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379 -  ファッションから広がる「選択肢」

ファッションから広がる「選択肢」

藤野結衣さん(2012年3月経済学部卒業)、村上実麻さん(経営学部4回生)
足立伊織さん(法学部3回生)、旭 啓光さん(法学部3回生)

障がい者支援サークル「VAN」のみなさん
3月4日(日)にイオンモール草津で、障がい者の方がおしゃれを楽しめる
ファッションショーを企画・開催!

  • No.379
  • 2012年4月16日更新

私たちは普段、障がいをもちながらでも活躍されている方や、障がい者福祉に貢献されている方を対象に取材活動を行っています。取材依頼後、私たちでアポイントメントをとり、お返事をいただいた方にお話を伺っています。

今回、障がい者の方がモデルを務めるファッションショーを企画したのは、「piroracing」という会社の経営者であり、元レーシングドライバーの長屋宏和さんへの取材がきっかけでした。この会社では車椅子の方が履きやすいジーンズを研究・開発されています。ジーンズは車椅子の方にとって、履きにくいものであり、ずっと座り続けていると褥瘡(床ずれ)を起こすこともあります。こういった話を聞いている内に、おしゃれをしたくてもできない方がたくさんいることに気づき、障がいのある方にもおしゃれを楽しんでもらったり、ショーで「何かを伝えたい。」と思うようになりました。

私たちはイベントを開催するのが初めてだったので、開催までいろいろと大変なこともありました。ファッションショーのモデルは障がい者の方にお願いしましたが、舞台の大きさは私たちが決めたため、実際に車椅子で歩いた時に幅が狭かったり、すれ違う時にぶつかったりすることもありました。健常者の目線で考えてしまった部分もあり、あとで反省しましたね。

またイベントを開催するために、滋賀県の各企業に飛び込みで協賛もお願いしたのですが、なかなか寄付が集まらなくて、難しかったです。私たち自身も、最初は何をしていいのか分からなかったですし、この企画を考えて動き出したのも昨年の12月頃だったので、短期間で準備をしなければならず、大変でした。また当日のファッションショーの運営には、ボランティアスタッフの方も関わってくださったのですが、的確に指示を出すことができない場面もあり、迷惑をかけてしまったこともありました。

でも、ショーを終えたモデルのみなさんからは、「楽しかった、また開催してほしい」という声があったり、おしゃれに対する意識を変えるいいきっかけにしてもらえたようです。これまで、障がい者の方が服を選ぶ基準は、機能性を重視していて、おしゃれが最優先ではありませんでしたが、今回のファッションショーを通して、おしゃれをしようと思えるきっかけづくりが提供できたのではないかと思います。

また、その他にも漫才を披露してくれた方もいて、会場にはお客さんの笑い声も響いていました。服の展示企画も行っていたのですが、障がい者の方でも簡単に着られるスーツ、ジーンズ、ウェディングドレスを見た人から、「とても良かった」という感想もいただきました。イベント後の反省会では、ファッションショーだけではなく、ファッションに関するフリーペーパーを作ってみたいという声もあがっていたので、ファッションショーから次の活動へとつなげていきたいと思います。

これからの目標は、2回目のファッションショーを開くこと。またファッションもユニバーサルデザインなど幅広い範囲を対象にしたものを考えています。そして、これからも取材活動を続けて、障がいを持ちながら活躍されている方の講演会も開いていきたいと思います。また、車椅子を利用している方から、「カタログには、車椅子を選ぶ選択肢が少ない」と聞いたこともあり、車椅子の柄や模様をデザインするイベントを開けたらいいなとも思っています。障がい者の方と同じ目線になって、どんなファッションが必要とされているのかを一緒に考えていきたいですね。

「障がい」は、世間ではマイナスイメージとして、とらえられやすいのですが、それを翻すことや価値を見出すことも可能だと思います。今回のファッションショーでは、障がいのある方にしかできないファッションをたくさん紹介することができましたし、私たちも障がいを付加価値とできるような活動を心がけていきたいと思います。

また、私たちも障がいのある方と一緒に行動することで、たくさん気付くことがありました。車椅子の方と一緒だと、学内外にある段差やスロープなども気になりますし、バリアフリーと言ってもエレベーターが遠い場所にあったら意味がありません。また車椅子の方と一緒にご飯に行きたいと思っても、お店の椅子が固定されていたり、机の高さが合わないと、行けるお店は制限されてしまいます。バスや電車に乗る時でも、車椅子用のバスを予約したり、スロープをつけるために、電車に乗車するのを1本待たされることもあります。自然とバリアフリーに意識がいきますし、もっと改善してほしいなぁと感じる時もありますね。私たちもまだ障がい者の方への理解が足りないことも分かりましたし、この経験を今後の活動に活かしていきたいと思います。

          (右から)藤井さん、村上さん、足立さん、旭さん

―みなさんに活動を通して感じたことを伺いました。

(足立さん)
活動に参加した当初は、障がいに対する知識がなかったこともあり、固定観念を持っていました。でもVANに入り、一緒に活動していく中で、障がい者の方を特別視するような存在ではないと思えるようになりました。もっと健常者と障がい者の壁をなくして、みんなで一緒にいろんなことができる社会になればいいと思いますし、その足掛かりとなる活動にしていきたいです。

(旭さん)
私は以前、障がいを持つミュージシャンの方に取材をしたのですが、手が不自由だからできないという考え方ではなく、どうしたら演奏ができるのかを諦めずに考えておられました。障がいを持っていることをまったく言い訳にしていませんでしたね。私たちも困難なことに対しては諦めることがあります。でも、できないことを工夫してできるようにしていくのって、とてもすごい事だと思います。そういう情報をもっと発信していきたいですね。

(村上さん)
私たちは障がい者の方に対して「ボランティア」をする団体というよりも、同じ年代の仲間同士が一緒に活動をしていくという側面が強いと思います。私たちVANでは健常者の偏った考え方だけにならないように、障がい者の方もメンバーに入っています。これからもいろんな方にこの活動に関わってもらえたらいいなと思っています。

(藤野さん)
私自身も障がいのある方と関わることで、学んだり、考え方が変わったりしました。健常者と障害者が互いに感じている偏見を無くしたいと思います。またそういうことは、実際に関わらないと気づくことができないと思いますし、そこから新たな価値観や考え方を教わることもあります。この活動を、健常者と障がい者が共生できる社会を作るきっかけにしたいと思います。

★障害支援サークル「VAN」の活動内容に興味のある方は
お気軽に下記のアドレスまでお問い合わせ下さい!
Va1219n@yahoo.co.jp

  • 取材・文
  • 梅田友裕(政策科学部2回生)

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