多くの人たちの応援を力に、いざロンドンオリンピックへ!
渡邊大規さん(校友・2011 年経営学部卒)
ロンドンオリンピック競技大会(2012)カヌースプリント男子カヤックペア200m 日本代表
「ロンドンオリンピックではメダルを狙っています」。目前に迫ったロンドンオリンピックを見据え、力強く目標を語ってくれた渡邊さん。2011 年に行なわれたロンドンオリンピックアジア大陸最終予選では、2 位以下を寄せ付けないタイムで優勝し、オリンピック出場を決め、勢いに乗っている注目の校友アスリートである。
小学4 年生の頃、近くにできたカヌークラブに入部したことをきっかけにカヌーを始めた渡邊さん。切磋琢磨できる環境と指導者に恵まれ、中学校、高校と順調に成績を伸ばし、高校2 年生のときにインターハイで初優勝。その後、練習環境が充実しており、ジュニアのナショナルチームの先輩たちが所属していた立命館大学に進学した。
「大学での先輩や友人との出会いは自分の成長にとって大きいものでした。」と語ってくれた。高校までと違い、大学のカヌー部では高い自主性が求められる。先輩後輩関係なく、小さなことでも質問し、周りから吸収できるものは吸収していく、こうした先輩たちの貪欲な姿に刺激を受けた。「水上では、全員ライバル。先輩を追い抜くことも全く問題ありませんでした」と渡邊さんが語る環境のもと、1 回生次からインカレ、日本選手権を制するなど順調に成績を伸ばしていった。そして、1 回生次は北京オリンピック出場を目指すナショナルチームにも選出された。
順調に見えた競技生活であったが、3 回生の頃、突然スランプが渡邊さんを襲った。海外遠征や国内の試合でも思うように成績が伸びない。そんな時期、カヌー部の仲間とともに彼を支えたのは、所属する「経営学部・経済学部 文理総合サ-ビスマネジメン
トインスティテュ-ト」のゼミの仲間だった。同じゼミには、スキー、シンクロナイズドスイミング、レスリングなど、他の競技の日本代表として活躍する学生たちが所属しており、練習への取り組み方、モチベーションやコンディションの調整方法など、異種競技のトップアスリートから得たものは大きかったという。そして、何より渡邊さんの大きな力となっていたのが、アスリートではない、ゼミの友人との大学生活。ともに授業を受け、昼食をともにし、他愛もない会話をする。競技から距離を置いた普通の大学生としての生活、そして掛け値なしに活躍を喜び、全力で応援してくれるゼミの友人の存在は、渡邊さんにとって大きな力となった。
多くの友人の支えもあり、4 回生次にはスランプを脱し、日本選手権優勝、世界選手権で初めてB決勝(10 〜8 位決定戦)に進出するなど、大きな飛躍を遂げた。大学卒業後は、ナショナルチームを中心に活動し、現在はユニー株式会社に所属している。ロンドンオリンピックでは、松下桃太郎さん(石川県体育協会)とペアを組み出場する。オリンピックを直前に控えた今、確かな手応えを感じているという。目標はあくまでメダル獲得。
「自己ベストを出し、もうこれ以上漕げないというレースにしないとメダルは見えてこないと思っています」と語ってくれた。
―最後に・・在学生のみなさんへメッセージをいただきました!
人それぞれ目指すものは違うと思いますが、とにかく常に上を目指して欲しいと思っています。どうせ過ごす4年間なら、中身が濃い4年間にしてほしい。
その方が、あとあと思い出にも残っていくものだと思います。