチームを支えていました。またアルバイトにも力を入れ、部活とアルバイトの両立は大変でしたが、体力だけには自信がありましたね。
大学卒業後はSEとして、一般企業に就職。でも、1年半ほどたった頃から、「もっとクリエイティブなことがしたい、自分から発信していく仕事がしたい」という思いがわき、徐々にメディアの世界へ興味を持つようになりました。その結果、現在勤めているテレビ制作会社ボーイズに転職し、ここで働き始めて7年目になります。
みなさんの中には、「テレビ制作会社」と「テレビ局」の違いがわからない人がいるかも知れませんね。テレビ制作会社とは、簡単に言うとテレビ局の下請け会社です。テレビ局だけでは番組を全てつくることはできないので、外部の制作会社に発注し、多くの番組を制作しています。なかには、制作会社から「こんな番組がしたい」という企画を提出することもあります。
番組づくりのおおまかな流れは、まずよりよい番組にするために、会議を重ね、みんなで意見を出し合って企画や演出方法をつめていき、それと同時に番組の収録に向けて、台本や小道具等さまざまな準備をしていきます。そして収録が終わると、番組を編集して、ようやく一本の番組ができあがります。その中で僕がやっている「ディレクター」という仕事は、担当部分の演出責任者にあたります。
でも正直に言えば、日々の仕事は辛いです。企画を生みだす、番組を形にするということは、人に何かを届けるということなので、すごく悩みます。
時間をかければかけるほど面白い番組になると思うのですが、放送という締め切りに間に合うようにしなければいけないので、そこのさじ加減が難しいんですよね。
そして、仕事をするうえで一番大切なのは、人と人との繋がり。どこかで、その繋がりが活きてくることが必ずあります。例えば、番組制作で人が足りないときに「あいつと一緒に仕事がしたい」と思われない限り、仕事の発注がもらえないので、人と人との繋がりはとても大切だと思います。これは学生時代に学んだことの一つであり、本当に立命館大学に入学して良かったと思ったところです。立命館大学は学生数が多いので、いろいろな人と関わることができるチャンスがたくさんあります。今でも、もっともっといろんな人と関われば良かったと後悔していますね。
学生のみなさんの中で、やりたいことがすでに見つかっている人は、そのことに向かって邁進すればいいと思います。そして、やりたいことがまだ見つかっていない人は、大学はやりたいことを探す場でもあると思うので、いろんな人の話を聞いて、それを探し深めていけば、きっといい学生生活になると思います。また学生時代は、時間がたくさんあります。社会人になると自分の時間がとても少なくなります。4年間という貴重な時間を無駄に過ごさないよう、ぜひいろいろな人と繋がって、たくさんの世界を見てほしいですね。出会いを大切にして有意義な学生生活を過ごしてください。
- 取材・文
- 岩澤奈央(法学部4回生)