学ぶ意欲に、限界はない
川勝真梨子さん(経営学部3回生) 写真:左田坂陽佳さん(産業社会学部3回生) 写真:右
衣笠・BKCの教職課程で学ぶ学生による初めての合同研修を行う
(川勝さん)
今年の2月に行った衣笠・BKCの教職課程で学ぶ学生による合同研修。私たちは実行委員として関わり、そこで得た経験は、忘れられないものとなりました。
「教職」という共通点だけで集まり、研修をしたのは今回が初めて。沖縄の4日間、どんな研修にするのか、アンケートをとり、先生と相談しながら、タイムスケジュールを決めていきました。現地では、それぞれの関心事をもとにわけられた班で活動。学徒講和を聞いたり、米軍基地を訪れたり、戦争の跡地をめぐったり、現地の学生と交流したり、さまざまな体験を通して、「いろんな教育のあり方」を見つけるための研修にしていきました。
(田坂さん)
私たちの班は「オルタナティブ教育※」について学ぶために、現地の学校を訪問しました。そこでは、子どもたちの知識レベルや興味を大事にしながら、子どもたちと一緒に授業を構成していきます。少人数制で、私が小中高時代を過ごした学校と比べて授業ペースなども全く異なっていました。
生徒の質問によって、話が脱線しても、それが新たな知識となるため、講師も話を戻そうとはしません。そこで学ぶ子どもたちは、「新しいことを知りたい」という欲求が強く、「学ぶ意欲ってこんなに強いものだったのか」ということを目の当たりにしましたね。
生徒の質問によって、話が脱線しても、それが新たな知識となるため、講師も話を戻そうとはしません。そこで学ぶ子どもたちは、「新しいことを知りたい」という欲求が強く、「学ぶ意欲ってこんなに強いものだったのか」ということを目の当たりにしましたね。
(川勝さん)
私たちの班は、珊瑚舎スコーレというNPO法人の学校を訪問しました。高等部の生徒と、それぞれの郷土料理(たこ焼き・タコライス)を作って交流しました。のびのびとしていて、お互いの個性を認め合いながら関わっている生徒と先生方の様子から、学校という環境のあり方を考え直すきっかけになりました。
また、珊瑚舎スコーレの卒業生が経営されている食堂で、珊瑚舎に通うことになった背景や、今後の人生について話を聞かせてもらったり、現地のおじい・おばあが通っている夜間中学部の授業補助をさせてもらったり。珊瑚舎スコーレに今通っている生徒、卒業生、教えている先生方と、一つの学校を中心にたくさんの方とお話しすることができました。いろんな体験をしましたね。
最終日には、お世話になった人たちを宿泊先に招待して、一緒に食事をしました。
琉球大学のエイサーサークルが踊ってくれたり、多くの人たちが会いに来てくれて楽しかったですね。
(田坂さん)
今回の研修を通して、もう一度教育のことを考える、いいきっかけになりました。
私たちには学校での集団生活など思い出がありますが、今回訪問した学校には、それがないんです。「オルタナティブ教育」は、いい面ばかりではなく課題もあるなぁと気づかされました。先生自身も課題があるとおっしゃっていましたね。でも現地を訪問したからこそ、学べたことがたくさんあります。これから大学で、何を目的にしながら教職課程を学んでいきたいかを考えたいと思います。
―大変だったのは、どんなことですか?
(田坂さん)
研修直前に実行委員長が変わってしまったことです。熱心に準備してくれていましたが、怪我により、急遽、参加できなくなってしまったんです。引継ぎをしながらの準備は大変でしたね。
(川勝さん)
途中から実行委員の代表として活動しなければいけなかったことです。
事前に研修スケジュールをたてていても、変更を余儀なくされることがあったり、大変でした。最初は代表としての自信がなかったのですが、自分を受け入れてくれる空気があることに安心し、自信を持って、どんどん意見が言えるようになりました。
また参加した先輩からは、「川勝さんともっと話したかった」「みんなが意見を言いやすい環境、空気を作れる人にならないと」とさまざまな声をいただきました。みんなに対し「ありがとう」という気持ちでいっぱいでしたね。居心地もよく、みんなで繋がれた研修になったと思いました。
―この研修で学んだこと、感じたことを教えてください。
(田坂さん)
自分の考えを人に伝えることや、人の考えを聞くことの大切さに気付きました。それによって新しい視野を持つということを今までしてこなかったように思います。この研修では参加者同士がそれぞれの考えを共有する時間を作れたことで、それが実現出来たと思います。
(川勝さん)
今回の研修テーマは「多様性体感」でした。オルタナティブ教育も多様性に入ります。
感じること、学べる機会がたくさんありましたね。この研修を終えて、私は迷った時に相談できる場所や人が増えました。大学生活の中で自分について、こんなに考えてくれる場所はなかったと思いますし、背中を押してくれる仲間もたくさんできました。私を前向きにさせてくれる存在ですね。
(田坂さん)
自分が疑問を解決するために研修に参加したのに、視野が広がったからこそ、ますます疑問も増えました(笑)。4回生の先輩たちからは、研修がうまくいくかを心配されていたみたいなのですが、結果的に戦争、平和についていろんな話ができ、研修後に、ほめてもらい、うれしかったです。
また最後に参加者全員がレポートを作成したのですが、それぞれ感じたことは違うんだなと思いました。言葉にできない感情を人に伝える事って難しいと思います。この研修はレポートにまとめて、これで終わりだというわけではありません。そこで感じた感情は、自分たちの中でもまだ熱く残っています。
一人ひとりが、研修での学びをどう活かしていけるのかが、大切だと思っています。
-今後の目標を教えて下さい。
(川勝さん)
珊瑚舎スコーレの先生から生徒さんに向けられた「社会の時計じゃなく、自分の時計を大事にした方がいいんじゃない」という言葉がすごく印象に残っています。
もっともっと自分の世界を広げていきたいですね。そのためには、人に出会って、自分と向き合うことが必要だと思いました。将来は、教員という選択肢だけではなく、自分が進みたいと思う道を探っていきたいと思います。
(田坂さん)
時が経つにつれて、思ったこと、考えた事が風化されないようにしたいですね。
疑問に思うことを後回しにせず、ちゃんと向き合って解決できるようにしていきたいと思います。
※オルタナティブ教育とは・・(Wikipedia参照)
(オルタナティブきょういく、英: Alternative education、代替教育)とは、「非伝統的な教育」や「教育選択肢」とも言い、主流または伝統とは異なる教授・学習方法を意味する。
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~第2回、研修開催のお知らせ~
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『多様性体感!教職を目指す学生のための体験的沖縄研修2012』
【開催日時】
2013年2月12日(火)~15日(金) 3泊4日(沖縄県那覇市を中心に研修)
現地に足を運ぶからこそ、得られる学びがたくさんあります。
多様な教育、歴史、自然、人々と触れることができる貴重な機会です。
キャンパスを超えたヨコのつながり、回生を超えたタテのつながりを築きながら、学び多き研修を一緒に創っていきませんか?
【募集対象】衣笠・BKC2回生~4回生
【募集期間】2012年9月1日(土)~10月5日(金)
【募集ガイダンス】2012年10月13日(土)10:00~BKCにて
■教職支援センター