「染めの町」職人さんの魅力を伝えます
産業社会学部4回生
(写真左から)土谷優太さん、村上加保里さん、山田奈穂さん(班長)、
矢田志織さん、寺島るいさん、岡田裕央さん
産業社会学部 乾ゼミに所属
「本能の染めと職人さん図鑑」の制作に携わる
私たちは、まちづくりを研究する産業社会学部 乾ゼミの「本能班」に所属しています。京都市中京区の本能学区は、京友禅が盛んな地域で「染めの町」として有名です。ですが最近、和装産業が低迷しており、職人の伝統の技を受け継ぐ人が減ってきています。そこで、染めの魅力を次世代に伝えていこうと、本能学区の人たちと一緒に、のれんや着物の染めに関わる職人さんを写真付で紹介する図鑑「本能の染めと職人さん図鑑」を作ることに。また、子どもたちにも興味を持ってもらう機会にしたいと、地域の小学生と一緒に職人さんを取材することにしました。
取材を始める前は「職人さん=堅い人」というイメージがありました。取材も簡単には引き受けてもらえないのでは、と心配していましたが、「私たちの仕事に興味を持ってもえて嬉しい」と温かく迎え入れてくれました。取材を進めるうちに、そんな職人さんの気持ちに応え、その仕事の魅力を引き出したいと思うように。最初は職人さんの人柄についての質問が多かった小学生も、「染めの仕事の楽しいところは?」など、次第に仕事にも興味を持つようになっていました。
苦労したのは、「染めの魅力」をどう伝えるかということ。取材を通して職人さんの仕事ぶりだけでなく、人柄にも惹かれた私たちは、「伝えたい気持ち」が先行するあまり、技術を詳しく書きすぎるなど、読者のことを考えていないところもありました。でも、それでは意味がないんですよね。実際読んだ方に「面白い」と感じてもらえるものを作ろうと、乾先生や地域のみなさんにもアドバイスを頂きながら何度も修正を繰り返し、写真やイラストをたくさん使うなど工夫をしました。
完成した図鑑は、真っ先に協力をしてくださった地域のみなさんに見て頂きました。「本能学区の魅力がちゃんと表現されている。とっても素敵な冊子だね」と、みなさんがすごく喜んでくれたのが、言葉にできないほど嬉しかったです。地域の方々、観光客、学区外の方…たくさんの人がこの図鑑を見て、「染め」に興味を持ってくれると嬉しいですね。
また今後も、学生の立場から地域のために出来ることを探していきたいです。そして、いつまでも学生が地域のみなさんに愛される存在であってほしいと思います。
- 取材・文
- 田中 裕太郎(文学部3回生)